地銀は大丈夫か?日銀は大丈夫か?(参議院財政金融委員会 若田部日銀副総裁)

2019年05月21日

2019年5月17日(金)に預金保険機構の剰余金の8000億円を今年度予算に組み入れて使ってしまうための法律が成立した。それに先立ち財政金融委員会で14日に麻生大臣&若田部日銀副総裁と討論を行った。私はこれだけ財政が苦しく、日銀も債務超過になりそうなのだから預保にとどめておいたほうがいいと思っています。地銀は大丈夫か?日銀は大丈夫か?を若田部日銀副総裁に聞いたときのYou tubeは以下でご覧になれます。答弁を聞いて安心できますか?

 

答弁内容を要約すると以下のようになります。

(1)地銀は大丈夫か?

政府・日銀「地銀経営が苦しくなっているのは地方疲弊、人口減少などいろいろな理由がある」 藤巻「主たる理由は異次元緩和で長短金利差が無くなったこと。地銀の主たる投資先国債金利もゼロになった。地銀経営悪化は異次元緩和のせいだ」若田部副総裁「異次元緩和はイールドカーブをフラットにする(長短金利差を目的なくす)目的をやっているのではない」藤巻「目的は違っても、結果として地銀を苦しめている。異次元緩和を継続していって地銀は大丈夫か?」若田部副総裁「細心の注意を持って考査、モニタリングなどを行うことで点検していきたい」モニタリングを行って危なくなったら異次元緩和を辞めるのか?辞めると政府が資金繰り倒産してしまうのだが?

(2)日銀は大丈夫か?

藤巻「米国の中央銀行(FRB)は利上げを開始してから純利益が減っている。2015年11兆円、2018年は7兆円。なぜ減っているのか?」若田部副総裁「超過準備預金への付利金利を上げているので支払金利が増えているからです」藤巻「日銀の純利益は現在FRBの10分の1の1.2兆円しかない。日銀当座預金三百九十三兆円で1%付利金利を上げたら3.9兆円の支払い金利。内部留保は8.4兆円しかないので債務超過の可能性がある。2日前に黒田さんにお聞きしたら、今後1年間に満期が来るのは54兆円しかないと言っていた。ならばベストゲスで、受け取り収入は2700億円程度しか増えない。本当に債務超過の可能性はないと思っているのか?」若田部副総裁「付利金利を引き上げるな場合、長期金利も相応に上昇すると考えられる。したがって、日本銀行の保有国債については、より高い利回りの国債に順次入れ替わっていくため、受取利息も増加する」藤巻「いつも黒田日銀総裁や若田部副総裁はそうおっしゃるが、日祇園の保有国債は10年を中心に30年際や40年祭の固定金利ない。先ほど言ったように、満期が来るまで受け取り金地は増えない!苦しい言い訳にしか聞こえない。保有国債が変動金利なら別だが、固定金利なんだから」

 

詳しくは以下の議事録でどうぞ。以下が議事録です。最初の2問は論旨とあまり関係なかったので省略しています。

(議事録)

○藤巻健史君 (藤巻注:地銀経営が)悪化していくメーンのリーズン、理由というのは何だと思われていますか。

○参考人(若田部昌澄君) 先ほど申し上げたように、これは複合的に関わっておりまして、金融システムリポートなどではそれの分解などもいろいろとしてはおりますけれども、低金利環境が続いていると、これはいわゆる異次元緩和が始まる前から日本の場合は低金利環境が続いておりますので、そういったことと、それに加えまして、九〇年代以降ずっと続いております人口の減少であるとか、あるいは法人企業数の減少というようなことが相まっているというふうにお答えするのが適当かと存じています。

○藤巻健史君 まあいいや。

これ先にちょっと麻生大臣にお聞きしてから後でお聞きしますけれども、今日の日経新聞朝刊で、メガバンク、私、さっきは三行を聞きましたけど、メガバンク五行では、二〇一九年三月期決算二兆四百四十九億円で、前期に比べて二四%純利益が減ったという記事があったわけですが、当然のことながら大分利益が減ってきているわけで、地方銀行に限らず都銀も利益が減ってきていると。

