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本文&フジマキな日々(湯原温泉&姫路)

2009年9月 7日 (月)

              20090901光文社撮影(3).JPG  (本文)

1)日によっては「金融株急落」などという新聞記事が載って「まだ金融危機は終わっていないのか?」と思う方がいるかも知れない。また「まだ金融危機が終わっていない」という識者の発言や「商業不動産ローン」の損失計上が増えるだろうという記事でビビってしまう投資家がいるのかも知れない。しかし米国金融株は、順調に回復している。

米国人投資家は「まだ金融危機が終わっていない」という識者の発言や「商業不動産ローン」の損失計上が増える可能性は十分承知している。それを承知したうえで米金融株を買っているのだ。

米金融株は、ほとんどが3月上旬に大底をつけているが、それからたった6か月の間に急上昇をしている。

Citi は  $0.97à$4.85

BOA は $2.53à $17.09

AIG は  $6.60à$40.05(ただし12か月前に20株を1号に併合しているの

で昔の単位からすると$0.33 à$2.00)

講演会では推奨個別銘柄を決して言わない私が珍しく、しつこく「米金融株を買え!」と言い続けて来たかいがあったと思っている。

今回の危機は、つまるところ「金融危機」である。どんな偉い識者が何を言おうと、株価の推移を見るかぎり金融危機は終わった。投資家は全体としてみると頭の良い存在だからだ。投資家は金融危機は終わったと判断したのだ。金融危機が終わった以上世界景気の回復は早い。

 

2)日本株の回復は、あとは為替による。「$高¥安」が進めば、「極めて力強い」回復だろうし「$高¥安」が進まなければ「ほどほどの」回復であろう。どちらにしろ、回復トレンドには変わらない。日本経済は資産効果により前者の場合は「極めて力強い」回復だろうし、後者の場合「ほどほどの」回復であろう。

 

3)政治のマーケットに対しての影響を述べるのは好きではないが、あえて述べるならば近視眼的には日本では政治はマーケットにあまり影響がないと思っている。予想どおり今回もマーケットはほとんど動かなかった。政権交代とともに政策立案集団がころりと変わる米国と、どの政権になろうとも優秀な官僚が残る日本では違うのである。もちろん、原点から4度の線と10度の線は原点近くでは差異がなくても将来は大きな差異が出てくることは間違いない。日本の政治と経済の関係はそれと同じ。

マーケットと民主党のかかわりを述べると、

(民主党が得なこと)

今後、世界経済は急速に回復していくと思われる。それは、民主党の経済政策というよりは全世界的な株価急騰による資産効果のせいである。しかし世間は政権が民主党に変わったせいだと考えるだろう。

(民主党が貧乏くじを引く可能性)

財政が破たん状態に近く、長期金利が急騰する可能性がある。ここまで財政を悪化させたのは自民党であるにしても、「バラマキ」と非難されながらも実行した政策が最後の一刺になると世間は「悪者は民主党」と考える可能性が強い。アジア危機の時、マレーシアのマハディールがソロスを非難したが、あの危機は固定相場制の副作用である。「固定相場師を維持しオデキを大きくした」マハディールが悪いのか「最後の一刺をした」ソロスが悪いのかを考えると、私は前者だと思うが、世間はそうはとらない。

ちなみに19875142.55%を付けた10年物金利は、1012日に6.24%まで上昇した。2.55%をつけてから、たったの5ヶ月間で約4%も上昇したことになる。もし、今の長期債利回り1.4%5ヶ月間という短期間で6.4%に上昇すれば、今の経済情勢や累積赤字額を考えると、経済運営が不可能になるし予算が組めるかも疑問になる。

(長期金利上昇のリスク、そして個人投資家が、その事態にどう備えたら良いのかを、昨日書き終わりました。本日、入稿し、10月中旬、光文社より発売です。よろしくお願いいたします)

 

4)前回のプロパガンダに「AIG の危機が報じられた当時、私は「日本の外貨準備でAIG他の株を買えばいい。日本が世界の経済危機を救うことになるし、かつ儲かるチャンスが高い。もし政府がそうしていれば、日本政府は今ごろ財政赤字問題を解消出来た。100兆円の外貨準備をすべて低迷した米国金融株に突っ込んでいれば、500兆円から600兆円儲かったわけで今頃日本の累積赤字830兆円も解消だったのだ」と書いたところ、「米金融機関の時価総額を考えてみてください。。そんなに買うものがありません」というお叱りのメールをいただきました。まさにそのとおりです。筆が滑りました。お詫びいたします。ただ政府も、他国を見習って金儲けを考えてほしい、という考えには変わりありません。金儲けというと語感は悪いのですが、国の儲けは国民の財産です。

