以下は我が社が助言をしているファンドをお買いいただいている機関投資家の方々に今月初めにお送りしたものです。約1か月前の分析であることにご注意ください。 (本文) 3月中旬に大底をつけ回復基調に入った米金融株が6月に入り再度下落を始めた。 米金融株が回復すれば、貸し渋り解消から一般株の株価底打ち、それによる資産効果で米景気回復を予想したが、その予想が狂ってしまった。ただし、中長期的には日米株価ともに大底圏にあるという認識に変わりはない。バークレイズの9500憶円の資金増強にカタールの政府系ファンド等が応じたが、今を投資チャンスと見る彼ら投資家と同じスタンスである。 現在、NYダウは金融機関の業績悪化をかなり織り込んだと考える。したがって7月中旬に実際に業績が発表されれば材料出尽くしで米国株価が反騰し始める可能性はかなりあると考える。サブプライムローンの最悪期は脱したという認識が広まれば、引当金の戻り益も期待され株価の戻りは早く、ひいては経済の景況感の大幅改善につながろう。 サブプライムローン問題が下火になれば次のマーケットのトピックは、前から指摘しているように、資源インフレ、農産物インフレであろう。ちなみにこれらの価格上昇は世に言われているような投機マネーのせいではなく新興国を中心に資源・農産物需要が強いからである。中国は10%近い成長を10年続けている。1.1の10乗は2.6倍である。国内総生産が10年で2.6倍になったということだ。これほどの経済成長をしている国の石油消費効率が日本の9分の1で垂れ流し的に石油を使うならば石油はいくらあっても足りない。供給は一朝一夕に増えないのだから石油価格は上がるのである。こう考えると石油価格は穏やかに下がることがあっても一昔前のレベルに戻るのは世界景気が悪化しない限り難しい。石油価格の上昇は消費国にとっては不況要因であっても石油産出国にとっては景気上昇要因であり、世界全体の景気は悪化しないと考える。 このように石油をはじめとする川上の材料が上昇すれば、川下の物価も遅かれ早かれ上昇せざるをえない。 マンション等の建築用の鉄鋼価格の推移は以下の通りである。建築用資材価格がこれほど上がればいずれはマンション価格が上がらざるを得ないというロジックである。 (プロパガンダでは表は省略します) このようにインフレが続くとなると株高・債券安(長期金利高)にならざるを得ない。資源小国・農業小国の日本の通貨¥も下落するであろう。これはさらに株高を演出する。 ちなみに短期的に株はインフレ懸念にネガティブに反応している。企業の売上減少を連想させるからだろう。しかし、単価はいずれ上昇するが、そうなると単価*売上額は最終的に増加する。また企業は一般的に借金を抱えている。借金を抱えていらう人はインフレになれば好都合だ。このような事情から最終的には株はインフレに強い。それは歴史的に見ても明らかである。1950年日経平均が計算され始めた年の日経平均は約100円である。今やその130倍になった。身近な例として散髪代を考えると物価はおよそこの60年弱で20倍くらいだろう。株と土地こそがインフレヘッジをヘッジできる商品なのだ。
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