(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません
私の個人的見解・分析であることをご理解ください)
1,「世界の超長期国債、投資家の懸念材料に-財政支出巡る不安が再燃」
昨晩の Bloombergニュースいわく「超長期債が足元で市場の懸念材料となっている。各国の財政支出を巡る不安が背景にあり、今年激しく動いてきた超長期債に再び注目が集まってきた」
――>日本の超長期債のみが蚊帳の外でいられるはずがない。
CPIは先進国で最も高く、財政赤字は世界ダントツの巨大で、金利が世界ダントツに高くてもいいはずなのに、日本の30年金利は2.94%に過ぎない。
米国は4.86%、英国5,34%、カナダ3.65%。
ちなみに、1980年頃、日本はまだ30年債を発行していなかったが米国、英国、カナダは12%~14%。
今後のインフレリスクを考えると現在の超長期債の金利は各国ともにまだまだ低い。特に日本。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-07-03/SYT9XFDWRGG000
2.「生保5兆円5600億円の国債評価”益“(2022年3月)から16兆8500億円への評価”損“(2025年3月末)へ」
本日の日経新聞の「国債金利上昇、生保中堅に減損リスク 含み損5倍で財務悪化懸念」とのタイトル記事いわく「生命保険会社が保有する超長期債に減損のリスクが迫っている。減損は資産価値の目減り分を財務に反映する会計処理だ。中堅への影響が大きく、朝日生命保険は金利上昇(債券価格は下落)に伴って2024年度中に一部の保有債券が減損の基準に抵触した。金利上昇が続けば他社にも広がる懸念が出ている」「主要13社・グループの国債など国内債券の含み損は3月末時点で16兆8500億円と前年3月末の約4倍に膨らんだ」
――>2022年9月の時の生保主要15社 の国債評価”益“は5兆円5600億円だから2025年3月末の16兆8500億円への評価”損“への転落はすさまじいものがある。「主要15社」と「主要13社・グループ」の対比だから完ぺきではないものの、その深刻度は変わらないだろう。
尚、この間に10年金利は0.25%から1.52%。と1,27%上昇している。
これ以上の長期金利(特に超長期金利)の上昇は日産生命、東邦生命。千代田生命、協栄生命、東京生命が相次いで破たんした1990年代後半から2000年当初を連想させるし、何よりも日銀自身の財務が大問題になってしまう。
だから、どんなに物価上昇が激しくな路言うとも日銀は金利を上げられない。
これ以上、超長期金利が上昇すると簿価会計を採用していても大きな損失を計上しなくてはならなくなるということ。会計基準の変更でごまかそうとしても世界は国を上げての粉飾と判断し、日本は全ての信用を失うだけ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB132SC0T10C25A6000000/
3,「生保の減損会計が日銀にとって大問題なわけ」
日銀は日銀会計規定 第3条で「当銀行の会計処理は、中央銀行としての財務の健全性を踏まえつつ、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準を尊重して行うものとする」規定している。
生保が「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」に則り、減損会計をするなら日銀も減損会計をしなくてはならなくなる。その規模は1兆円や2兆円のレベルではないだろう。世界中が日銀の発行する通貨、円を信用しなくなる。
4,「異次元緩和の後始末は前途遼遠(りょうえん)。日銀は中央銀行としての体をすでになしていない」
本日の日経新聞大機小機氏「遠い異次元緩和の後始末」でいわく
「昨年末に公表された『多角的レビュー』で、日銀は大規模金融緩和について(略)
今後、『マイナスの影響が大きくなる可能性』を指摘した」「いまだ方針すら何も示されていない上場投資信託(ETF)の処理なども考えると、異次元緩和の後始末は前途遼遠(りょうえん)と言わざるを得ない」
――>まさにその通り。大規模緩和は「今後その副作用が大きくなる可能性」どころか「日銀を破滅に導くほどの副作用」がある。又、「ETF も保有国債も減らせない」ということは世の中にお金がじゃぶじゃぶであり続けるということで、お金(円)の価値の棄損が止まらない、ということ。どんなに物価上昇が加速しても、日銀は指をくわえてみているだけ。すでに日銀は中央銀行の体をなしていない。。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO89797420T00C25A7DTC000/
5,「国民や社会の将来に禍根を残す危険な甘言」
本日の日経新聞1面記事。政治部長・佐藤理氏の「参議院選挙、甘言で選ぶ6年なのか」とのタイトルがついた記事。まさにこの通り。やっと大手マスコミも堂々と主張し始めた。
やはりマーケットが最大・最強の野党になりそうだ。
「『消費税の減税か、給付金か』。これが今回の参院選の構図なのか。そうではないはずだ。
各政党は『有権者が望んでいる』と説明し、物価高への緊急の対応だと唱える。確かに減税やバラマキは目先の恩恵になるかもしれないが、根本的な策ではない。むしろ財政や社会保障に打撃を与え、国民や社会の将来に禍根を残す危険な甘言との指摘もある。
真摯に国民の将来を考える候補者なら、財源や負担に言及し、財政や社会保障が破綻しないような改革も訴えるだろう。そこに踏み込まないなら、国民のためというより候補者自身が当選するための手段、選挙対策とのそしりも免れない。
(略)
消費税の減税を掲げるある野党の党首は最近の超長期金利の上昇を受け『減税を公約から外そうかと思った』と話す。マーケットが発するサインを財政への警告と認識しながら減税を説くのは国民に責任ある行動とはいえないからだ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA013M80R00C25A7000000/
6.「やっと大手マスコミも堂々と 「ハイパー・インフレ」のリスクに触れるようになってきた」
テレビ朝日デジタル解説委員 北本則雄氏の「“世界最悪”の財政赤字…国の借金うなぎ登り,『ハイパー・インフレ』防ぐには?」」というタイトル記事@テレ朝NEWS。これも正論。やっと大手マスコミも堂々と 「ハイパー・インフレ」のリスクに触れるようになってきた。
北本氏いわく「選挙について考える近年の日本の状況を示すデータを紹介するにあたって取り上げざるをえないのが日本の財政赤字、つまり国の借金だ。どんどん増え続け1100兆円余りまで積み上がってしまった」
「日本社会の未来に暗さを感じる最大の根っこはここにある。さらに現在もすでに過去の借金の返済をさせられている点だって忘れてはいけない」。
「借金はうなぎ登りで増えている。事あるごとに『経済対策』と称して国債という打ち出の小づちを振り回してきた永田町の“祭りの後(あと)”だ」
「各党の公約・政策は経済対策や給付を中心とした財政支出や減税などで引き付けがちだ。しかし、それは歳出増や税収減をもたらしかねない。それが国の将来まで責任を持ったものなのか」
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f38f782e98a5f0f7846209172a696342fa3b3f6?page=1