(本文) 以下、私が助言を行っているファンドを購入してくださっている機関投資家の方々にお送りしているものです。1ヶ月半前のコメントであることにご注意ください。 (1)日本では相も変わらず皆が「危機だ、危機だ」と騒いでいる。しかし日本人が「危機だ!危機だ!」と騒いでいる一方で、アラブや中国の政府系ファンドは欧米金融株の株を大量に購入している。このことをもって、日本のマスコミは「米国金融機関の損失額が大きい。これは大変な不安材料だ」と強調しているが、私は、「なぜアラブや中国が買っているのか」を考える。今までは極めて保守的で債券投資しかしていなかったアラブや中国の政府系投資機関が株というリスク資産を買っているのは、この段階で米国金融株を買うのはかなり魅力的だと思っているからである。今回Citi 株にアブダビ投資庁が75億ドルものお金をつぎ込んだことは、1991年、Citi 株が8ドルまで下がったときサウジアラビアが60億ドルも投資し、その後Citi株が急騰したことを思い出させる。 (2)Citiとメリルリンチが第4四半期に大量の損失を計上した。しかし注意するべきことは両社の経営者が昨秋、交代したことである。マスコミが「大変な状況だ」と騒いでいるが、日本の企業と違って米国人経営者は交代時に徹底的に前任者の膿を出す。業績改善で新任経営者の評価が高まり多額のストック・オプションをもらえるからである。ということは、Citiとメリルリンチの業績は最悪期が終わった可能性もある。次の米国金融機関の決算発表は4月初旬であるが、その前に決算内容が話題になり、その結果金融株上昇という可能性も大いにある。 (3)米国の金融当局や政府は、いざとなれば迅速にそしてドラスティックに政策を打っている。政策金利は現状3%であるがグリンスパンは1%まで下げたのでいざとなれば、あと2%は下げられる。不況に対処する武器はいくらでも持っている。 (4)実際日本のマスコミは全く無視しているが、米国金融株のこの2週間の戻りはかなりのものがある。この理由は以上のようなものではないかと想像する。米国金融株の動きは米国人投資家がサブプライムローン問題をどうとらえているかの鏡である。 JPモルガン $38――>$48 BOA $33――>$45 Lehman $50――>$65 Citi $23――>$29 (5)金融株の急回復は米国株全体のV字型回復につながる。米国の消費不況は、逆資産効果(株とか土地を持っている人がお金持ちになったつもりになって消費を増やす)の結果であるから、株価が上昇を始めれば、逆に正の資産効果が発揮され消費も上昇するのが道理である。
以上より、サブプライムローン問題は近い将来解決し世界の株価は再度、上昇軌道に入ると予想する。
|