臨時版(ブランシャール氏への反論他)

2019年11月11日

通常版は11月3日に更新しています。お時間のある方はそちらも参照していただければ幸いです。

週末は新卒で入社した三井信託銀行千葉支店のOB、OGの恒例の1泊旅行で寸又峡温泉と日本平に行ってきた。一泊旅行はモウ15年間継続している。本日は午後の便で広島に飛び、広島県府中市商工会議所で講演会。

今朝、昨日読めなかった昨日の日経新聞を読んだが1面トップ記事でいくつかの強い違和感を感じた部分がある。「2000年代以降、日米欧の企業部門はもうけたお金を使い切らない構図が定着した。高齢化でも家計はお金をため込み続けている。余ったお金を猛烈な勢いで借りているのが政府だ。」「余った資金を一手に借り受けるのが政府だ。」「オリビエ・ブランシャール氏は金利が成長率より低い現状では財政赤字の許容度が高まると説いた。各国の財政を監視する国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミストの「財政拡大のススメ」は大きな議論を呼んだ。」上記記事の、このあたりに強い違和感を感じるのだ。たしかに、日本では以前から「民間はトントン、政府の赤字を企業の余剰資金で埋めている」といのは常識だった。しかし近年「企業が儲けたお金を使い切れないから、余ったお金を政府が猛烈な勢いで借りている」という認識には疑問を感じる。政府、とくに日本政府が猛烈な勢いで金を借りているのは事実だが、猛烈に貸し込んでいる貸主は日銀だ。財政ファイナンスでお金を新しく刷って(注:厳密に言えば日銀当座残高を増やして)政府に貸し込んでいる。「民間が充分投資に回していないから、その分を政府が借りている」のではない。私は経済学者でないから知らないが、現場人間だった私の感覚論からすると、「資金循環表の、企業の中に日銀が入っているのではないか」と思ってしまう。誰かに教えていただきたい。また、オリビエ・ブランシャール氏発言「金利が成長率より低い現状では財政赤字の許容度が高まる」の中の「金利が成長率より低い現状」とは、「ハイパーインフレを起こす」との理由で世界中で禁止されている財政ファイナンス(政府の赤字を中央銀行が紙幣を刷ることにより賄う)を中央銀行(特に日銀が強烈に)行っているからこそ起きている現象だ。かって存在しなかった機関が急に市場に参加して年間発行額の8割も買い占めたらどんな市場でも需給が大幅に引き締まって値段は暴騰(長期金利は暴落する)する。すなわちブランシャール氏の発言は「中央銀行がハイパーインフレのリスクを無視して、中央銀行が財政ファイナンスを継続する限りにおいて財政赤字の許容度が高まる」と言っているに過ぎない。ブランシャール氏は歴史を否定し「財政ファイナンスを行ってもハイパーインフレは起こりえない」と考えているか、または「現場を全く知らないか」かのどちらかであろう。https://r.nikkei.com/article/DGXMZO5185015006112019MM8000?disablepcview