(本文) 以下は私が助言している機関投資家に1か月前にお送りしたコメントです。1か月前であることにご注意ください。
9月は米国株価の回復に伴い日本株もかなり回復したが、まだ十分な回復ではないと考える。米国株価は史上最高値を再度更新しようとしていることは、投資家が米国経済を信頼していることの表れである。その信頼には先日果敢に0.5%の政策金利下げを行った米国中央銀行への信頼も含まれている。 一方、日本においては相変わらず、米国経済の失速懸念が喧伝されている。 グリンスパンが「米国経済が失速する可能性は3分の1」の述べた時も、日本人は米国経済失速とはやし立てた。グリンスパンは後日、「残りの3分の2は上昇を続ける可能性があるということだ」と、補足したのにもかかわらず、こちらは無視してしまうのが良い一例だ。 米国株価が再度、史上最高値を更新するようになると、日本人も米国経済の見方を急速に変えていくのではなかろうか?そうなると日経もさらに上伸すると考える。 このサブプライム問題の真の問題は、日銀が8月、9月と利上げを見送ったこと、そして過剰流動性をつぎ込んできたことにある。 この事態は、円高防止のために過剰流動性を供給し、吸収しなければならなくなったときに、ブラックマンデーが起き、さらに流動性を供給せざるを得なかった1980年代後半と極めて似ている。このときは、激しい資産バブルが起きた。今後日銀が早めに資金を吸収して、資産バブルを抑制できるかが問題となる。 そもそも、日銀が政策金利を0.5%に抑えているのは、穏やかな資産バブルを作り出したい意図と憶測しているが、8月、9月と利上げを見送ったために「穏やか」ではなく「激しい」資産インフレが訪れる可能性が強まったと考える。その意味でも長期金利の急騰、株の上昇、円安の進展を予想する。 日本には相変わらず、「景気があまり良くないから需要が強くならない。したがって需要が供給を上まわらないからインフレが起きない」と考える人が多い。しかし、インフレは需要と供給の関係だけでなく、貨幣量とモノの比率変化によっても起こる。私は、後者の理由によるインフレを予想している。なお、過去の例から資産インフレは学問上のインフレ(フローのインフレ)より数年早く起きる。資産価格が上昇すると資産効果(株や土地を持っている人がお金を使う)ことにより実体経済にも良い影響を与える。 米国経済の失速を予想する日本人アナリストは不動産価格の下落による逆資産効果を理由として論をはるのに、日本経済に与える正の資産効果は口にしないのは、きわめて不思議である。日本の株価は4年前の8000円割れの大底から2倍以上に上位し、東京を中心とする地下の上昇は明確なのにである。
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