「中央銀行デジタルのメリット」「雇用保険料引き上げへ」他

2021年07月28日

1.「中央銀行デジタルのメリット

本日の日経新聞の1面の記事。中国中央銀行が、人民元のデジタル化に全力投球しているようだ。 デジタル化の最大のメリットは、私が25年近く主張している「マイナス金利政策」を日銀が取れること。「異次元の量的緩和」という「ハイパーインフレまっしぐら政策」の最悪政策ではなく、従来の伝統的金融政策(景気が悪ければ金利を引き下げる。良ければ金利を引き上げる)を取れること。景気が悪いので金利を引き下げる。下げた着地点がプラスではなくマイナスだという点に過ぎない。

25年の前に主張した時、貸出金利、預金金利がマイナスなんてと感覚論から反対され「フジマキは頭がおかしくなった」と言われたが、唯一のロジカルな反対論は日銀からの「タンス預金が増えて抜け穴になる」だった。

デジタル通貨はその抜け穴を完全に封じる。なにせ画すべき現金が存在しないのだから。なお、私が主張するマイナス金利政策は、「日銀当座預金を最小限にする政策」で黒田日銀の「日銀当座預金を最大限にする政策」とは180度違う。なお、この記事の最後にあるように「グローバル化で国際送金の規模は7019億ドルと10年で1.5倍になった。中銀の国際決済システムは刷新が遅れ、国際送金手数料は平均7%もかかる。」この国際貿易部分は、中央銀行デジタルでは対応できない。暗号資産の出番である。日本は規制・税制でまたまた世界から取り残される。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB181BT0Y1A710C2000000/

 

2.「雇用保険料引き上げへ」

本日の日経新聞1面トップ記事。新型コロナで雇用調整助成金の給付が増えたので雇用保険料が値上げになるそうだ。コロナ前には財源が十分あった失業保険でさえ、これである。コロナ前からズタズタだった国の財政はどうやって補填するのか?超大型消費増税か?それとも市場の暴力に頼った(でもそれは人災)ハイパーインフレで解決か?

ちなみにMMT 論者は、雇用保険の不足額は「保険料を値上げせずに紙幣を刷って国から補填してもらえばいい」となぜ主張しないのか?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA216MN0R20C21A7000000/

 

3「再度、テーパリングとは?」

昨日、「テーパリングとは?」を書いたが、テーパリングに関して、相変わらず頓珍漢な質問が来るので繰り返す。テーパリングとは「量的緩和の縮小開始」ではない。量的緩和の縮小は「テーパリング」の完了“後”から始まる。テーパリングの開始時は、まだ全速力で量的緩和をさらに進めている状態だ。

あえて書くならば、テーパリング開始とは「段階的な量的拡大からの撤退準備開始」にすぎず「縮小開始」からは程遠い。

山の頂上に近づくと、酸素が薄くなるなどで、登頂スピードが遅くなる。それをテーパリングの開始という。「テーパリングの完了」とは、登頂成功時のこと。量的拡大の最大地点(最大の量的緩和状態)への到着だ。

それを考えれば、今の米国経済でテーパリン開始がまだかなり先と考えると、足を引っ張られると思う。

 

4.「大谷5勝目」

米国にいる息子に「オリンピック、米国でも注目集めている?」と聞いたら、「最近、テレビ見ないんで、つい最近解約してしまったからわからないよ」という。アリャリャ。(若者のテレビ離れは米国でもすさまじいようだ)。1年延期したせいで(?)大リーグもオリンピック中も継続中。米国人にとっては、少なくとも、マイナーなオリンピック競技よりは、地元の大リーグの活躍の方が注目材料だろう。ところで、昨日、大谷が7回を投げて5安打1失点で勝利投手。盗塁も!! 私は、大谷の活躍を見ると血沸き肉躍り「やっぱり日本人、すごいな~」と思うのだが、マスコミの取り扱いがあまりに小さくなってしまった。かなしい。