銀行に公的資金投入の可能性は?

2020年07月19日

この2、3日、日経新聞に日米銀行の引当金の話が出ている。米国ではJPモルガン、シティー、ウェルズ・ファーゴ3行合計で279億ドル(約3兆円)の「引当金と貸倒損失」を計上したそうだ。リーマン級の備えとのこと。一方、日本はメガバンク3行で、21年3月期に計1兆1000億円の計上にすぎない。もっとも米銀並みに3か月で3兆円も計上すれば収益力の劣る邦銀では途端に赤字になってしまう。心配なのはバブル崩壊の時の不良債権が(当初政府は30兆円と主張していたが)、結局100兆円もあったことだ。結果、銀行に多くの公的資金が導入された。メガでさえこんな少額の引き当てなのだから地銀等は大丈夫なのか?また銀行に公的資金が投入されるにしても、バブル崩壊時のような健全財政ではない。公的資金をどう捻出するのか?財務状況が極めて悪化している日銀にまた紙幣を刷らせれば何とかなるとでも思っているのだろうか?平時に財政再建を行わなかったゆえのツケは、べらぼうに大きい。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO61685050X10C20A7EA4000/