.「今朝の介入は年間介入可能額枠を使い切る大型介入なのか否か?」「円とドルどちらがやばい?」,「為替は口先だけでは微動だにしない」

2024年05月02日

.「今朝の介入は年間介入可能額枠を使い切る大型介入なのか否か?」

今朝の介入が弾薬がなくなることを覚悟した先日並みの(5.5兆円)大型介入なのか、それとも弾薬切れを懸念して、数回の小型介入に切り替えた最初の小型砲1発目なのかは注目点。いずれもしてもファンダメンタルに反した介入は微力。 資本主義国家において、介入はルール違反であり、ルール違反と言われない程度までしか玉は打てない。

私は他国からルール違反と非難されずに許される年間介入額の上限は10兆円⁺だと思っている。

 

,「実務経験尾ない官が何十年間も為替に命をかけてきた欧米の強者たちを思うように操れるか?」

介入を決定する財務省や実践する為替関係者を為替のプロ中のプロと見る方が多いであろうが、ジェネラリストであるキャリア組にとっては為替部門にも数年しか滞在しない。実務経験はほとんどないはず。何せ介入など2022年に数回行うまで10年間やったことがなかったのだから。頭が良く介入資金を持っている財務省が何十年間も為替に命をかけてきた欧米の強者たちを思うように操れるかは興味のある所(傍観者みたいな発言で申し訳ないが)

 

3.「円とドルどちらがやばい?」

私のXに以下のリツイートがきた。

「藤巻先生に聞きたいのは、そうは言ってもドルもやばくない?ってこと。毎回債務上限の問題あって綱渡りしてるアメリカもくそだと思うんだよな。法定通貨に対する認識を聞いてみたいなぁ」

以下のように回答した。

「自ら債務上限を設定している米国の方がはるかにまとも。債務上限の他にもFR B米国債の爆買いなどしていないから、財政が悪化すれば長期金利が上昇する。それが財政の垂れ流しに対する警報となる。一方、日本は日銀が国債を爆買いして長期金利を低位に押さえつけているから長期金利上昇という財政赤字増大に対する警報は鳴らず、特例国債法案によって財政法で決めた赤字国債発行禁止条項を骨なしにもしているから段違いに始末が悪い」。

 

4[.円安進行の主因]

 

私のXに以下のリツイートをいただいた

「いまだに『円安が投機のせいだ』と思う人は、さすが救いようがない

通貨は国家の実力。この基本を捨ててははいけない

以下のように返答した。

「おっしゃる通りです。GDPの伸びが40年間世界段トツのビリですから円安はいた仕方ない。それだけならまだしも、危機先送りのために財政ファイナンス(=異次元緩和=統合政府論の実施)をした結果、中央銀行の財務が悪化しとんでもないレベルの債務超過のリスクで信用失墜の瀬戸際にあるのだから、今の円安は非常に始末が悪い」。

 

5.「CDSレートは円の棄損度を反映しない」

私のXに以下のリツイートが来た。

「日本の財政規律無視&危機先送りの財政ファイナンス(=異次元緩和)の結果であり日本の自爆なのだからどうしようもないーー>???

それにしちゃあ、日本国債のCDSはアメリカ国債よりも低い(市場から信頼されている)んだよな。。。何かエビデンスを出してみたら?」

以下のように反論した。

「金融のど素人の言うことを真に受けて、自分の情弱ぶりを公言するのは恥ずかしい。何十回も言ってますが、CBSはデフォルトしたときのみに保険金が払われる保険のようなもの。ハイパーインフレリスクは反映しない。日銀が国債を爆買いして資金を供給しているのだから政府が資金不足でデフォルトする可能性は低い。したがってCD Sレートが低いのは当たり前。しかし国債の爆買いの結果、刷りまくった円の毀損が激しくなる(=ハイパーインフレ)。その始まりが今の円安。ハイパーインフレは債権者である国民から日本最大の債務者である政府に富が実質的に移行するという意味で大増税と同じであり究極の財政再建。しかしながら、国民は円資産のすべてを失ってしまう。能天気な人にとっては、極めて怖い将来」

 

6,「為替は口先だけでは微動だにしない」

私のXに以下のリツイートがきた

「何か藤巻さんにはこれまでの知見と国会議員としての地位・権力をフルに使って、最も効果のある円安是正策を関係各所に提案して欲しいところ。

海外の円売り投機筋に、かつてのポンドショックのように日本を食い物にされる光景は日本人としては見たくない。円売り仕掛けてるヘッジファンド潰しましょう! 」

以下のように返信した。

「為替はファンダメンタルズに沿った動きをしている以上、国会議員としての地位・権力をフルに使っても微動だにしない。それに今の円安は海外の円売り投機筋のせいではなく、日本の財政規律無視&危機先送りの財政ファイナンス(=異次元緩和)の結果であり日本の自爆なのだからどうしようもない。2度と同じ誤りをしないよう(伝統的金融論で駄目と言っていることはやはりダメだったということ)に。きちんと総括することが今、出来ること」。

7.「楽しかった昨晩」

昨日は元NHKアナウンサーで紅白歌合戦の司会を3年間やられた久保純子さんが米国から一時帰国されていたので夕方から夜遅くまで我が家に来ていただいた。金毘羅歌舞伎やルスツスキーに、何度も純子さん家族や私どもとご一緒した竜崎先生夫婦(元済生会中央病院副院長)にも来ていただき昔話に花が咲いた。林家木久蔵師匠、NHKで手芸番組をもっている勝野洋輔君(キャシー中島さんのご長男)も遅れて参加し、リラックスした楽しい時間を過ごせた。ホテル祖谷温泉の植田会長や獺祭の櫻井会長に電話し替わりばんこにお話しした。櫻井会長から頂いた日本では非売品の獺祭ブルー(NYで醸造)を飲んでいて、そうだ、皆の共通の知人である櫻井会長に電話しようとなった次第。

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8.「米国の給料は日本の3倍くらいの感覚」

純子さんのニューヨークの物価高の話には、相変わらず驚かされた。外食はレストラン代をはじめチップの率も上がっており、高くてもう行けない、とのこと。

同じ業種で比べると、米国の給料は日本の3倍くらいの感覚という話にも、そこまで差がついたのかと驚かされた。まさに安い日本である。GDPが40年間世界段トツのビリなのだから仕方がない。全体のパイが大きくなっていないのならば、一人の所得が増えれば他の人の所得が減らないことには計算が合わないことになる。GDPが40年間世界段トツのビリ成長だったのは、日本が世界最大の社会主義国家で結果平等主義だったから。