作成日 2007/11/3-3:15:39
付録へ
(本文)
以下は私が助言している機関投資家に1か月前にお送りしたコメントです。1か月前であることにご注意ください。

9月は米国株価の回復に伴い日本株もかなり回復したが、まだ十分な回復ではないと考える。米国株価は史上最高値を再度更新しようとしていることは、投資家が米国経済を信頼していることの表れである。その信頼には先日果敢に0.5%の政策金利下げを行った米国中央銀行への信頼も含まれている。
一方、日本においては相変わらず、米国経済の失速懸念が喧伝されている。
グリンスパンが「米国経済が失速する可能性は3分の1」の述べた時も、日本人は米国経済失速とはやし立てた。グリンスパンは後日、「残りの3分の2は上昇を続ける可能性があるということだ」と、補足したのにもかかわらず、こちらは無視してしまうのが良い一例だ。
米国株価が再度、史上最高値を更新するようになると、日本人も米国経済の見方を急速に変えていくのではなかろうか?そうなると日経もさらに上伸すると考える。
このサブプライム問題の真の問題は、日銀が8月、9月と利上げを見送ったこと、そして過剰流動性をつぎ込んできたことにある。
この事態は、円高防止のために過剰流動性を供給し、吸収しなければならなくなったときに、ブラックマンデーが起き、さらに流動性を供給せざるを得なかった1980年代後半と極めて似ている。このときは、激しい資産バブルが起きた。今後日銀が早めに資金を吸収して、資産バブルを抑制できるかが問題となる。
そもそも、日銀が政策金利を0.5%に抑えているのは、穏やかな資産バブルを作り出したい意図と憶測しているが、8月、9月と利上げを見送ったために「穏やか」ではなく「激しい」資産インフレが訪れる可能性が強まったと考える。その意味でも長期金利の急騰、株の上昇、円安の進展を予想する。
日本には相変わらず、「景気があまり良くないから需要が強くならない。したがって需要が供給を上まわらないからインフレが起きない」と考える人が多い。しかし、インフレは需要と供給の関係だけでなく、貨幣量とモノの比率変化によっても起こる。私は、後者の理由によるインフレを予想している。なお、過去の例から資産インフレは学問上のインフレ(フローのインフレ)より数年早く起きる。資産価格が上昇すると資産効果(株や土地を持っている人がお金を使う)ことにより実体経済にも良い影響を与える。
米国経済の失速を予想する日本人アナリストは不動産価格の下落による逆資産効果を理由として論をはるのに、日本経済に与える正の資産効果は口にしないのは、きわめて不思議である。日本の株価は4年前の8000円割れの大底から2倍以上に上位し、東京を中心とする地下の上昇は明確なのにである。

(附録  附録  附録  附録  附録  附録  附録  附録)
1. 今度の日曜日(11月4日)、夜10時10分から真夜中の12時までNHK衛星放送で「BSデベート」に出ます。
「どう進める金融市場改革」という議題ですが、4時間近く討論したものが2時間弱に編集されています。2人対2人の討論で、「金融立国」派はチャールズ・レイクさん(在日米国商工会議所会頭)と 私。「金融立国チャンチャラおかしい」派はテレビでおなじみ慶応大学の金子勝先生と堀紘一さん。相手が金子先生と堀さんと聞いただけで、えらい先生方がビビってしまい出演してくれなかったのに、「藤巻さんはよく受けてくださいました」とNHKの 方に感謝されました。私は「今、サブプライム問題でマーケットに大負けしているから、負けるのには慣れています。だから議論に負けても大丈夫です」と答えました。
録画は夜ありましたが、当日(先週の日曜日)の昼は教育大学付属(現・筑波大学付属)高校のクラス会。私は幹事なのに討論会にそなえ酒も飲まず、緊張のため、一人盛り下がっておりました。さらにクラスメートは「学校の名誉にかけて負けてはならん」と厳命するのです。なぜなら相手の二人は教育大学付属駒場(現・筑波大学付属駒場)高校の出身。私どもの高校の弟分の出身なのです。ますます緊張感は高まります。しかし、いかんせん相手は泣く子も黙る金子先生と堀幸一さん。議論に勝とうという方が無理です。せめて惨敗という惨めな結果を回避出来れば大成功です。クラスメートもわかってくれて最後には「最初からやけ酒飲んでけ」と言ってくれました。ちなみに大西さんからはアドバイスをもらっていました。「最後に『負け惜しみに聞こえるかもしれませんが、ディベートには負けたと思いますけど、だからと言って私の主張が間違えていたというわけではありません』と言え」というのです。「本当は負け惜しみなんだけどね」だそうです。
しかし、案の定、惨敗でした。先方のお二人とレイクさんは、極めて冷静なのに私の声は4時間にわたり1オクターブ上がりっぱなしで、かみっぱなしで、どもりっぱなし。無茶苦茶に気落ちして帰宅し、やけ酒をあおりました。ただ、金子勝先生は番組の外ではとても紳士的で気配りのあるやさしい方でした。帰り際にわざわざ私の控室によってくださり「今日は、伝説のトレーダーの藤巻さんとお会い出来て感激でした」と、慰めてくださったのです。
あまりに気落ちしていたのが気になったのか翌日NHKの方がメールをくださいました。「先生と金子さんの1対1の激論は、見ていて見応えがありました。いい議論を見させて頂きました。金子さんも「藤巻さんは論敵としてもすばらしく、一度じっくり経済話をしてみたい」とおっしゃっていました。また、先生を交えた議論を企画できればと思っています」
もちろん、お世辞かつ慰めであることは十分わかっています。しかし、何はともあれ、放送は今度の日曜日(11月4日日曜日)22時10分からNHK衛星放送「BS デベート」です。よろしくお願いいたします。
http://www.nhk.or.jp/bsdebate/

