「明日、黒田日銀総裁、参議院予算委員会に」

2021年03月24日

1.「明日、黒田日銀総裁、参議院予算委員会に」

日経平均が、本日590円安、昨日179円安、一昨日618円安、金曜日424円安と4日間で1811円下げた。明日の参議院予算委員会で日本維新の会の浅田均政調会長が黒田日銀総裁をお呼びしていると聞いた。この局面で黒田総裁が株に関してどうお考えになっているのかが聞けるかもしれない。大注目ポイントだ。明日のNHKの国会中継は必見。

2.「日銀は景気が良くなっても債務超過、景気が悪くなっても債務超過。だからヤバイ」

金融の世界では景気が良いと「株価が高い&債券価格は低い(=長期金利が高い)」か、景気が悪いと「株価が低い&債券価格は高い(=長期金利は低い)」のどちらかのコンビネーションが常識だ。それなのに、市場原理が働かない中央銀行が長期債市場に介入してきたせいで(=爆買いをする)、今現在、「株価が高い&債券価格も高い(=長期金利が低い)」という理論的には論理的でないことが起きている。いずれ、このアンバランスはドカーンと修正されると思うが、日銀にとっても大変なことが起きつつある。

景気が悪くなりと株価が下落し日銀が債務超過に陥るリスクが生じる。その時、本来なら低かった債券価格が上昇(=長期金利が低下)し、株価の下落で生じる評価損を埋め泡あせてくれるはずだ。しかし債券価格はすでに高すぎるからそれは期待できない。

一方、景気が良くなると債券価格が下落する(=長期金利が上昇)するが、株価が上昇して債券の評価損損を埋めわせてくれる。しかしすでに株価は十分高いから、さらに大幅上昇して債券の評価損を穴埋めをしてくれるとは思えない。すなわち日銀は、今後景気が悪くなっても、良くなっても債務超過の危機なのだ。価格の変動する株や長期国債を爆買いしたツケが今、表面化しようとしている。中央銀行は価格の大幅変動する資産など買ってはいけない。昔はそれがオーソドックスな金融マンの常識だったのだが。