先ほど若田部副総裁がおっしゃったように、確かに信用コストの問題とか、それから、今までの国債の売却益等で下支えされているけれども、それがなくなってきたということで、利益が地銀それから都銀等も減ってきているわけですけど、その理由ですけれども、よく金融庁と日銀とがおっしゃる地方経済の疲弊というのは、これは地銀も都銀も利益が減っているわけですから、そういうことはあり得ないと思うんですが。

それから、この前の本会議での麻生大臣の答弁、それから、今日、先ほどの今の若田部副総裁の答弁でも、超低金利だから収益が悪化しているというふうにおっしゃっていましたけれども、これ、そうじゃないんじゃないですか。

私は、この前の本会議でも申し上げましたけれども、異次元の量的緩和によって長期国債が低迷した、そして長短金利差がなくなった、このせいだと私は思うんですけど、超低金利であっても、例えば長期金利が〇・五%、低いですよ、すごく、〇・〇%でもいいです。でも、預金がマイナス二%であったらば、これ二%の利ざや稼げますからね。マイナス二%ということは、要するに預金をすると預金者が金利を払うわけですけど、マイナス金利なんですけれども、幾ら超低金利であっても、長短金利差があれば、都銀であれ地銀であれもうかるんですよ。そのもうけを殺したのは異次元の量的緩和だと私は思うんですけれども、違いますか。それをちょっと麻生大臣に。

○国務大臣(麻生太郎君) 先日の本会議の話もしておられましたので。

地域銀行をめぐりますこの厳しい環境の背景の一つとしては、これは超低金利というものの状況は継続しているというのはこれは十分に考えられるんだと思っていますが、この厳しい経営環境の背景の基の基は、銀行に対する資金の需要がないことですよ。これが一番なんじゃないんですか。資金需要がない、金があっても金を借りに来ないですから、そういった事態は、これまで起きたことがないような事態が起きているという、それを大前提にしないと、資金の需要というものがない、いわゆる借り手がいないという状況というのが一般的な金融市場における動向というのが第一なんだと思っておりますので、地域経済を含めました国内外のマクロ全体の地域、その点ももちろん地域間格差等々ありますので、いろいろありますけど、それも一つです。

いずれにしましても、人口減少等々様々な現象というものがこの中に加わっておりますので、これをもって全ての内容の一つだというわけではなくて、いろんなものが重なって、今地銀経営としては極めて厳しい状況にあるということは理解をしておかねばならぬところだと思っております。

○藤巻健史君 いろいろなものが重なって地銀経営が苦しいとおっしゃいますけど、それは、私が財政破綻、私個人が個人破綻するんですかといって、私の収入が減って個人破綻しますと申し上げたときに、でも藤巻の息子、幼稚園生のお小遣い、正月のお小遣いが増えるかもしれないから藤巻家は破綻するかどうか分からないと言っているようなものであって、一番メーンの理由で破綻するか破綻しないかが決まるわけですよ。

先ほど、超低金利だからとおっしゃいましたけれども、それは、幾ら超低金利であろうと、短期金利と長期金利が大きく差があれば幾らだってもうかるんですよ。極端な話をしましょうか。マイナス三〇%の預金金利、そしてマイナス一%の貸出金利であれば、これ、どんな銀行であってももうかりますよ。要するに、長短金利差が一番重要な要因であって、レベルなんて関係ないんですよ。金利差があるかないかが問題。