2.(前回のプロパガンダでもいか同様の文面で宣伝させていただいたのですが)
11月5日に日経ビジネス人文庫「外資の常識」(日本経済出版社)が文庫本化されます。(一部、紀伊国屋大手町店などでは売り出しているそうです)この本は私の処女作であるとともに、私の最も思い入れのある本です。単行本発売当時、毎日新聞が書評で「金融界で大成功してみたい人、外資で働いてみたい人、面白本を読みたい人に」と書いてくれた本です。なにせ「面白本です」と評された本なのです。よろしくお願いいたします。840円です。
今回の文庫本発売に関しては、お茶の水女子大の哲学の先生で「週刊文春」のコラムで有名な土屋賢二先生が解説を書いてくださいました。この解説が、最高に面白いのです。この解説文を読むだけで元手が取れるかと思います。
「お目にかかって分かったが、ウスイさんは想像以上の人だった。しゃべるスピードが圧倒的に速いのだ。9・11のテロのときニューヨークから脱出した模様を縦横に語って、座を圧倒した。この話を聞きながら疑念を抱いた。藤巻氏より英語力もあり、頭の回転も速く、弁も立つウスイさんが、なぜ藤巻さんの上司になっていないのだろうか。たぶんウスイさんには何か大きい欠点があるのだろう。」「藤巻さんの方は私の想像とは違っていた。生き馬の目を抜く弱肉強食の世界で生き抜いてきたとはとても思えない。真っ先に目を抜かれて食べられそうなタイプに見えたのだ。」等々、哲学者の目で私やウスイのことを的確に分析してくださいました。
最後に先生は「金融とユーモアとのめったに見られない融合を見逃さないでいただきたい」とほんの少し褒めてくださいました。
何はともあれ日経ビジネス人文庫「外資の常識」(日本経済出版社)よろしくお願いいたします。

3、この前の水曜日(10月31日)の東京新聞夕刊、木曜日(11月1日)の朝日新聞夕刊で我が愛娘クー(6歳)が大きく写真とともに出ています。もし、まだお手元に新聞があればぜひ見てみてください。なにせ、家内も息子たちも、ましてやマーケットも全く私の言うことは聞いてくれない。聞いてくれるのはクーだけですから、クーは無茶苦茶にかわいいのです。
ちなみに我がフジマキ・ジャパンのCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)はMR.川手であるが、川手さんは「藤巻家のクーはゴールデン・レトリバー、フジマキ・ジャパンのクーは川手です」と、いつも言っている。わが社ではCOO(チーフ・オペレーティング・オフィサー)はクーと発音する。

4.我が家が親戚同様のお付き合いをさせていただいている石村家のお父さん(三味線を手作り(日本では、数少ない)している匠)(ちなみに三味線を考案したのは石村なんとかさんという人)は、遺伝子的に「禿」になるのを非常に警戒し、毎日、ひょっとすると1日2回頭を洗っている。先日「禿の乞食の人を見たことありますか? 頭を洗わないから禿にならないのではありませんか?洗い過ぎるとよくありませんか?」とわざと聞いておいた。石村お父さん、悩んでいるみたい。

5.先日、区の無料の定期健康診断に行ってきた。結果はまだ出ていないが、身長だけは、昨年に比べて1CMn伸びて167.2cmになっていた。(1cm伸びた点に関し、これをどう分析するかは読者にゆだねるが)身長は負けても座高は負けない自信はあいかわらずある。私は、あいかわず負けず嫌いだ。

6.木原美智子さんが亡くなった。ご冥福をお祈りいたします。テレビのコメンテータが「好きな水泳中をされていた時で本望でしたね」と言っていた。きれいごと言うな!!私はディーリング大好きだが、ディリング中に死んでも、決して本望じゃありませから、よろしく。

7.先日、ある地方で講演をしてきた。「会場は結婚式場です」と聞いていたが、タクシーで会場についたら「メモリアル・ホール」て正面に大きく書いてあるではないか?たしかに結婚式も人生のイベントとしてメモリアルではあるが、メモリアル・ホールって普通、葬儀場のことを言うんではないの?ずいぶん講演会やったことありますが、葬儀場でやったの、初めてでした。でも純朴な町で、私は好きでした。

8.来週の講演会予定
1. 野村不動産講演会@大阪
2. 大和証券の11/10(土)「ダイワFX(外国為替証拠金取引)セミナーにおいて
第一部13:00〜14:00「為替相場見通し」として講演します。(ひょっとするともう
一杯かもしれません)
http://www.daiwa.jp/seminar/0711fx/index.html