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1. 来年度国債新規発行について、政府は「44兆円を越さない」と今年度予算段階での33兆円ではなく補正後の44兆円と比べるようしきりに世論操作(?)しているが、比べるべきは当然今年度予算段階の33兆円であろう。
マーケットでも楽観論者は「今年44兆円消化できたのだから来年も消化出来るだろう」と言うが、さらに44兆円を金融機関が購入するのは大変だ。新たな購入資金が天から降ってくるわけではない。経済成長により預金が新規に44兆円増えるか、貯蓄率が上がるか、または株式等他の投資からの振り替えか、外国から資金を呼び込むか、最悪の場合、貸しはがしを起こすしか、その原資はない。すべてが難しいと考える。
2.先週の新聞記事を読んでいて驚いた。今年度の法人税は5兆円か6兆円に落ち込みそうだそうだ。法人税は日本の税収の3大柱の一つ。(昨年度は法人税10兆円、所得税15兆円、消費税10兆円)その法人税分を子供手当(全額支給で約5.6兆円)だけで、ばらまいてしまうことになる。
法人税だけでなく、所得税も消費税も前年度収入を下回り、今年の税収は30兆円台と予想されている。そんなときに来年度予算で95兆円も使うなんて、財政規律もへったくれもない。「今年からこうなる」のなら、まだ救われるがすでに国の借金はすでに溜まりに溜まったりの、860兆円。(よく長期国債の発行のみを取り上げる人がいるが、なぜ長期のみに、こだわるのかわからない。短期だろうが長期だろうが借金は借金だ)この状態からの財政規律の崩壊は致命的である。金利が上昇し始めたら支払い金利の上昇が重く、のしかかる。
3.最近、新聞記事で「長期金利上昇のニュース」が取り上げられている。昨日、テニス仲間から「藤巻さんは今回の本を書いていた3カ月前からこの事態を予想していて偉いですね」 と言うメールをもらったが、私は「長期金利が6%まで上がっても不思議ではないし、もう少し長い目でみればもっと上昇することもありうる」と思っているので、この友人には「この長期金利の上昇はまだ誤差の範囲です」と書いておいた。
今回の新刊{藤巻健史の『金融情報はこう読め』(光文社)
http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334975944
にも書いたが長期金利が3%の頃、日経のベテラン記者に「来年は1%を割れる」と申し上げ「この人頭がおかしい」と思われたことがある。その時は、他のマーケット参加者全員が翌年、上昇すると予想していたので(今の私からは考えられないでしょうが)逆張りをした私は大儲けした。長期金利は動き始めれば大きく動くのだ。
4.6%と言うととんでもない、と思う方がいらっしゃるもしれないが、債券先物は「6%、10年」の架空債券を取引している。なぜ表面利率が6%なのか?債券先物取引が出来た1985年当時の10年金利は「6%が常識」だったからだ。景気が良ければ7%、悪ければ6%の世界だったのである。今の10年利回り1.4%異常であるという認識が必要だ。
残念ながら今回6%に長期金利が上昇すると私が予想するのは「良い金利上昇」ではなく「悪い金利上昇である。
(フジマキな日々)
1.今週の朝日新聞土曜日版Be「やっぱりフジマキに聞け」は
http://www.asahi.com/business/topics/fujimaki/
でご覧になれます。
2.フジマキの1週間
・11月2日(月)
夜はJPモルガンで一緒に働いたナカガワ君、バン君、ニシ君、フジワラ君(彼はJPモルガン卒ではない)達と恵比寿で飲んだ。彼らが「藤巻さんとは*月*日に**の取引***億円やりました」というようなディーリングの個別明細をしっかりと覚えていることには驚いた。
それらの個別取引を聞いていると、昔、私はとんでもない規模で取引をやっていた、とつくづく思う。一度マーケットを離れた身としては、あんな勝負はもう怖くて出来ない。
「藤巻さんが、金融先物のポジションを5万枚持っていた時、『少しポジション大きすぎませんか?』と意見したのに、ちっとも私の言ったこと聞いてくれませんでした。そこで『藤巻さん、5万枚って5兆円ですよ。小さな国の国家予算と同じ様な規模なんですよ』と言い換えたら、『そうかー』と言って次の日、ポジション落してくれたんですよ」等々。(もっとも金融先物は5万枚と言っても金利が1%動いてやっと125億円の損益だから、損益的には聞くほどには大きいポジションではない。同時に持っていた国債とか株とか他のポジションのほうが損益的には、よほど収益のインパクトが強かった)
私は、これらの取引を全く覚えていない。しかし、前任の資金為替部長だったドミニックジョージが「ポジションを縮めろ」という指示をしてきたとき,無視をして「お前は東京支店をつぶす気か?」と怒られたのだけは覚えている。
・11月5日(木)
