「危機を認めたくないのは人間の性だが」「政策金利とは短期金利のこと」

2021年02月25日

1.「危機を認めたくないのは人間の性だが」

本日の日経新聞「大樹小機」まさに、この通り。なお筆者は私ではない。「危機的状況なのは明らかなのに、日銀も政府も出口戦略のシナリオをまったく示さない」「こういうときには、都合の良い理論も登場する。巨額の財政赤字には現代貨幣理論、(略)先の見えない拡張政策はますます正当化される」「政府も日銀も投資会社もなぜ危機を直視せず、これほど大胆で無謀になれるのか。理由は失うものが大き過ぎるからであろう。人は小さな間違いなら簡単に直せるが、間違いが深刻で責任が大きいほど、それを認めまいと言い訳を探し、固執する」。「経済学には時間選好という概念がある。(略)つまり、現状で余裕がある人ほど先を考え、追い詰められている人ほど考えない、ということだ」「実際、失敗が深刻なほど今を逃れることしか考えなくなるのは人間の性であり、権力者も同様だ。個人なら失敗が顕在化しても被害は個人にとどまるが、権力者なら被害を受けるのは一般庶民だ。人間の性だとのんびり構えてはいられない」

今となっては、ドルや避難通貨やTMV等の債券ベアファンドを買って、自分自身で自分や家族を守るしかない。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69395480U1A220C2EN2000/

2.「政策金利とは短期金利のこと」

日経新聞いわく「FRBのパウエル議長は23日の議会証言で『インフレ率が2%をしばらく上回る水準が見通せるまで、政策金利は(ゼロのまま)維持する』と強力な金融緩和を続ける姿勢を改めて強調した」「サマーズ米元財務長官らはインフレリスクを指摘し始めた」。この記事で、注意すべきは「ゼロのまま維持する」のは短期金利のこと。世界の中央銀行で長期金利を政策目標に入れているのは日銀だけ。世界の金融界の常識は、「長期金利は中央銀行ではコントロール出来ない」だ。パウエル議長の証言を聞き、サマーズ元長官を信じれば、市場は「イールドカーブが立つ(短期金利はゼロ近くのまま長期金利は上昇する)」ポジションをとる。イールドカーブスワップや「短期国債買い&長期国債売り」のポジションをとる。長期金利はかなり上昇(=長期国債価格は急落)しよう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD243NL0U1A220C2000000/