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今NY株の動きが熱い

2009年5月 6日 (水)

(1)NYの株価は、昨日は16ドル下げたものの1昨日は200ドル以上の上げ。

1昨日の段階で今年の下げ分は回復した。今、NY株の動きは熱い。日本のニュースは実体経済の暗い話ばかりで、そのような雰囲気を感じとれないがNYでは景気回復を読み込み始め、待機していた資金が株式市場に戻ってきているようだ。

特に今回の経済危機の大本だった金融株のこの2か月間の回復はすさまじい。

3月5日に$0.97 と$1を割ったCiti株は昨日は$3.31にも上昇している。 .

昨日のJPモルガンの株価など私が勤めていた頃(世界に冠たる銀行と評価されていた頃)のレベルである。

金融危機が回避されたとなると世界景気は急速に回復する可能性がある。

今までの動きと逆回転が起こるからだ。

             3月上旬   5月5日  対3月上旬比

Citi            $0.97                 $3.31    +341%

JP Morgan                       $14.96                $34.82         +233%

Bank of America                $2.53                 $10.84         +428%

 

この1,2カ月は私が4月18日に出版した「100年に1度のチャンスを掴め」(PHPビジネス新書)で予想したとおりの展開となっている。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569709486/businessbookm-22/ref=nosim

 

以下、出版コンサルタント土井英司さんが昨日彼のメルマガ(ビジネスブックマラソン)に書いてくださった書評です。

「本日の一冊は、モルガン銀行時代、東京市場屈指のディーラーとして名をはせた著者が、サブプライム後のマーケット動向と、投資チャンスを述べた、注目の一冊。

1ドル200円をはじめ、これまでことごとく予想を外してきた著者ですが、解説のわかりやすさと、ある意味ロジックを極めた主張はいいヒントになります。いたずらに不安をあおる本が多いなか、サブプライム・ローン問題は、「金融商品の『ミスプライシング』から起きた技術的問題にすぎない」と喝破し、本質を説いた議論を展開しています。

ほかにも、問題はレバレッジではなく、「流動性リスクの高い商品すなわち『売りたい時に売れない』商品に深入りしすぎたせいだ」など、リスクを負う投資家として見れば参考になる主張が満載。

国と同じポジションを取ることにより、リスクを回避するという考え方も、参考になりました。

政治的な視点や歴史的な視点があれば、より成熟した議論になるとは思いますが、ある意味そこを抜いているからこそ、純粋に投資に役立つ論点が出てくるのだとも言えます。

主張を鵜呑みにするのではなく、プロがどんな指標に注目しているのか、どんな考えで投資に臨んでいるのか、知る上で参考にしたい一冊です。

ぜひ読んでみてください。」

 

以下は「100年に1度のチャンスを掴め」(PHPビジネス新書)より。

ところで昨年秋、サブプライム・ローン騒動の渦中にあって、モルガン・スタンレーのケレハーCFO(最高財務責任者)は「The price is silly and irrational.(この値段は馬鹿げており非合理だ)」と述べました。推測するに、彼のいう「値段」とは、サブプライム・ローンの価格にほかならなかったと思います。だとすると、ケレハー氏は「サブプライム・ローン商品の価格が低すぎる。理論値に比べて、現状の評価は低すぎる」という大いなる不満を持っていたのだろうと思います。

また今年の2月11日のロイター通信によりますと米国4番目の銀行であるウェールスファルゴのCEOが「when markets are not functioning, it’s no longer mark to market, it's mark to craziness 」と言ったのです。「もしマーケットが機能していないのならば、時価会計とは言わない。気違い価格会計だ」とでも訳するのでしょうか?

mark to marketとは時価会計のことです。時価(market)を標準とする会計という意味です。これがmark to crazinessならば気違い度合いを標準とする会計だ」とウェールスファルゴのCEOは毒づいたということなのでしょう。彼も評価額に極めて大きな不満を持っているのだと思います。

さらに、アメリカのバーナンキFRB議長は「サブプライム・ローンの入札の意味は価格を知ることだ」と述べました。多くの人はこの発言を抽象的な哲学論争として解釈しましたが、バーナンキの真意は「サブプライム・ローンの価格は入札によって正常値に戻る」ということだったのではないでしょうか。私は、そう解釈しています。

これらの発言からして今のサブプライム・ローン価格は、金融機関経営者の実感よりもかなり低いのだと思います。もしそうだとすると政府または中央銀行の入札がおこなわれることにより「バナナのたたき売り価格」が排除され金融機関の損益計算書はかなり改善すると考えるのです。戻り益を計上するところさえ出てくるかもしれません。10というバナナ売りたたき価格のために90という評価損を出していた金融機関は50という時価になれば40の戻り益を計上できるのです。このように考えているのは東京マーケットでは私一人かもしれません。しかし、先日、米国人の論文を読んでいたら私と同じような発想をしている人がいました。彼はfire sales 価格という単語を使って論を進めていたのですが、これは火事場セールス価格とでもいうのでしょうか?焼け出されて傷ついた商品のたたき売り値段のことだと想像します。何はともあれ、米国では私と同じように考えている人がいたと力づけられました。

the government could temporarily suspend or alter the "mark-to-market" accounting rule, which would mean the government could buy the assets at a price that is below market rate, but not at fire sale prices.Among the criticisms of the way the Bush administration handled the first half of the TARP is that the Treasury overpaid for the bad assets it bought. Changing the mark-to-market rule might address that particular critique.