そして、特に、地銀の主たる収益源というのは国債だったんですから、その国債がゼロ%だったらもうかりようはないですよ。だから、そういう意味で言うと、やっぱり地方銀行を苦しくした理由というのは、まさに長短金利差がなくなったこと、日本銀行の爆買いですよ、異次元量的緩和による。異次元の量的緩和というのは、今まで日本銀行は長期国債を買っていなかったことを、初めて長期国債を買い始めたんですから、だから、当然のことながら長期国債の値段が上がる、金利が下がる、長短金利差がなくなる。もうかりようがないですよ、銀行は。

本会議のときにも申し上げましたけど、一九七〇年代のSアンドLのときに、あれやっぱり危機だったんですよ。どうやってFRBがそのSアンドL危機を脱したかというと、長短金利差を広げたんですよ。そうしたらみんなもうかるんですから、レベルが高かろうが低かろうが。

それを今、日本銀行は、異次元量的緩和という、長期国債爆買いで金利差なくしているんですから、これどんなことがあったってもうからないし、それはいつまでも異次元の量的緩和を続けている限り、地方銀行はどんどんどんどん疲弊していきますよ、と思いますけれども、どうでしょうか。それを若田部副総裁にお聞きします。

○参考人(若田部昌澄君) 確かに、そのような御批判があるということは承知しておりますけれども、いわゆる金融緩和の目的というのは、必ずしも長短金利のイールド差をフラットにするということでは全くございません。我々が目的としているのは、何としてもデフレから脱却するために金融緩和を行うと。その一環において行っているのが量的・質的金融緩和政策、それからイールドカーブコントロールというものでございます。

その結果として、例えば今イールドカーブがフラット化しているということについては委員御指摘のとおりではございますけれども、私どもは、それは目的としてやっているわけではございませんで、いずれデフレから脱却する局面においては、長短金利のイールドカーブというのが、これがフラット化しているところからスティープなものになっていくだろうということを政策の効果として期待しつつ、今政策を行っているところでございます。

○藤巻健史君 目的として長短金利差をなくすのではないと。でも、結果として、そんなことをしていると、地方銀行の、ばたばたおかしくなっちゃうんじゃないですかと、金融システム危機が起こるんじゃないですかということを私は申し上げているんですけど、異次元量的緩和を続けていて、地方銀行システム、地方銀行それから都銀の金融システムは大丈夫だとお考えでしょうか。

○参考人(若田部昌澄君) 先ほども申し上げましたように、地域金融機関を始めとして金融システムの安定性につきましては細心の注意を持って考査、モニタリングなどを行うことで点検していきたいと考えております。

○藤巻健史君 そう聞いていますと、金融システムがおかしくなったらば異次元の量的緩和をやめるというふうに聞こえるんですが、そうすると政府の資金繰りはどうなるのかなと私は思っちゃうんですけどね。要するに、政府を助けるか地銀を助けるかという選択にいずれはなってしまうのではないかというふうに私は思います。

地銀は、じゃ、ともかくとして、日本銀行の健全性についてちょっとお聞きしたいんですけれども、この四年間、FRBの純利益、どんどん減ってきていると思います。純利益、二〇一五年約九百九十九億ドルありました。約十一兆円ですね。それが十兆円、九兆円、そして七兆円まで減ってきています。純利益です、FRBの。どうして減ってきているんでしょうか。

○参考人(若田部昌澄君) 御指摘のとおり、FRBは、二〇一五年十二月の利上げ開始以降、政策金利を九回引き上げております。これに伴いまして、超過準備に対して付利している金利、これをIOERと申しますが、こちらの方も引き上げております。その結果としましてFRBの純利益の減少というのが生じておりまして、超過準備への付利金利の引上げに伴いまして支払利息が増加して、それによって純利益が減少しているというふうに理解しております。

○藤巻健史君 そのとおりですよね。利上げをFRBは始めました。ですから、二〇一五年の政策金利の平均が〇・一三六%、二〇一六年が〇・三八七%、そして二〇一七年が〇・九七四%、そして二〇一八年が一・七八二%というふうに、金利を引き上げたことによって収益がどんどん減ってきているわけです。今、七兆円です。最初は十一兆円。

