「円安はMMT実験の悲惨な結果」「円が万が一反騰するにしてもはるか先の先」「キッシンジャー氏訪日」他

2022年10月29日

1,「円安はMMT実験の悲惨な結果」

「外貨建債券を発行していない国なら、インフレが来ない限り、どんどん金を刷ればといい」と説くMMT のケルトン教授は「日本がMMT の実験中」だと言った。その実験の悲惨な結果が今の円安であり、これから起こる円の紙くず化だ。オーソドックス金融論の教えるとおりだ。MMT論に対し、私は、「自国通貨だから、確かにいくらでもお金を刷れるが、それは『信用ある』お金をいつまでも刷れる」と同義語ではない」と反論してきた。信用が減じていけば価値は起こる。日本でお金とは円。お金の刷り過ぎで円の価値の希薄化(=円安)が進んでいるのが今の円安だ。世界で一番お金を刷った(=日銀は対GDP比で世界ダントツのメタボ)国の通貨が世界で最も弱体化するのは当然だ。それに加え、世界はお金の回収に走っているのに日銀は今後とも円垂れ流すしか出来ない。

円安がこれからだという私の理由。

 

2,「円が万が一反騰するにしても(私は反騰は無いと思うが)はるか先の先」

FRB の金利の引き上げスピードがにぶってもドル円の上昇は継続する。鈍ったところで、日銀が金利を引き上げられない以上(引き上げれば巨大債務超過)になってしまう以上、日米金利差は拡大し続けるからだ。FRB が政策金利を引き下げ始めればドル円が下がり始めるにしても、ド高い(例えば1ドル400円という)発射台からの下落。

 

3,「欧州中銀はQT の実施で債務危機の再来をどう防ぐか?」

一昨日の日経新聞には、「(ECBは)「QT(量的引き締め)実施は債務危機の再来をどう防ぐかが焦点となる」とある。現在のインフレが財政ファイナンスによりお金を刷り過ぎたことで起きているのだからQTは必須。しかし一歩間違えると、債務危機が訪れるという(=財政破綻と言うことだろう)。ところが、その必須のQTを始めたら、日銀が巨大債務超過、政府は支払い金利尾急増で予算を組めなくなってしまう。絶望的状態。シートベルトは締めておいた方がいい。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR26CID0W2A021C2000000/

 

4.「財政・金融もたれあい限界」

本日の日経新聞1面トップ記事の小見出し。いよいよ、日経も真実を報道しなくてはならなくなってきたようだ。「政府の大盤振る舞いの背景には、政府の発行する国債を大量購入する日銀の金融政策がある」=>これが円の価値の希薄化wぽ招いてもいる=(円安の原因)。野村総合研究所の木内登英氏は『規模ありきの対策は通貨安やインフレをむしろ助長させる』と話す。規模が小さくても財政出動派通貨安やインフレ要因。物価対策は中央銀行の役目」

「低金利の恩恵を政府が最も受けているかのように映る」―>私が国会議員の時、日銀を追求した点の一つ。住宅ローンの大半は長期でも変動型で短期金利に連動。あと長期金利の低位安定でメリットを受けるのは社債程度(間接金融の日本では社債発行は銀行融資に比べて断然額が小さい。銀行の貸し出しは短期金利連動型が主役)。日銀の国債爆買いで国債金利を低く抑えることによるメリットを受けるのは政府のみ。異次元緩和は財政の延命策に過ぎない、と。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65569530Z21C22A0MM8000/

 

5,「キッシンジャー氏訪日」

26日、岸田首相が30分ほどキッシンジャー氏と国際情勢について話したそうだ。キッシンジャー氏が来日したのは、氏がJPモルガンのInternational Council のメンバーで、東京で初めてInternational Council が開かれたからだ。JPモルガンのInternational Councilのメンバーは、キッシンジャー氏のほか、トニーブレア英元首、ジョンハワード元豪州首相、ライス元米国国務長官、ゲート元国防長官等の政治家のほか、JPモルガン会長のジミーダイモンはもちろん、ネッスル会長、サウジアラムコCEO、ジョンソン&ジョンソン会長、アディダスCEOなど経済界の錚々たるメンバーで、彼らがこの数日間東京に会したのだ。事務方として取り仕切ったのは日本のJPモルガングループのヘッドのステーブ。30年ほど前に私が採用した男だ。野村を1年で辞めてJPモルガンを受けに来た。当時の資金為替部長のドミニック。ジョージがダメ出ししたのを、私は「彼はいい」と逆転採用したのだ。彼はインターナショナルを卒業して英語がペラペラだから難なく、このコンフェレンスを仕切っていたが、私の時に実施されていたら5年は寿命が縮まっただろうな。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2680D0W2A021C2000000/

 

6,「International Council Client Forum 」

International Councilに合わせて、一昨日夜、昨日午前中とレセプションとコンフェレンス(ごく少人数:マスコミ非公開でした)が開かれたが呼んでもらった。。一昨日の夜のレセプションではJPモルガンの元部下の日本人と話していたら、優しそうなおじさんが「JPモルガンの卒業生ですか?」と言いながら話しかけてきた。「どこかで見たおじさんだな」と思ったら、ゲート元CIA &国防長官だった。参った。為替や金利の話をするわけにいかないし、「昔、ナポレオンソロ(スパイもののTV )が好きでした」などと話したら馬鹿にされるだろうし。

7.「まるで別世界」

コンフェレンスでは、キッシンジャーとライス元国務長官の対談、ゲート元CIA &国防長官、トニーブラウン元英国首相等、金融界NO1論客と言われるJPモルガンのジミーダイモン会長が登壇した(マスコミ非公開・やはり少人数)。情報を外に持ち出さない約束での講演なので、書けないが、やはり危機感が違った。ロシア、中国、インフレ、エネルギー価格等に非常なる危機感を持ち、それをどう乗り越えていくかを真剣に考えている。終わって外に出ると町の中の人はしょうがないにしても、マスコミ、国会が平和なノーンビリして、悠久の時が流れているようだった。まるで別世界。大丈夫かこの国は?米国は少なくともリーダーたちには緊張感があるぞ。

 

7,「素晴らしい会社にいたんだな~」

2日間、OB として招待してもらい「本当に素晴らしい会社に在籍していたんだな~」と、つくづく思った。今は、ゴールドマンに少し抜かれたかもしれないが、JPモルガンは当時から世界1の銀行と言われていた。職業人生の中で」最も輝いていたすばらしい時間だった。政治家やっていた時に、家内から「JPモルガンにいた時はインターナショナルでかっこいいと思ったけど(JPモルガン在籍中にそう言ってくれたことは1度もない)、政治の世界に入ったら、どんどん「丸どめ(まるでドメスチック)になっちゃってでかっこ悪いったらありゃしない」と言われたが、そうだよな~とこの2日間、つくづく思った次第。