日米金利差縮小で円高は進むか?長期金利の低下は続くか?(臨時版)

2019年08月17日

1.FBが主導する仮想通貨リブラをどう捉えるべきか?

今朝の日経新聞に上杉日経コメンテーターが書いた「リブラが問う行政の真価」との記事はまさにそのとおりだと思う。「リブラ構想に問題点は残るとしても、世界で17億に上る銀行口座を持てない人々に門戸を開こうというメッセージは重く響いた」人類にとってもっともefficientな決済システムは競争によって得られる。法定通貨といえどもその競争から逃れていい理由にはならない。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48641370W9A810C1TCR000/

2.逆イールド:異次元緩和の深刻な副作用

本日の言論プラットホームアゴラに「イールド:異次元緩和の深刻な副作用」というタイトルで私の拙文が載っています。

http://agora-web.jp/archives/2040978.html

3.長期金利の低下は続くか?

長期金利が一時△0.215%と3年ぶりの低水準をつけた。日経新聞も1面で取り扱っているが、さらに低下するかは、はなはだ疑問。現在、長期国債を買い増しているのは日銀と外国勢のみ。外国勢はジャパンプレミアムのおかげでよりマイナス幅の大きな円の短期調達が出来ているから購入する。しかし運用サイドの利廻りが下がれば鞘が稼げなくなる。また日本に対する信用枠もそろそ限度近くに来ていると聞く(注:外資は日銀や日本国に対する融資や預金の限度枠を設けている)。外国人購入に頼るわけには行かなくなる。入札で日系金融機関が国債を購入するのは日銀に転売するため(=日銀トレード)。さらに大きなマイナス金利になれば、それこそ新発債の32兆円はおろか、借換債約70~80兆円を買うのも日銀しかいなくなる(マイナス利回りの商品に純投資をするアホはいないから邦銀は満期分のごく一部しか借り換えないだろう)。いよいよ日銀は難局に直面しそうだ。したがって長期金利の引き下げを日銀は主導できない。

4.日米金利差縮小で円高は進むか?

もっとも円金利の低下が限られているからと言って日米金利差が縮小し、円が強くなるか?というとはなはだ疑問。日銀の大苦境はその発行する円の信用の失墜につながるからだ。ちなみに日銀がどうしても、「さらなる異次元緩和」をしたいのなら私が20年来、言っているようにドル国債の購入しかない。FRBから直接買えば米国とwin―winの関係になるので米国は反対しない。こうなればドルは急騰し、デフレ脱却。しかし米国債購入では、「本来の異次元緩和」の(隠れた)目的である危機の先延ばし(=政府の資金繰り倒産回避)は出来ない。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO48251720W9A800C1MM0000/