(本文)
以下はアドバイスです。
(1) 米国マーケットは、この1週間、私の予想以上に停
滞したがスピード調整も終わり、そろそろ上昇が再開される
のではないか?
株を売り持ちし続ける理由が乏しくなり、ショートしていた人間の買い戻し、そして待機していた資金の流入を予想する。3月9日の大底から米国株は32%ほど上昇しているわけで、今までに買い戻し損なった人たちは大いに焦っていることだろう。米国では先物、オプションが発達しているため、株は買うだけではない。買うのと同じように売る。売りが、今だたまっている可能性もある。
(2)「日本のバブル崩壊があんなに長く続いたのだから今回の危機も長く続く」と考えるのはあまりに単純だ。日本のバブル崩壊と、今回の危機は大きく違う。バブル崩壊当時の日本は簿価会計だったために、いつまで経っても損が表に出ずに膿がたまってしまった。それゆえに不良債権処理に10年もかかってしまったのだ。さらに、不良債権問題を片付けたあとに持合株や保有不動産の値段が下落して、底なし沼的にバランスシートが劣化していった。
ところが、アメリカの銀行では、時価会計が徹底しているが故に膿はすでに出終わったと考えられる。しかもアメリカの銀行は持合株や土地を持っていないので、それ故のバランスシート悪化という事態が起こらない。すなわち不良債権問題を解決したらすべての問題解決ということだ。
日本のバブル崩壊の時のように悪い連鎖が底なし沼のように続くことはないのだ。
ちなみに公的資金を導入した10行もの金融機関が6月17日、まだ導入から8か月しかたっていないのに公的資金を返済している。
日本の場合と比べるとえらい速さである。
(3)政府は7か月ぶりに月例経済報告で「悪化」という文字を排除した。そうであるならば次の100年は極めて明るい未来がある。「100年に一度の危機」でさえも景気悪化が6か月で終わるのなら、次の99年はどんなに景気が悪化しても数か月しか続かないことになるからだ。言いたいことは「100年に一度の危機」という造語は大げさであって市場はそれに振り回されたのだ、ということ。単なる心理状態で悪化した分、景気の回復は早い。
(フジマキな日々)
(1) 一昨日の朝日新聞土曜日版Be「やっぱりフジマキに
聞け」は
http://www.asahi.com/business/topics/fujimaki/
で読むことができます。よろしくお願いいたします。
(2)昨日は雨だった。こういう雨の日は静かに読書するのが、知識人の心得です。本文同様、以上もアドバイスです。
特に、哲学者でお茶の水女子大の文教育学部長・土屋賢ニ先生の「純粋ツチヤ批判」(講談社)(1400円)が、よろしいかと思います。土屋先生は、非常に長い間「週刊文春」でコラムを連載されていますからご存じの方も多いと思います。
p49~の「笑える経済」には私の拙著の文庫本「外資の常識」(日経ビジネス人文庫)に土屋先生が書いてくださった「解説文」が引用されています。
なにせタイトルは「笑える経済」です!!ちなみに、土屋先生と小生は、非常に似ているところがあるそうです。この本によると、それは「土屋賢ニ先生を敬愛しているところ」
(3)この本の第7章(p261~)の土屋語録も相変わらず面白いです。
・「アドバイス」---10円のお金も与えたがらない人が、他人に惜しみなく与えたがるもの
・「あのねえ」--かって、ある首相が記者に対して使った、質問が的外れだと思っていることを示すための表現。
・「会議」--人類の偉大な発明。これ以上に睡眠を促進するものはまだ開発されていない。
・「過去の栄光」--自慢するものがなくなった有名人が頼りにするもの。そういう有名人を笑う人はたいてい、過去の栄光さえ持っていない。
・「金」--誰もが欲しがるもの。金がない人もある人も同じくらい欲しがる。それは、金でなんでも買えるからである。但し貧乏を買うのは難しい。
以上、偉大なる哲学者・土屋先生の偉大なるお言葉の一部です。
(4)先週末 ラジオのJウェーブを聞いていたら、面白い話をしていた。もっともこの手の話は、よく使われているから私が聞いたのが、初めてだったのかもしれませんが。
船が難破したが救命ボートの定員の関係で、どうしても一人が船に残らなければならない。その時、残るべく男性が米国人だったら「あなたはこれで英雄になれますよ」と説得し、英国人なら「これで真のジェントリマンになれますよ」と説得し、ドイツ人だったら「それが規則ですよ」と説得する。日本人男性への説得はどうするか?
答えは「皆さん、そうしてますよ」だそうだ。
サブプライムローンの時、影響が一番小さいはずの日本株が先進国で一番下落したのはこの日本人の「右向け右。左向け左」の性格だったのだと思う。