国民が豊になることです。消費財上げが少なくて済むかもしれません。年金が崩壊しないで済むかもしれないのです。

 

(付録)

1) 先先週末の朝日新聞Be [やっぱりフジマキに聞け]は

http://www.asahi.com/business/topics/fujimaki/

でご覧になれます。

ところで、翌日、田園テニスコートに行ったら歳川君(私と同じ歳。学習院高校の時、春、夏と硬式テニス東京都大会個人戦連覇)が声をかけてきました。「昨日の「やっぱりフジマキに聞け」の駐車場に並ぶ車のナンバー「6060」は1台は僕の車、もう1台は石黒さんのだよ」と言われました。昔、デビスカップ常連だった石黒さんです。「願かけ」なんてしなくても勝っちゃうお二人でした。アチャ!でした。

 

2) 地銀月報8月号に依頼されて論文を書かせていただきました。「特集 サブプライム後における金融・資本市場の回顧と教訓」の中で「リーマン・ショック後1年を振り返って」というタイトルです。地銀勤務の方、読んでいただければ幸いです。

20090907地銀調査月報.JPG20090904地銀月報.JPG私の持論、「サブプライムローン問題は技術的な問題にすぎない。最大の問題は流動性のない商品に手を出したこと。時価会計も完全ではなかったこと」というようなことを書きました。92日(水)づけ日経新聞5面「新政権へ」でスタンフォード大名誉教授の青木 昌彦先生が「金融危機で世界経済の価値観が変わったといわれるが、市場機能自体の価値観が否定されたわけでは決してない。(略)「市場原理主義批判」などという日本発の概念を持ち出しても、国際的には相手にされない」とおっしゃっていますが、まさに、同意!です。

 

3) 10月中旬に光文社から本を出版いたします。「マーケットでの情報の取り方」と「長期金利急騰のリスク、そして個人投資家は、その事態にどう備えたら良いのか」を書いたのですが、昨日書き終わり、本日入稿です。

20090901光文社撮影.JPGその本の表紙を91日(火)光文社のスタジオで撮りました。ピッシ、としているでしょう? と思いきや、スリッパ履きなのです。

 

4) 2日(水)朝、岡山空港に飛び、後楽園を見てから20090902後楽園(2).JPG

 

 

20090902後楽園.JPG岡山県湯原温泉に泊まりました。

 

20090902湯原温泉.JPG20090903湯原温泉.JPG93日(木)は野村證券姫路支店で講演でした。330名の出席でした。お集まりくださってありがとうございました。

私の講演中、家内・綾子は別名白鷺城と呼ばれる姫路城を見学しました。前書いたように、家内は決して私の講演を聞こうとしないのです。その白鷺城でボランティア・ガイドのおじいちゃまに「今、主人が講演中でその間だけなので要所だけ回ってください」と案内をお願いしたら、そのおじいちゃまいわく「おたく、藤巻さんって言ったね?あの藤巻兄弟のフジマキさん?」「ええ、そうです」「お兄さんの方?それとも弟さんの方?」「兄の方です」「ア、そう。株で大損した人ね」ですって。アチャー、私って有名みたい。

ところで、タテホ化学工業は19873月期決算において債券先物取引で22億円の利益を上げました。その翌年度、200億円の損を計上し、「タテホショック」として大ニュースとなりました。日経新聞198794日の15面に「タテホ化学工業が先物相場で出した200億円近い売買損失について市場関係者の多くは、『あまりにも額が大きすぎる』と驚いている」というコメントが載っています。

実は私はモルガン銀行勤務時代、債券先物で1か月間に300億円“儲けた”ことがあるのです。しかしその時は、誰も「フジマキ・ショック」といってくれませんでしたし、気にも止めてもらえませんでした。損しないと話題にならないんです。(もっとも、このときは残りの11か月間で儲けを全部マーケットにお返ししました。モルガン時代の戦歴は141分ですが、この1分(わけ)の年の話です)

 

5) 4日(金)は私の出身母体の中央三井信託銀行でプロの方200人を前に不動産をはじめとするマーケットについてお話をした。日経新聞広告局主催で2日前にほぼ同じトピック(不動産の時価会計)のセミナーが開かれ、新聞広告が何回か出ていたので、聴衆の方を食われるかと心配したが、ほぼ満席で良かった。講演会も無事終わり安堵して週末を迎えました。

 

 

 

 

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