「スピード調整」「景気が良くなってもアウト、景気が悪くなってもアウトの日本銀行」「何のためのGO TOキャンペインなのか?」

2021年11月27日

1.「昨晩」

昨晩は、JPモルガン時代の仲間2人に誘われて飲み会。「誰か他に誘いたい人いますか?」と聞かれたので「小池栄子。松坂慶子、吉永小百合」と返事しておいたのだが、希望はかなわず3人での飲み会。「アジアの全支店の人全員が『藤巻さんのおかげで今年もボーナスがもらえます』と感謝されていましたよね」などと全盛期時代のうれしいゴマすり話で持ち上げられ、気持ち良く帰宅したら、片山寅之助先生の重篤の話やマーケットの状態で、いっぺんに酔いが覚めた。

2.「スピード調整」

昨日のマーケットの値動きは、南アフリカで新型コロナウイルスの変異株が確認され、世界経済の先行きに対する不透明感が強まったせいとのことだが、こんなニュースでは市場は、昨日ほどの大きな動きはしない。変異株はスピード調整のきっかけに使われたに過ぎないだろう。円安、長期金利高の方向は全く変わらないと思う。時間がたってみれば、為替も「ドルの底堅さ」を確認しただけと記録させるだろ。昨日の米株下落は、ゴールドマン・サックスが25日に「22年にFTBは3回の利上げを実施する」と予想したのも理由の一つと言われているが、そうならば、米長短金利上昇で日米金利差拡大、円安ドル高進行だろう

3.「国債残高1000兆円突破へ」

本来なら全新聞の1面トップになるような重大記事。いかに世間が、異常事態を異常と感じなくなったかがわかる。記事曰く「大規模な財政出動や異例の金融緩和で景気をなんとか下支えしてきたのが現実だ。結果として、低成長のまま債務が増大する流れが続いている」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA25BEB0V21C21A1000000/

4.「景気が良くなってもアウト、景気が悪くなってもアウトの日本銀行」

中央銀行に株の評価益が出ている、など昔ならありえないニュース。他国では(株保有していないから)今でもありえない。通貨の安定を図るために相場で大きく動く金融商品を資産として持ってはいけないのが中央銀行。だから昔の日銀は株も長期国債も保有していなかった。大きな評価益が出るのなら大きな評価損が出る可能性もある。株価が下落を始めた時は、早い損失カットが重要だが、日本最大の株保有者が売却を急げば、さらに下落を加速させる。

景気が良くなりインフレになれば日銀はThe end、一方、変異株が蔓延して景気が悪くなっても株の巨額評価損が出てThe end。相場が動くたびに「日銀大丈夫か?」と心配する社会など過去にはありえなかった。今の日本銀行が倒産した後にできる新中央銀行も、そんなことはしないだろう。歴史では中央銀行が株を買っていた短い異常期間と記録させることになるだろう。ちなみにこのニュースは購入を減らしただけで売却をして保有額を減らしたわけではないことに注意、

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77947870X21C21A1EA4000/

 5.「GO TOキャンペインは必要か?」

月・火(祭日)と、しばしば訪れるお気に入りの鹿児島の温泉宿に行ってきた。1か月半前に温泉に行くことを決めたが、ぜいたくな宿はどこも満杯。この宿の、この日のみ空室があった。わざわざ休日に行く必要も、割高なこの日に行く必要もなかったのだが、この宿のこの日しか開いていないのだから仕方がない。2日目はチェックアウトまで温泉を堪能した後、静寂を求めて、何度も出かけたことのある霧島神社に。国宝指定もあるのだろうが、いつも私の車一台しか止まっていない第3駐車場(?)が満杯。恐れをなして駐車場でU ターン。自粛疲れで、旅行熱は大いに盛り上がっているようだ。こんな時にGO TOキャンペインが必要か?

6.「ハワイの前例」

観光客受け入れを実質拒否していたハワイは、昨年春以降、ほぼ旅行客ゼロだった。今年は、前半から受け入れを再開し今は絶好調。外国人客はまだほとんどいないが、米国人のみで満室状態だ。米国でも我慢していた旅行が大いに盛り上がっている。こんな時、米国では間違いなく税金無駄遣いの GO TOキャンペインなどやらないだろう。

7.「何のためのGO TOキャンペインなのか?」

何のためのGO TOキャンペインなのか?補助を与えなくても旅行は大いに回復するだろう。GO TOキャンペインが終わるとき、補助金分の値上げと感じ、客足はガクンと落ちるだろう。GO TOキャンペイン中は一見客で一杯で、常連客が予約を取れず見切りをつければ、旅館は将来の安定収入を失うことにもなるだろう。最大の問題はキャンペインに多額の金がかかっていること。いずれ消費税上げて回収するのだろう。GO TOキャンペインを利用して、平日にバンバン旅行するのは時間と金のある我々高齢者。その財源を消費税で負担するのは、忙しくまた資金的余裕が無く旅行に行けない若年層。高齢者にとっては素晴らしい、若年層にとっては最悪な分配政策だ。

8,「豪快なばらまきは消費税増税という形で、国民にツケが降りかかる」

休業申請で補助金をもらい闇営業もして、1000万円稼いだと話すバー経営者、同じく旅館経営者、ごく一部だとは思うが、こういう話を聞くと、補助金のせいで、貴い自助努力の精神が崩れ去っていくような気がする。「収入が減るから補助金を」では国の金がいくらあっても持たない。いずれ、消費税大増税となるだろう。消費税の大増税か課税最低限の引き下げしか税収を大きく上げる方法はない。「誰か他人のお金で弱者救済」の時代は終わった。これからの日本は「貧しい人たちを含めた国民全員で極低所得層救済」の時代に入った。豪快なばらまきは消費税という形で、国民にツケが降りかかる。