本文(臨時版)

2019年01月19日

本文(臨時版)

1.「円1強今年も続く?」VS「今年こそ円1弱」

本日(1月19日)の日経新聞「円1強今年も続く?」の中に「市場参加者の間にでは、(米国の)3月の利上げは見送られ、15日年末から続いてきた利上げ局面も終わるとの見方さえ出てきているという記載があった。この見方は希望的観測に過ぎず楽観的過ぎると思う。私はあいかわらず真逆の意見だ。米経済が強いのは日本のバブル期と同様、資産効果(特に株価は史上最高値)のせいだ。資産効果を生じさせる米株価が再度上昇を始めている。年末。年始の急落はよいスピード調整となった。もしこのまま米株価が継続して上昇していくようならFRBは淡々と利上げを継続しよう。

もう一点、注意が必要なのは、FRBといえどもインフレに対して利上げという武器はそれほど多く残っていない点だ。早めに利上げをし、インフレの芽を抑えないと日銀のようにインフレを抑える手段を失ってしまう。したがって早め早めにインフレの芽を摘みにかかると思うのだ。(日銀に比べるとケタ外れに規模は小さいが異次元緩和をしてしまった以上)伝統的金融政策での利上げ手法は使えず、FRB当座預金への付利金利を上げるという手法しか利上げ方法はない。この結果、利上げを継続すると、(私のラフな計算だと)現在の政策金利の2.25%~2.50%を5.3%くらいまで引き上げると損の垂れ流しが始まってしまう。損の垂れ流しや債務超過が起きればその中央銀行や発行する通貨の信用は失墜してしまう。だから絶対に避けなければならない。なお日銀は、なんと0.4%まで政策金利を引き上げると損の垂れ流しが始まり、すぐに債務超過に陥るリスクが生じる。だから利上げはほぼできないに等しい。私がドル円が上昇すると思う理由の一つだ。(損の垂れ流しが始まる点がFRBが5.3%に対し日銀は0・4%と大きな差があるのはFRBは保有債券の利回りが2.6%と高く、FRB当座預金残高が保有国債額に対して小さいことによる。日銀の保有国債利周りはたったの0.279%、日銀当座預金保有額が国債保有額に比べて巨大であることによる)

2.米国経済最強(ドル高の理由の一つ)

1月14日日経新聞1面のトップ記事は「エネルギー地政学一変」だった。この記事によると「米国の2018年の原油生産量が45年ぶりに世界最大になった模様だ」この事実は私が今後、米国の経済一人勝ち、ドルも一人勝ちだと思う理由の一つだ。米国は世界の原油を抑え情報も抑える(GAFAはすべて米国の会社)。原油と情報、ニ大資源を抑えるのだ。原油輸出国となれば中東に軍隊を送りエネルギーの安全確保を狙う必要がないから財政赤字も減る。貿易収支も改善する。本来、世界の基軸通貨ドルは世界経済の成長に合わせて垂れ流してもらわなくては世界がドル不足になる。貿易黒字は世界経済にとっては困るのだ。不足する基軸通貨ドルを世界が求めればドルは当然上昇する。

3.プログラム取引は激動期を乗りこらえられるか?

本日(1月19日)の日経新聞13面の「無人市場 順張りファンド巨大に」という記事の中に「市場の動きを数学的に分析し、システムで運用するクオンツファンドの資産規模が膨らんでいる」という記述があった。

年末・年始の為替・株の乱高下が嘘のように、株価上昇、ドル高・円安、米金利高(=長期国債)方向がこの数日復活してきた。年末の乱高低はAI取引が原因の一つと言われている。長い間JPモルガンでリスクテーカーの仕事をしてきた私の目から見ると。AIが有効なのは、劇的な変化が起きないとき。プログラムを修正するような劇的な変化(それは個人破綻をするか、それとも経済的に生き延び得るかの分岐点だが)が起きるときは、過去の経験則に頼るプログラム取引はついていけない。そしてその劇的な変化は近づいていると私は思う。この劇的な変化を人は市場の暴力と呼ぶが、それは市場原理をゆがめた計画経済のツケだ。異次元緩和により、市場原理の全く効かない日銀が長期国債市場に参入し長期金利を低位に押しとどめた。おかげで長期金利が上昇せず、財政支出が拡大し続けた(=財政規律の崩壊)。そして日銀が(地銀救済等で)異次元緩和を辞め国債市場を去る時、市場(そして日本経済は)大混乱をおこしてしまう。政治的に問題を解決できなければ市場が解決するといういい例だ。財政再建の失敗でそれが起きる。