10:35amから12:05pmまで 一橋大学@国立で授業。為替の話をした。第1回目の授業のとき、台風で授業に来られない学生が多かったためである。
夕がたは、銀座で小・中の同級生であるMs. 守友の展示会を男性陣4人で見に行き、そのあと、歌舞伎座の前で飲み会。昔話に花が咲いた。楽しかった。
守友さんは東京芸大の日本画科を卒業して今、染物をしていてそれを壁飾り、帯、ハンドバック等に仕上げている。
・11月6日(金)
午前中に弟・幸夫の主治医である久保田先生の所に次男・弘とともに季節性インフルエンザの予防注射を打ちに行った。
弘は今、医学部の4年生。まだ治療に当たるわけではないので新型インフルエンザの予防注射を受けられる権利はないのだが、それなりに痢患のリスクは高いはず。私も若い、若いと思っても、来年は還暦だし、せめて季節性インフルエンザだけでも、と、生まれて初めてのインフルエンザの予防接種を受けた。
前日、久保田先生に「モルガン時代のウスイという女性の部下が健康診断を受けた時のことです。 注射針2本分の採血をされたそうですが、 ウスイ『痛いからなんとか1本になりませんか?』看護婦『ダメです』ウスイ『それじゃ、看護婦さんの今までのキャリアのすべてを、今、この時に凝縮させて、痛くないようにお願いします』看護婦『残念でした。私のキャリア、短いんです』ところで久保田先生のキャリアは長いのですから痛くない奴を頼みます」とメールを打っておいた。
実際、筋肉注射なのに、全く痛くなかった。流石、でした。ありがとうございました。その注射をする前の問診で久保田先生が弘に聞いていた。「弘君の学校は女子学生がどのくらいの割合でいるの?」弘答えて曰く「多いですよ、40%位。私立の中では、多いですが、どうしても先生のところは抜けません」そりゃそうでしょう、久保田先生が出たところは東京女子医科大学なのだから。ちなみに久保田先生は慶応大学経済学部を中退して東京女子医大に入りなおされた先生である。
夕方は来日した米国の不動産ファンドの上層部と約1時間のミィーティング。昔、ソロスにいた時、オフィスが隣だった。いかに日本の財政がひどいかの話をした。
日本の累積赤字に関し、「日本政府は借金が多いが資産もあるからネットアウトすると大した金額とはならないのでは?」との質問に、とんでもない、と説明した。
それにしても、久しぶりの英語である。話すたびになんと英語が下手なんだろうと、思う。英語で話した後は、オフィスに帰ってから「2度と英語を話したり、英語での講演はしないぞ」と秘書の山田に宣言をするのだが、数ヶ月もするとすぐ忘れて、のこのこと又、出かけ、そのたびに、英語の下手さぶりに落胆する、の繰り返しである。学習効果の全くない男なのだ。私はマゾか?
やられても、やられても、しばらくすると、痛い思いを忘れて、す
ぐ出動しちゃうところなどディーリングのときとまったく同じ行動
パターンである。
夜は5組の夫婦で飲み会。家内・綾子が料理を習っていた和食屋さん
が、しばらくの間、閉店となるので、貸切で、教え子同士の送別宴
会をしたのだ。
久保田先生のところで、予防注射の後、看護婦さんに「今日、飲み
会があるんですけど飲んでいいですか?」と聞いたら「感心しませ
んね」との答えだったが、この飲み会5組の参加者のうち、一人は某
市立病院の内科部長の先生。もう一人は、某大学病院に10数年勤務
し数年前に開業した内科の先生。これなら倒れても大丈夫だと思
い、心おきなく飲んだ!
開業した内科の先生の「先日、病院に来た患者さんに『何で来院さ
れたんですか?』と聞いたら『自転車できました』との答えが返っ
て来てアチャでした」というような話を聞きながら痛飲!でした。
・11月7日(金)
土曜日、金曜日と三井信託銀行千葉支店のOB ,OGとの小樽1泊旅
行である。これで札幌は、このひと月で3回目。
出席者名簿は
町山(旧姓 加瀬)
田嶋(旧姓 小林)
武田(旧姓 太田)、
藤木(旧姓 小倉)
藤巻(旧姓 ドジ巻)
他
59歳になっても彼らから見れば、私は、あいかわらずのドジ巻なのである。羽田のモノレールを降りたところの小さな本屋さんに小生の本が山積みにされていたので、うれしくなって携帯カメラでパチリとやったら、店員さんが音に反応して飛び出てきた。すみません。そしてかっこ悪かった。
飛行機は往復とも朝日新聞によく引用させていただく慶応大学落語
研究会出身のオオニシ先輩の隣の席だった。私が行きの飛行機の中
でコーヒー用の砂糖とミルクを頼んだら「砂糖なんか、頼むと、子
供に見られるゾ。僕なんか見栄で、絶対、頼まないんだから」と言
れてしまった。そこで、帰りの飛行機では、オニシ先輩に「砂糖と
ミルクはお入り用ですか?」とのスチュワーデスの問いに「見栄で
要りません」と答えるように、と主張したのだが、受け入れてくれ
ず、「要りません」との回答。かっこつけちゃって!大西さんいわ
く「見栄で砂糖なしで飲んでいたら、それに慣れて今じゃ体が砂糖
を要求しなくなった。見栄は重要なのよ」だそうです。