 

 

(政府が一時的に時価会計を休止したり修正したりすれば、政府が市場価格より低く、しかし火事場セールス価格よりは高い値段で不良債権を購入することが出来るようになる。ブッシュ政権が金融安定化資金の半分を使って銀行の不良債権を買い取ったがその値段が高すぎたという批判は、この時価会計の変更によって封じることが出来るだろう)というのです。この見解の前提は「今の時価すなわち評価額は低すぎる」ということでしょう。

2008年夏の時点で、モルガンのダイモン会長はじめ、アメリカの金融機関の幹部たちは「サブプライム・ローンの問題は野球でいえば8回裏か9回表」と話していました。しかし、残念ながらこの発言は外れてこれらの金融機関は損失を拡大していったのです。しかし、なぜ彼らはこのような発言はしたのでしょうか?単なる想像だけで公式発言をしたのでしょうか?私は違うと思います。

私のモルガン銀行での経験からいえば、仮にも一流の米国金融機関であれば「どれほどのリスク資産を保持しているか」を経営者は1セント単位まで把握しているはずです。オンバランスであろうとオフバランスであろうと完璧に把握しています。そのリスク資産を保有し続けるとどのくらいの損が発生するかは毎日、計算され経営者に報告されています。時価会計ですから毎日、損益がジェッココースターのように上下します。このシステムが完璧でないと銀行経営など怖くて出来ません。この値はVaRといいますが経験則から99%の確率での正確さを目指しています。

問題は、今までの経験則が生きない事態すなわち戦争等が起きて今までの経験からは推測できない事態に落ちいったときにどのくらいの損をするのかを計算する仕組みは完全とは言えませんでした。またはそういう想定での損失額の計算を軽んじていたと思います。その戦争のような値動きが今回の危機で起こったのです。「ありえない価格だ」と思っていたものが現実に起こり想定以上の損失になってしまったのだろうと思うのです。その意味でも私が今のサブプライム・ローン商品の評価額は異常に低すぎると考えるのです。

 よく「アメリカは、サブプライムの損失が全体でいくらかにのぼるか把握出来ていない」といわれます。これも危機を煽る無責任な識者の発言だと思います。こういう発言を聞けば皆、恐怖を覚え投資行動は委縮してしまうからです。たしかに世界全体のサブプライム・ローン関係損失額を正確に把握するのは難しいかもしれません。 しかし全体の損失額はともかく自分たちが保有するリスク資産額は絶対に把握されているはずです。2月下旬から米国政府が各金融機関に対し要請したストレステストとは、今述べた戦争のような異常事態に、各金融機関がどれほど損を被るかの試算なのです。 

 

(2)朝日新聞土曜日版Beに、われわれ兄弟が連載している「やっぱりフジマキに聞け」はWebの朝日新聞の公式ページ(asahi.com)の「ニュース」をクりックし、その中の「コラム」の下の方(スポーツの下)のビジネスのところを見ると一番下にあります。是非読んでみてください。バックナンバーも読むこともできます。よろしくお願いいたします。先先週の記事は以下で読めます。http://www.asahi.com/business/topics/fujimaki/TKY200904200136.html

(3)藤巻兄弟塾募集要項

7月18日() 六本木一丁目の泉ギャラリーでわれわれ兄弟の「兄弟塾」を開きます。

有料(¥12,000)で申し訳ないのですが、こういう時期だからこそ是非勉強いたしましょう。

私は1時間目を担当しますが、

       日経新聞の藤巻流読み方

       個人投資家でも使えるデリバテイブ

について教授したいと思います。

 ②  は難しいと考えられているデリバティブをきわめてやさしく解説し、藤巻がどのようにトレーディングの世界でデリバティブを使っていたかをご説明いたします。個人投資家にも参考になる話だと思います。

5時間目は弟・幸夫がミクロの話をしますが、その他の講師陣は一橋大学イノベーションセンター長の米倉先生、明治大学ラクビー部監督の吉田義人さん、歌舞伎座のサイモン義人さんと超一流です。吉田監督は現在、他の講演会は受けていらっしゃらないそうですが、幸夫の依頼ということで受けて下さりました。詳細は下記をどうぞ。

http://www.fujimaki-japan.com/lecture/index.html

希望される方は、(1)名前(2)住所(3)電話番号(4)メールアドレスを

Seminar@fujimaki-japan.com

宛ご送付下さい。申込みを受付けた方宛振込口座をご連絡いたします。

 

 

 

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