「黒田日銀の責任は極めて重い。とんでもなく大きな揺り戻しがを予想」「危機は年末年始休みに襲うか?」他

2021年12月27日

1,「黒田日銀の責任は極めて重い。とんでもなく大きな揺り戻しがを予想」

先日、某識者/オピニオンリーダー氏から、「財政問題に対しての国民の関心は極めて低い」との嘆き(?)のコメントをいただいた。マスコミも突っ込みが緩いし、土曜の日経新聞に書かれていたように市場の関心も低い。MMT理論などというブードゥー経済学が蔓延し、政治家にまで信者が現れ、バラマキ、放漫経済が続き、財政赤字の拡大も加速している。

これに対する黒田日銀の責任は極めて重い。2013年の異次元緩和開始前まではマスコミにも世間にも、それなりの緊張感があった。それを黒田日銀が粉砕してしまった。日銀が警戒警報の回線を切断してしまったのだ。通常、借金がたまれば、資金手当てのために長期金利が上昇し、皆が騒ぎ出す。住宅ローン金利が上昇する。年金の保有国債に損が出て年金の持続可能性に疑義が出てくる。円高が進み企業経営が窮地になる。長期金利上昇で設備投資がとまり、不景気になる等々だ。ところが日銀が爆買いするから、長期金利はどんなにばらまいても低迷。政治家は、バラマいても警戒警報が鳴らないから票目当てでさらなるバラマキに走る。MMTのようなブードゥー経済学が蔓延し、財政出動を促す。バラマキで長期金利が上昇するなら、分析力のない人でも痛みを時間するから、MMTがブードゥー経済学であることを身をもって知るはずだった。黒田日銀のせいで、とんでもなく大きな揺り戻しが迫っていると思う。 市場の警戒警報機能は、私ごときの警告より何万倍も威力がある。それを殺した罪は大きい。

 

2,「危機回避策」

昨日、私のツイッターに以下の投稿があった、「国民は地獄って言うけど、貴方の歳からしたら、口酸っぱくしても無駄な様な?18歳の学生さんが見たら悲観するじゃないの。じゃあ、いつ建て直しするの。具体案は維新から出てるアレなんじゃないの。それなら、酒タバコ税をうーんと上げないと。具体案が即実行しないと潰れると言いたいのかな?」

私の反論は以下の通り。「私は1997年から、日本がこのまま放漫財政を行えば財政破綻だと言い続けてきました。2013年からは異次元緩和という危機先延ばし策を開始したので、財政破綻の可能性は無くなったが、紙幣の信用失墜でハイパーインフレになると言ってきました。それを防止すべきことは、それ以来20冊以上の本で、すっと書いてきました。全く政治は耳を貸さなかった。だから政治の世界に一度は出てみた。聴いてくれる方は少しは増えましたが、力不足で、放漫財政は全く治りませんでした。残念ながら、時を無駄にし、ここまで借金がたまってくると選択肢はもう3つしかありません①消費税の大幅上げ②所得税の課税最低限の引き下げ(=所得税率の低い部分の税率上げ。この部分の税率を上げるとドカッと税収が増えます)もちろん①と②の組み合わせも(私の知人はかけて加えて社会保障費の2~3割カットも必要と言っています)。他の増税手法では十分な額の財源にはなりません。③借金踏倒し(=ハイパーインフレ)。日本では①②をやり遂げる政治家は出てこないと思っています。だから③。文句が出るのは、わかっていますが私は選択肢を提示しているだけです。3つのうちどれかを選択しなければならない状況にまで追い込まれていると言っているだけです」

3.「フジマキは間違いを認めている」

財政破綻が来ないことに関して、続けて以下のtwitter が来た。「藤巻さんって財政破綻論が間違えてたってしれっと自白してるんだよね。 そんな人に「今度はハイパーインフレがー」言われても信用されないのは必然だと思う。 自分が知識不足だったって認めてるんだし」

私の回答は以下の通り。

「はい、間違えていました。財政ファイナンスはハイパーインフレを起こし国民に地獄を強いると知っている中央銀行マンが、黒田さんやド素人集団の言うなりになり、財政ファイナンス(=異次元緩和)で危機を先送りするなど、中央銀行マンの矜持としてありえないと思っていました。それが間違いでした。性善説過ぎました。人は自分が、かわいくて責任が自分に降りかかるのを回避するため、とんでもないことでもやってしまうんだと、知りました。中央銀行マンでさえ、プロとしての矜持を無くした日本が心配です」

 

4.「危機は年末年始休みに襲うか?」

Twitterに以下の質問が来た。「疑問に思っているのですが、東京市場が年末年始で休場の間に、海外市場でXデーが到来することはあり得るでしょうか?あるいは、やはり東京市場が開いているタイミングでしか有り得ないでしょうか?やはりそんな事は予測不能でしょうか?」

私の回答は以下の通り

「万が一、米国の長期金利が何らかの理由で跳ね上がれば、日銀の債務超過が連想されますから、欧米勢が円を売り浴びせてもおかしくはありません。現在、円の価値は、ひとえに米国長期金利の動向にかかっていると思っているので、いつX デイが起きてもおかしくないと思っています。米長期金利如何です」

5.「FX は危険か?」

「昨日、私のFB に某識者/オピニオンリーダー氏から、以下のシェアをいただいた。「信用とか信認とか心理学ですからね。数字で優等生の台湾でも1発ミサイルを撃ち込まれたら即暴落。それは極端としても、金利と為替は丁半勝負で逃げ場がない。FXとか素人で手を出してるのがいるが、どういうつもりですかね😅」

私の回答は以下の通り。

「FX自身は問題とは思いません。ただレバレージのかけすぎは素人には危険です。どれだけ負けるとどれだけ苦しいか(お財布の中身と精神面の両方で)の経験を積んだ後でなければ暴走してしまう可能性があるからです。私が「3度血反吐を吐かなければ優秀なトレーダーにはなれない」と部下に言っていた理由です」