.「国際ルール上の為替介入上限額は?」「円安進行は経済力の差に加えて中央銀行の健全性の差」他

2024年05月03日

1.「国際ルール上の為替介入上限額は?」

昨日のドル売り介入額は約3兆円だという。4月29日の介入額が5.5兆円というから、この2日で、

8.5兆円の介入を行ったわけだ。一昨年(2022年)の介入実績に近づいてきた。

既にそこまで介入をしてしまったとなると今後1年間で残された介入額は3.5円程度に

過ぎなくなったと私は思う。財務省にとっては苦しい戦いだ。

この私の推論が正しいかを5月8日の参議院決算委員会で、鈴木大臣に聞いてみる。

私の推論が正しいとなると介入の玉切れの日は近い。

資本主義国家では、市場原理(儲かるか損するかの判断で市場に参加すること)の働かない機関が

市場に参加して市場をコントロールすることを認めない。見えざる神の手が働かず、相場がゆがめられ、

そのしっぺ返しが怖いからだ。「政府・中央銀行が市場に参加してもOK 」との日本の常識は世界の非常識だ。

50キロ制限の道を60キロメートルで走るのは法令違反だが、10キロオーバーくらいまでは警察の裁量で

許してくれるだろうというのが、日本人の一般的な感覚だろう。この10キロに相当する

(=何とか許してくれる額)のが、ドル円の為替介入上限12兆円だと思っている。

 

2.「円安進行は経済力の差に加えて中央銀行の健全性の差」

今のドルに対する円安進行は、日米の経済格差(日米金利差はその現象の一つに過ぎない。好景気国の

金利は高く、低成長の国の金利は低い)に加えて、日米中央銀行の財務の健全性の差から起きている。

為替などで円安の動きを止めることなど、到底不可能。

 

3.「大蔵省為替課長丸山さん」

昨日、以下のリツイートを私のX にいただいた。

「平成の始め頃は昭和52年キャリア入省の丸山氏など大蔵省為替課を出たり入ったりする専門家が

いた。今はどうなのだろう…?」

以下のように返信した。

「丸山さんとは今ではとても仲いいです。方向は反対でしたが、同じ戦場で戦った戦友として。

当時は、私がバンバンにドル買いで勝負をしていた時で、ドル売り介入を仕掛けられ、乗っていた箱根の

ゴンドラからドルと一緒に飛び降りたくなり、丸山さんには恨み骨髄でしたが(笑)。

あの時はタイガーファンドのジュリアンロバートソン氏が、ロシア国債金利の暴騰で大損をして利の乗った

ドルでロシア国債の損を埋めようとしており大蔵省とヘッジファンドが同じ方向で動いたし、

動く理由がありました。ファンダメンタルズには反しているとは思いましたが、ヘッジファンドの動向を

的確につかんだ大蔵省丸山さんの勝ちでした。懐かしき思い出。その後、丸山さんがセルビア大使になったので、

一度セルビアに遊びに行くつもりでしたが、コロナで行けなくなってしまい、残念」