今、日銀の純利益は一・二兆円だと思います。桁外れに低い。十分の一です、FRBの。これは当然のことであって、FRBの保有額、国債とかMSB、この保有の金利、大体二・六%ぐらいあると思いますけれども、日銀の保有国債の平均利回り〇・二七九、前年度ですかね。どんどん減ってきているわけですね、マイナス金利の中で。だからこそ、日銀の利益収入が低く、純利益一・二兆円しかないわけです。FRBと同じようにこれから利上げが始まったときに、同じように、FRB当座預金じゃなくて日銀当座預金に付利していくわけですから、これどんどん収益下がっていきますよね。

配付資料見ていただきたいんですが、二〇一九年三月の末、国債四百七十兆、発行銀行券百七兆、日銀当座預金三百九十三兆円です。一%金利を上げれば三・九兆円の支払金利増です。二%上げれば七・八兆円の支払金利増です。国債の方は、これ今一・二兆円しか収入ないわけですよね。一・三兆円ぐらいあるのかな、少ない。これ、FRBのように利上げを始めたら、収益は急速に減って債務超過になっちゃうと思うんですよね。

この前、二日前のこの委員会で私は黒田さんに聞きましたけれども、この四百七十兆円あるうちの来年満期、これ二〇一三年度で、一年以内に満期になる国債幾らありますかと聞いたら、五十四兆円だと言うわけですよ。五十四兆円ということは、四月一日に全部五十四兆円が借換えになるわけじゃないですから、何というか、均等に満期になるとすると借り換えるわけです。

そうすると、一%、パネルで示しているんですけど、一%上がるとすると、来年は二千七百億円しか増収じゃないわけですよ。だから、一兆三千億円が一兆五千億の収入しかない。一方、支払金利の方は、一%で三・九兆円、二%で七・八兆円。明らかに損の垂れ流しが始まって、今、内部留保八・四兆円しかないですから、途端に債務超過の可能性があるわけですけれども、日銀はその可能性ありませんか、いかがでしょうか。

○参考人(若田部昌澄君) 確かに、いわゆる出口の際に付利金利を引き上げるようなことをするならば、日銀当座預金に係る支払利息が増加しまして収益を下押しすることになります。

しかし、その収益下押しの程度というのは、これは状況によりけりでございまして、付利金利の引上げのペース、あるいはバランスシートの規模などによってまた大きく異なってくるものでございます。他方、将来、経済・物価情勢が好転し、そして付利金利を引き上げるというふうな場合におきましては長期金利も相応に上昇するというふうに考えられます。

したがって、日本銀行の保有国債については、より高い利回りの国債に順次入れ替わっていくため、受取利息が増加するということも生じます。その際、再投資をすることによって受取利息の改善をするという効果が、今度は償還を迎える国債及び新たに買い入れる国債の年限構成や金利水準、再投資の規模などに依存するということでございます。

そのようなことでございまして、いろいろな変数があるということで、その出口の際に付利金利を引き上げるということによって実際の収益はどうなるかというのは、その際の経済・物価情勢や金利環境に加えて、今度は日本銀行がどのような手段でもってどのような順序でもっていわゆる出口を遂行するかによってもまた大きく変わるものであります。また、バランスシート全体の構成についても考えなければいけないということでございます。

結論と申しましては、様々なケースが考えられ得ますので、日本銀行の将来の財務について、特定のシナリオを前提としたような試算値をお答えすることは適当ではないというふうに考えております。

○藤巻健史君 その特定のシナリオのうち、ほんのごく一部ではひょっとすると債務超過にならないというケースも考えられなくもないと思いますよ。もう緩く、緩く金利が上昇していく、長い、七年か八年掛けて。後のケースの場合では必ず債務超過になると私は思うんですけれどもね、どう考えても。

