「異次元緩和の副作用とは?」「今後、『ワクチン接種度合い』が為替の主要決定要因に?」他

2021年04月13日

1.「異次元緩和の副作用とは?」

金融緩和は「金利引き下げ」―>「金利ゼロ」―>「金利さらに下げようがないので量的緩和」と進んできた。景気が戻ったら(出口は)「量的緩和解消」―>「金利ゼロ」―>「金利引き上げ」だ。異次元緩和(=実質財政ファイナンス)の副作用を甘く見すぎている人が多いが、異次元緩和の副作用は実はとんでもなくドでかい。だからこそ先人たちは、財政ファイナンスを「禁じ手の禁じ手」としてきた。異次元緩和の最大の副作用は「日銀の解散」だ。ハイパーインフレを抑えられなくなるからだ。新しい日本の中央銀行が作られ、新しい法定通貨が発行される。泣くのは紙くずになる円を後生大事に持つ国民だ。

景気が戻り始めたら日銀は(出口は)「量的緩和解消」―>「金利引き上げ」と逆向きのアクションを取らねばならない。場合によっては「量的緩和解消」と「金利引き上げ」が同時に行うのかもしれないが、じゃぶじゃぶ状態のお金を回収するために「量的緩和解消」はマストだ。

その「量的緩和の解消」だが、日銀が保有株を一挙にすべて売却(=量的緩和前の状態に戻す)することなど不可能だ。株式市場は壊れる。その何倍も難しいのが保有国債の売却だ。なにせ、異次元緩和で、発行国債の半分をも買ってしまったのだ。長年かかって政府が民間に売りさばいていたものを、異次元緩和後、一気に、日銀が買い集めてしまった。それを量的緩和解消のために、再度、短期間に民間に売り戻そうと考えても、あまりの量で、不可能もいいところだ。債券相場は壊滅的に壊れてしまう。景気が良くなったら、日銀はじゃぶじゃぶのお金を抱えたまま、ニッチもサッチもいかなくなる。日本経済が未来永劫に低迷を続けない限り、中央銀行が機能を果たす(=景気過熱を防ぐ)ためには、新しい中央銀行を作らねばならなくなる。第2次世界大戦後にドイツで旧中央銀行ライヒスバンクが廃され、新中央銀行のブンデスバンクが創設されたのと同じ道筋だ。ライヒスマルクは紙くずになりブンデスマルクが作られた。

2.「今後、『ワクチン接種度合い』が為替の主要決定要因に?」

長期的というより短期的な話だが、「ワクチン接種度合い」が為替の主要決定要因になっていくかも?ワクチン接種進展で経済回復の早い国の通貨が買われ、そ遅い国の通貨が売られる。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO70930420S1A410C2FF8000/

 3.「日本の信用はなぜ保たれているのか?」

昨日、東芝の話を書いたら、今朝FB に畏友のUさんから「しかし、日本国はなんでそんなに信用されているんですかね。消費税が低いせいですかね」との質問/コメントが来ていた。

私の回答は以下の通り。「おっしゃる通り、少し前までは、外国人の間では、「日本は財政破綻しない。他国より断然低い消費税を上げればいい」が主流の意見だったと思いますが、今や、そんな意見も聞かなくなりました。私が金融マンだったころに比べると、今や完全に日本無視だと思っています。それが幸いして、外国人は日本の惨状に目が向いていないのでしょう。日本の信用は、日本を信用するしかない日本人のみに支えられているので、それはゆえに風前の灯で、一瞬でグシャの可能性があると思っています」

「まずは過疎地の高齢者にワクチン接種。何も考えていない?それとも責任逃れ?」

昨日はNHKも新聞も「長野県**村」で接種開始のニュースを頻繁に流していた。未だワクチンの供給量はごく少ない。ならば一番感染を抑えるべき、接種順を考えるのも政治・行政の責務ではないの?

高齢者は重症化率が高いから優先的に接種しているはずだ。それならば、高齢者の中でも、クラスターが多く発生している地域で感染リスクのより高い高齢者から打つのが常識ではないの?それが全国的にもコロナ蔓延を防止する手段だとも思うのだが。数少ないワクチンを過疎地から打ち始めてどうするの?何も考えていないの?それとも大都市から打ち始めると、数があまりに少ないことがミエミエになり非難がでるのを恐れて、わざと過疎地を選んだの?違和感を感じるな~。