(本文)
1)米国金融株の回復力が素晴らしい。
何度も書くが、今回の危機の大基が逆回転を始めたということは、去年の危機の際の動きが逆回転で起こってくる可能性が強い。日米とも株価のさらなる大幅高を予想する。
潰れそうになって大騒ぎをしたAIGは今や$50.23である。1,2か月前に20株を1株に統合したので、今の$50.23は危機当時に換算すると$2.5である。$0.33まで下がった株は7.6倍に上昇したことになる。他の米国金融機関の現在の価格もシティーは3月の大底の5.4倍、バンク・オブ・アメリカは7.1倍である。
AIG の危機が報じられた当時、私は「日本の外貨準備でAIG他の株を買えばいい。日本が世界の経済危機を救うことになるし、かつ儲かるチャンスが高い」(確かプロパガンダにも書いたしテレビでも述べた)と主張していたが、もし政府がそうしていれば、日本政府は今ごろ財政赤字問題を解消出来た。100兆円の外貨準備をすべて低迷した米国金融株に突っ込んでいれば、500兆円から600兆円儲かったわけで今頃日本の累積赤字830兆円も解消だったのだ。消費税など上げなくても済んだ。そして世界に冠たる金融機関は日本の会社になっていたのである。まーー、夢物語かもしれないが、少しはやっても良かったのではないか?
2)ところで8月28日の日経新聞夕刊に「米金融機関『経営に問題』416社 3月で36%増 15年ぶりの高水準」という見出しの記事が出ている。
「今年に入り、実際に破綻した金融機関も80を超しており1992年(127社)以来、17年ぶりの水準となっている」という記載がある。
これを読んで 「わーすごい、米国では今年すでに金融機関が80社も倒産したんだ。大変だ」などと考えてはいけない。日本の感覚で考えてはいけないのだ。私が米国のビジネススクールで習ったことで印象に残っていることは、あまり多くはないのだが、覚えていることの一つは「米国の金融機関は(当時)14,000社ある(ひょっとすると15,000社だったかもしれない)米国中央銀行の役目は個別倒産を防ぐことではない。連鎖倒産を防ぐことだ」とおっしゃった教授の言葉である。当時、金融機関の数が、桁はずれに少なく「護送船団方式」と言って1行たりとも銀行はつぶさない」政策をとっていた日本との大きな差に驚いたものだ。1万以上の金融機関があるのなら80社位つぶれてもそれは危機でも何でもないし、もともとが「経営努力をしていない銀行は退場してもらう」というのが米国の金融に関するカルチャーなのである。金融システム危機はさった。
(フジマキな日々)
(1)先週の朝日新聞土曜日版Be「やっぱりフジマキに聞け」は
http://www.asahi.com/business/topics/fujimaki/
でご覧になれます。よろしくお願いいたします。
ところで新聞のコラム中の「ところで先日、尊敬する塩野七生さんの『男たちへ』(文春文庫)を読んだ。この本の中で塩野さんいわく「俗にいうインテリ男たち」の特徴として、「小さな野心しかもっていない」ので、政治家や財界のお偉方にいかに弱いかを喝破している。 アリャ、この点で私は間違いなく正真正銘のインテリだ。」の部分ですが、字数の関係で詳しく書かれていませんが、塩野七生さんの原文は
「俗にいうインテリ男たちの特徴の最後は、小さな野心しか持っていないということだろう。欲望は持っているのだが、それがなんともけちくさい。だから、政治家からお声がかかると、みっともないくらいに、すぐなびく。財界のおえら方から接待でもあると、芸者よりも早く駆けつける。芸者は花代をもらっているのに、インテリ達は一夜の夕食との引きかえなのだから、それはみっともない以外の何物でもない。」
これを読んで「自分も正真正銘のインテリだ」と思われるは私だけではないのではありませんか?幸夫は、芸者より早く駆けつける私より、もっと早く駆けつける完璧なインテリだ。
(2)幸夫がプロデュースしている「藤巻商店」2号店が、8月26日六本木ヒルズの森美術館3階にオープンしました。森美術館3階のチケット売り場の横の美術館ギフトショップの奥にあります。よろしくお願いいたします。
(3)フジマキタケシの1週間
8月24日(月)
朝日新聞土曜版Be「やっぱりフジマキに聞け」にしばしばご登場いただいているオオニシ先輩、家内アヤコと大森海岸の「松乃寿司」に行って来た。オオニシさんと「松乃寿司」の大将・手塚さんは慶応大学経済学部のクラスメートである。
8月26日(水)
10時15分から45分間早稲田大学日本橋キャンパスで開かれた「キッズ・マーケットキャンプ」で「リスク とリーターン」について話をしてきた
キッズ・マーケットキャンプは、小中学生を対象に、早稲田大学ファイナンス研究センター、メリルリンチ日本証券株式会社、NPO法人金融知力普及協会の3者共催で実施している社会科教育プログラムである。
私の授業は難しすぎた、と反省している。小学生に対しての授業は、かなり難しい。
夕方は上野の東京文化会館で開かれたコンサートに行ってきた 「題名のない音楽会(テレ朝)」の司会・佐渡裕氏率いるシエナ・ウインド・オーケストラの演奏会である。次男・ヒロシが高校の頃、吹奏楽部でフルートを吹いていたから東京都の吹奏楽の大会にはずいぶん顔を出したが、それと比べると、当り前だが、ウインド・オーケストラの最高峰の一つであるシエナの演奏は流石だった。そして佐渡裕のキャラにもよるのだろうが、面白かった。バイオリンやピアノは小さい時からやらねばいけないから家庭環境に恵まれた音楽界のエリート集団達が扱う楽器だと思う。一方、吹奏楽の方は我が息子・弘のように中学から音楽を始めた雑草集団が演奏するわけだから、かしこまらなくて気楽に聞けるのだ。
池上英樹という日本有数のパーカッション、マリンバの独奏も素晴らしかった。彼は高校時代までジャズやロックのドラマーとして活躍していたそうだが、クラシックの世界に衝撃を受けクラシックに転向したそうだ。
ところで話は変わるが、高校野球の応援の時には、弘達フルート組は「来なくていいよ」と言われ吹奏楽部の中で仲間外れだったそうだ。そりゃ、そうでしょうね、フルートで応援されても野球部員は元気でないものね。
この演奏会では2列目の、ど真ん中の席だった。綾子は近すぎる、と文句を言っていたが、私はそれなりに面白かった。ただ私の前の1列目のど真ん中に座った男の子がコックリコックリしていたのは気になった。そんな目立つところで寝るなよ。団員にかわいそうじゃないか、と。
私の講演会では、金儲けの話のせいか皆一生懸命聞いてくれる。会場が大きくても私は意外と聴衆の方々を壇上から観察しているのだが、寝ている人はほとんどいない。しかし、数年前 聴衆500人ほどを前に講演をしていた時、会場を見渡していたら、ただ1人だけ、会場の後ろのほうで寝ている人を見つけた。「アー、なんて失礼なやつだ!」と思って、眼を凝らしてみたら、なんと、妻アヤコだったのだ。ちなみにそれ以来、綾子は私の講演を聞きに来たことはない「あなたの講演、面白くない。私がお金の運用法聞いたって、どうせすべてあなたが運用しているんだから無用の長物」だそうだ。
8月27日(金)
ブルムバーグ元日本支社長・中條さん送別パティー出席。
今週は、あとは、ずーと家に閉じこもって光文社から出す新刊の原稿を書いていました。10月中旬発売予定です。よろしくお願いいたします。