そうじゃないと言うならば、是非シミュレーション結果出してくださいよ。いろんなエコノミストが、金利が上がるときにどうなるか、日銀の債務状況はどうなるかということを要求しているのに、日銀、ちっとも出そうとしないじゃないですか。私は、どう考えたって普通に考えればこれは債務超過になるんですから、債務超過にならないのであればシミュレーション結果を出すべきですよと私は思います。

いつも必ず、今日も若田部副総裁はそうおっしゃっていましたけれども、金利が上がっていくときは資産サイドの長期金利の収入も上がっていくから大丈夫だとおっしゃいましたけど、さっき言ったじゃないですか、ほとんどが長期固定金利なんですよ。十年債、三十年債、異次元の量的緩和を始めてからどんどんそういう長期国債ばっかり買っている。私が銀行マンのときにはほとんど三か月ですよ、三か月たてば新しい金利に変えられますから。それは受取収入が上がると分かりますけど、今は十年、三十年、四十年、固定金利で払っているんですから上がらないんですよ、収入は。五十四兆円、来年、例えば一年間で借り換える分だけがちょっと利回り収入が上がるわけですよ。

だからそれを、資産サイドも受取収入が上がるから大丈夫ですと、それはもう苦しい言い訳にしか聞こえませんよ。だってそうじゃないですか。変動金利なら別ですよ。固定金利なんですから、ほとんど大部分がということです。

それから、ちょっとさっきお聞きするのを忘れましたけど、マイナス金利のせいだとおっしゃる、今の地銀、都銀のマイナス金利のせいだとおっしゃる方が多いんですけど、マイナス金利が適用されているという日銀当座預金ってせいぜい五%ですよね。プラス金利が適用されているの二百八兆円、ゼロ金利適用が百四十四兆円、現在ですけどね。マイナス金利適用されているのは十八兆円ですよ。だから、それをマイナス金利のせいで地銀が危ない、経営が苦しい、都銀の経営が苦しくなってきているというのは、まさにその政策ミス、異次元の量的緩和ということをやったことを隠している証拠じゃないですか。異次元の量的緩和をやったせいで、まさに長期国債の爆買いをしたせいで長短金利差がなくなって、そして今、地銀と都銀が苦しくなりつつあるんですよ。

ですから、異次元の量的緩和の一つの物すごく大きい副作用だと思いますけれども、それに対して日銀は、全て構造問題だとか、何かうそっぱちの低金利のせいだとか、超低金利のせいだとか、マイナス金利のせいだとかいって隠しているわけですよ。

異次元の量的緩和で地方銀行の経営が苦しいとお認めになりませんか、若田部副総裁。

○参考人(若田部昌澄君) 日銀として、そのマイナス金利が問題であるということを申し上げたことはないと思います。これは、異次元の金融緩和の継続である現在のイールドカーブコントロールの一部として長短金利の操作付きで金融を緩和しておりますので、マイナス金利を取り出して、それが問題であるということを申し上げたことはないと思います。

その上で、改めて、なぜ今でも金融緩和を行っているのかということに関しましては、これはあくまで、やはり日本銀行法で定められている物価の安定ということが最大の目標であると。もちろん、我々としても金融システムの安定性には万全の注意を払い、それについての配慮をいたしますが、何しろデフレから脱却するためには何が望ましいのかということを考えた上で、現在の量的・質的金融緩和というのを行っているということでございます。

○藤巻健史君 そろそろ異次元の量的緩和が間違えていたと認めなされて、もうインパール作戦やめて、それはもう責任が、これ大変ですよ、やめると、今、物すごいショックがありますけど、更に進めると、とんでもない大被害になるんじゃないかと思う。どんどんどんどん被害を大きくしているわけですよ。これ、やめれば被害が起こるのはもちろんですから、やめるの大変ですよ。でも、やり始めた方の責任でやめないしかいけないんじゃないんですかね。

