「金利を3~4%にする必要がある」「インフレとインフラ」他

2021年11月30日

1.「金利を3~4%にする必要がある」

本日の日経新聞。ダドリーNY連銀前総裁とのインタビュー記事。「市場はFRBが次の利上げサイクルでFF金利を1.75%程度にしか上げられないとみているが、これは楽観的な予想だ。インフレが中長期的に2%を超えそうなら、金融環境を引き締めるために金利を3~4%にする必要がある」

FF金利が3~4%になるのならもちろんのこと、1.75%でも、今10年米国債を買っている機関投資家は轟沈だ。短期トレードで人より早く逃げられると思っているのだろうか?それより怖いのは、もしダドリーNY連銀前総裁の分析が正しいのなら、金利を上げられない日銀は轟沈。円は紙くず化。すべて財政規律を無視し紙幣を刷りまくった咎。早急に新中央銀行の設立準備をしておかないと、事態はさらにとんでもないことになる。中央銀行は社会に必要なインフラだからだ。空白期間は許されない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1917M0Z11C21A1000000/

2.「インフレとインフラ」

もう10年以上前のことだが某パーティーで、高校の同級生(電通・国交省役人・私)と偶然一緒になり話をしていたら妙齢の女性が会話に入ってきた。その女性「私、インフレとインフラの違いが判らないの」とおっしゃる。電通マン、即座に答えて曰く「(私を指さし)こちらがインフレ、(国交省役人を指さし)こちらがインフラ」。さすが電通マン、 当意即妙。もてるわけだ。

3.「『統合政府論では財政大丈夫派』よ、教えてくださいな」

「統合政府で考えれば日銀に買われた国債は借金ではない。だから財政は大丈夫」論のインチキさは「数字を極端に大きく振ってみる」という一般的な論理検証法を使えば簡単に証明できる。(5京4000兆円の国債発行、日銀引き受けでも財政は健全と言えるのか?ならばその京4000兆円を国民にばらまけ)そのことは何度も述べた。一方、「統合政府論では財政大丈夫派」はたとえ財政派大丈夫にしても莫大な量を買ってしまった日銀の出口をどう考えるのか?解散せざるを得なくなり円が紙くずになってもいいのか?デフレ脱却で莫大な量の国債を買いこんだのだからインフレになれば、今までのオペレーションと真逆のオペレーションが必要となる。40年間近くかけて国が民間に売ってきた金額の半分を今度は日銀が短期間の間に市場に売り捌かねばならない。一時に売ればロシア危機の時のロシア国債の100%を超えて300%くらいに爆謄してしまうのでは?予算も組めなければ日銀を解散せざるを得ないだろう?インフレになった時、じゃぶじゃぶになったお金をどう吸収するのか?最大限の金融緩和をしていながら大増税か何かでインフレを抑えることなど出来るのか?「統合政府論では財政大丈夫派」よ、教えてくださいな。

4.「池田先生からのご指摘に対する返事(統合政府論に関して)」

「統合政府で考えれば日銀に買われた国債は借金ではない。だから財政は大丈夫」論のインチキさに関して説明したら、池田信夫某先生からリツイートがあった。「5京円でも国債を将来すべて償還するなら統合政府の債務は変わらないので、会計上は何も起こりません。問題は統合政府かどうかではなく、国債をマネタイズするかどうか」

私の返事は以下の通り。

「統合政府論者はマネタイズが前提で議論をしています。だから問題。マネタイズしない統合政府だと、資産は増え(政府の清算+日銀の資産)、負債も増えます(国債+日銀当座預金)」