(本文) 以下は2ケ月半前に私の助言するファンドを購入いただいているお客様に発行したレターです。2ケ月半前のものであることに、ご注意ください。なお、11月初旬「株・金利・為替・不動産等マーケットト全体に関する私の考え方・予想」を書いた本を「講談社」から発刊いたします。久しぶりの本です。よろしくお願いいたします。
(1)都心の不動産価格上昇が顕著になってきている。日経新聞に「新築オフィス賃料 東京・大阪で上昇(5月4日)」「駐車場料金・都心で上昇(5月26日)」「不動産投信マネー吸引(5月3)」という記事が載り始めていることやNHKが1,2ヶ月前に「不動産価格上昇」の30分特集番組を放映したこと、10時のニュース(5月15日)で「不動産価格過熱気味」特集を組んだことなどがその証である。 本日(5月31日)のテレビ東京「モーニング・サテライト」で2人のエコノミストが「今後の日本景気」を予想していた。お一人は「どちらかと言えば強気」、もう一人は「弱気」と意見は分かれてたが「日本経済には個人消費がどうなるかがポイント。その個人消費を決定するのは、所得水準である」というロジックでは一致していた。強気の方は高い所得が継続すると思っているようだし、弱気の方は、所得水準が今後落ちると考えているからのようだった。 私が思うにこれが現在の日本の多方のエコノミストのロジックだろう。私は根本的に違う考え方を持っている。 所得水準ではなく「資産価格が個人消費を決める」と思っているのである。CPIが1%以下だったのに資産価格の狂乱が狂乱経済を引き起こしたバブルがそれを明示している。 あの時の経験はノーベル賞学者であるトービン博士(Dr。James Tobin)の説を使えば理論的にも説明できる。 トービンは、マネタリストに比べて、資産価格の役割を重視している。「資産価格の下落は人々の冨を減らして消費意欲を減らすだけでなく、新たな投資へのインセンティブを減らす」というのがトービンのqの論理である。日本のバブル期ならびに崩壊期の経済はまさに、それで説明できる。その経験、理論から資産市場が上昇しはじめた今後の日本経済は非常に明るいと私は考えるのである。 また、この1,2年間、不動産価格が急騰していた世界経済活況の理由は、トービンの理論に照らし合わせれば明白だと私は考えている。
(2)先日発表された日本の非常に強い第1半期GDP(年率5.3%)に対しマーケットは、「今後は所得が上昇しないから強いGDPは一時的である」という反応をした。すなわち、株価は上昇せず、長期金利も低位安定していた。しかし、世界に遅れて、やっとやってきた日本の不動産価格上昇を考えると、GDPの強さは持続し、株・債券市場は近じか大きく様変わりすると考える。
(3)世界中で起こっていた金融緩和の影響で今までは、生じた余剰資金の一部が株・不動産に向かい、一部が国債購入に向かったというのが私の分析である。株、不動産というインフレ商品と国債と言うデフレ商品という相反するものに資金が向かった非常に不合理な動きだった。日本人の運用する資金は、国債購入に回ったが、これは簿価会計採用機関が多いことに起因しているのではなかろうか?この相反するものが共に上昇するという状態は、長くは続かない。どちらかが破裂する。強い経済に対応し金融緩和から中立状況へ向けて中央銀行が引き締めを開始した現在、破裂するのはデフレ商品である国債市場だと考える。 ちなみに5月21日づけ日経新聞でモルガンスタンレーのチーフエコノミストはFFレートの5.5%までの上昇を予想している。もしその予想が正しければ、米国10年国債金利が4%前半で留まるはずがない。
(4)FFレートの上昇に伴いに日米金利差が拡大し、その結果に起きる$/¥の上昇を予想する。 $/¥が上昇すれば、米国の懸念材料であるインフレ懸念、日本の懸念材料であるデフレが収まる。両国の資産価格にも望ましい。
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