もし、これ赤字になったと、日本銀行が債務超過になったとしたらば、信用失墜ですし、その発行銀行券も失墜ですよ、価値が。もう大インフレになっちゃいますよ、ハイパーインフレに。そういう危機を、そういうリスクを考えながらも、まだやり続けるという神経が私分かりませんよね。

異次元の量的緩和はやらなくても、私はもう始める前から大反対でしたから、まあそのとき政治家じゃなかったですけど。穏やかな円安をやっていれば、それはいろんな方法はありますよ、円安誘導方法。日銀が米国債買うとか、日本国債をドル建てで発行するとか、それから外貨預金の為替益を二〇%の源泉分離にして国民がドル預金をするようにするとかね。それから、私流のマイナス金利で、今の日銀がやっているマイナス金利じゃないですけど、そういう政策をすれば穏やかに円安が進んで、日本経済なんてデフレから簡単にできたんですよ。

異次元の量的緩和をスタートしたこと自身が私は大きな間違いだと思うんですけれども、そういう反省はありませんかね、若田部副総裁。

○参考人(若田部昌澄君) 少なくとも、いわゆる異次元の金融緩和を行った後、名目GDPは上がり、企業収益も上がり、そして総雇用者報酬で見た限りでの賃金も上がっているわけです。その限り、また、雇用状況におきましては、有効求人倍率が上がり、失業率が下がり、そして就業者数も増えているという状況でございます。

まだデフレから完全に脱却したというには至らないと思いますけれども、また、日本銀行が掲げている物価安定の目標二%には届いてはおりませんけれども、消費者物価指数の対前年同月比で見たときの推移というのは、かつてのマイナス圏内、つまりデフレが長く続いているという状況は、これは終わりを告げつつあるわけです。

その意味において、やはり量的・質的金融緩和を行って以降の成果というのは私は明らかであると思いまして、それはポジティブであるというふうに考えております。

その意味で、更に先に関しまして、例えばこれが長期化していることに対する様々ないわゆる副作用などについてどう考えるかということにつきましては、再三様々なところで答弁させていただいている次第ではございますけれども、しかし、現状におきまして、私は、この量的・質的金融緩和のコストをベネフィットが上回っていると、あっ、失礼、逆ですね、ベネフィットがコストを上回っているというふうに考えております。

○藤巻健史君 私、議事録残りますからね。将来どうなるかと見て、もう私は、じり貧を、そういうじり貧、デフレというじり貧から脱却しようと間違った政策を行った結果、どか貧になると思っていますが、これは副作用どころの話じゃなくて、大変なことになると私は思っています。

こういう状況において、最後に、時間がないので、大臣にお聞きしたいんですけれども、それでもまだ八千億を国庫に戻すべきだと思いますか。私は、日銀が危なくなったときの、そのときに投入するとか、地方銀行が危なくなったときに投入するとかいうために残しておくべきだと思うんです、預金保険機構の中に、残しておくべきだと思うんですが、最後に、大臣の感想をお聞かせください。

○国務大臣(麻生太郎君) 日本銀行のいわゆる財務状況というものについては、それはその時々の金融政策とか金利の動向にそれは左右されるものなんだと思いますので、政府としては、日本銀行の債務の悪化というのを前提とした質問なんというのに対してはちょっとお答えするのは差し控えさせていただきます。

なお、預金保険機構の財務内容に関して申し上げれば、この機構が金融再生勘定において保有しております上場株式などの将来の損失リスクというものを十分に勘案した上で、早期財政健全化勘定及び金融再生勘定の業務のために必要がある金額として試算をいたした八千億円を引き続き早期健全化勘定に留保するということにいたしております。

加えて、現時点において日本の金融システムは総体としては極めて安定していると思っておりますし、金融機関が万一破綻した場合においても、これは預金保険機構というもので十分に責任準備金、三兆六千億か七千億かあると思いますので、この準備金を積み立てられているということなどを踏まえますと、今回の国庫納付というものは妥当なものであると考えております。

○藤巻健史君 終わります。