(臨時版)地銀にさらなる難儀? ドル円のいくえ他

2019年11月27日

1.ドル円小動きの1年

投機筋の円買いを貿易収支の黒字幅縮小が相殺しているとのこと。もし日本が双子の赤字に陥ち至った場合。学問的には円の大幅下落か長期金利の大幅上昇か、またはその両方が起こる。そうなれば蓄積されていた膿が一気に流れ出す。

https://www.asahi.com/articles/DA3S14270879.html?iref=pc_ss_date

2.地方銀行経営にさらなる難題。

米国短期金利乱高下で邦銀は大丈夫か?米国債に投資をしている邦銀(特に地方金融機関)は「円をドルに換えて米国債を買っている」のではなく、「ドル資金をして、その資金で米国債に投資している」と思われる。円市場より長短金利差があるからだ。しかし今後、しばしばドル調達(極短期の資金で調達していると思われる)が難しくなると選択できる手段は2つ。ドル国債を売却しドル調達のストレスから逃れる(これは為替には影響しない)。この時点で売却損を計上しなくてはならなくなる邦銀も出てくるのでは?)。2つ目の対策はドル調達を回避するために円売りドル買いをし、市場からのドル調達を回避する(これはドル買い円売り要因)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52627280W9A121C1EA1000/

 3.米国短期金利乱高下(異次元緩和の副作用)

米金融市場で年末ドル不足の懸念が出ているそうだ。夏以降FED ONレート(1日間)が10%を越えるなど乱高下があったのだから年末、こうなることは当然予想された。この現象を、FEDの国債購入が足りない(=資金供給が足りない)からだという素人筋の珍説を聞くがこの現象は異次元緩和の副作用だ。伝統的金融政策を辞めた結果、中央政府は短期市場の完璧なグリップが出来なくなった。いずれ出口政策を取るとき(=取れればの話だが)、日銀も同じ問題に直面し四苦八苦するだろう。江戸時代で説明する。幕府が米価を押し上げようとすれば旗本に渡す米の量を少なくすれば市中の米価は上昇する。より多く渡せば下落する。需給がそれなりに均等していたからだ。ところが豊作が続き、幕府、旗本、農家、庶民の米蔵に米が唸っていれば幕府が旗本に渡す米の量を増やそうと米価は1銭たりとも上がらない。お金も同じだ。お金が唸っていると日銀は金利をコントロールできなくなる。伝統的金融政策のとき日銀は法定準備金の積み立てに必要な最小限のみしか資金を銀行間市場に供給していなかった。その結果、ある一行が日銀当座預金口座に資金を積みすぎると、他行が積み立て不足で日銀法違反となってしまう。だから踏みすぎた銀行には日銀からお叱りの電話がかかり、積みすぎが許されなかった。このコントロールの仕組みをなくしたのが異次元緩和政策だ。お金がジャブジャブになり、積みすぎても日銀から怒りの電話も来ない。 準備預金ギリギリに日銀当座預金残高を保持するのは神業的技術が必要。その能力を持つ人材は(On the job trainingがなされていないので)民間にはもう誰もいなくなっただろう。日銀にもその技術は伝承されていないだろう。JPモルガンで私の直属の部下でその任にあった女性は今や元財務省で非常に偉かった人の奥様だ。まさかそういう人達に市場に戻ってきて都もいえないだろう。非伝統的金融政策は完全な失敗でハイパーインフレという大副作用で終わりを告げるだろうが、その後、上手く伝統的金融政策に戻れるのかと、技術的な面で心配になる。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO52627280W9A121C1EA1000/

4.合成の誤謬

75歳以上、医療費2割検討。本当に必要な人を助けるのは国家の最大の義務だ。国民の財産と生命を守るのが国家の最重要の仕事なのだから。しかし「何でもかんでも格差縮小」は国家の仕事ではない。格差とは人々の努力の賜物でもあるからだ。75歳以上の医療費2割は世代間格差を考えると致し方ないだろう。しかし「低所得者層軽減」が気になる。税金も弱者優遇、すべてのプロジェクトで低所得者層優遇、各省庁ごとに低所得者優遇。その結果、合成の誤謬ですべての優遇策を合計すると、中所得者の方が、よほどに苦しい生活をしているケースがある。国会でサラリーマンの方が、優遇策を享受できる生活保護者より実質収入が低くなるケースを質問した。優遇策が必要なら税金還元など1本にして、あとの優遇策はなしにしたほうがいい。しかも本当に援助をしている人だけ。パチンコ代を援助する必要はない。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52628010W9A121C1MM8000/