「FRB、0.75%利上げ 減速示唆も到達水準は『より高く』」「グリーンスパン氏、ドルに金融の「追い風」-米利上げ減速・停止でも」「ボルカー元FRB 議長の対談you tube :超貴重映像、必見」

2022年11月03日

1,「FRB、0.75%利上げ 減速示唆も到達水準は『より高く』」

日経新聞いわく「記者会見したパウエル議長は利上げペースの減速を示唆しつつ、利上げ終了時に到達する金利水準はより高くなるとの見通しを示した」。

米10年物金利が本日朝方4.1 % に迫ってきた。そりゃそうだろう。まだまだかなり上昇しそう。ターミナルレート(政策金利:銀行間市場で野1日の金利)が5%といわれ、6%を超すだろうという予想も出始めた。しかもそのレートが長く続き引き下げを始めるのはかなり先だと言われているときに10年モノ金利が4%台であるなどありえない。私自身はサタデイナイトスペシャルの可能性がかなり高くなっていると思うので、ターミナルレートは10%を越してもおかしくないと思っている。当然、ドル円は暴騰。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02DZM0S2A101C2000000/

 

2「グリーンスパン氏、ドルに金融の「追い風」-米利上げ減速・停止でも」

昨晩のブルムバーグ記事。「元FRB 議長のグリーンスパン氏いわく現行の利上げペースを落とそうが、利上げを停止しようが、向こう数年間のドルには金融の「追い風」が吹くとの見方を示した」そうだ。 グリーンスパン氏は「(当局がQTを実施しており)ドルの供給が着実に減っていくと予想されるという事実は、ドルの価値保存機能を高める」と記述したそうだ。私が先日の週刊朝日に書いたように「QT(量的引き締め)のFRB 対QE(量的緩和)の日銀という政策の違いの方が「日米金利差」よりも、よほどに「ドル高・円安要因」ということ。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-11-02/RKQD7NT1UM0W01?srnd=cojp-v2

 

3,「ボルカー元FRB 議長の対談you tube :超貴重映像、必見」

このyou tubeだ素晴らしい。超貴重な資料だ。1979年から83年にかけての悪性インフレを名FRB 議長と言われたボルカー氏がどう鎮静したかを議長ご自身が詳しく、かつ簡潔に話した記録だ。パウエル議長はじめ、FRBのメンバーもバイブルとして絶対に見て参考にしていると思う。私が頻繁に取り上げる1979年のサタデイナイトスペシャルの実態の説明だ。「お金ジャブジャブ」がインフレの主因だと看破したボルカー議長は「景気が悪化する」「金利が急上昇してしまう」「失業率が上昇する」というような強烈な抵抗を押し切って、断固お金の回収(いわゆるQT)を実行し、やっとのことでインフレを鎮静化させた。今は、コロナ対策のための財政ファイナンスで、当時より格段にお金をばらまいてしまった。このyou tubeをみたFRBのメンバーなら、QT が完了する前に安易に「金融緩和に転換」など、絶対しないだろう。米長期金利は今後かなり急騰すると思う。当然ドル高も。

https://www.youtube.com/watch?v=k50nRM6qUxQ&t=2s

 

,「MMTなる財政理論を背景に大型補正予算を組む日本は英国トラス政権の二の舞?」

本日の日経新聞「大気小機」。まさにその通り。なお筆者は私ではない。(日本は)英国の新政権と同様に財政規律を重視する方向に早晩かじを切っていくしかないはずだ。ところが日本では、現代貨幣理論(MMT)なる財政理論が跋扈(ばっこ)している。それを背景に、今国会でも29兆円を上回る補正予算案が財源の裏付けもなく打ち出されている。MMT理論の基本はインフレを心配する必要はないというもので、その元祖は米国だが、米国でも実際にインフレに直面した今日、その主張が絵空事であることが明らかになり、もはやほとんど誰も相手にしなくなっているという。このままでは日本はいつ、金融市場から不信任を突きつけられてもおかしくない」。

「現在、多くの先進国は、新型コロナウイルス対策で傷んだ財政の再建に取り組み出している。明日の国民生活を豊かにしていくための政策といえよう。それに反する政策をとろうとしたのがトラス政権だったのだ。他山の石とすべきであろう」。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65692450S2A101C2EN8000/

 

5.「たがが緩むどころか、完全に外れてしまった我が国」

旅行に行っていたりしたのでご紹介が遅れたが朝日新聞の原真編集委員の10月28日の論考。「財源の根拠なき減税を打ち出したことで金融市場と世論からの信頼を失い、就任わずか1カ月余りで退場を余儀なくされた英トラス政権。それと対照的に岸田政権はなぜ、財源の裏付けなどまったくおかまいなしに補正予算29兆円超(当初予算規模の3割近く)という常軌を逸した規模の総合経済対策が打てるのか。 それを可能にしてきたのが、日本銀行による大規模な金融緩和、いわゆる『異次元緩和』である」「たがが緩むどころか、完全に外れてしまった。この国は大丈夫だろうか」。財務省幹部が深刻な顔でそう嘆くのを聞いた。28日の政府与党政策懇談会で決まった『総合経済対策』の調整過程についてのことである」まさにその通り。『総合経済対策』が決まる前後は、ヘッジファンドが仕掛けないかは一応、要警戒。

https://www.asahi.com/articles/ASQBX4K9XQBXULZU001.html?iref=pc_rellink_01

 

 

6,「為替に関する長男健太の質疑@衆議院財政金融委員会」

昨日は長男健太が衆議院財政金融委員会で質問。普段は見ないのだが、昨日は為替関係を質問するとのことだったので衆議院テレビをlive で見た。いつもどおり答弁は的外れのはぐらかし答弁だったが質問はそれなりに鋭かったと思う。「過度な変動を抑えるために行った為替介入こそが最も過度な変動を引き起こしているのではないか?」「円安の動きはファンダメンタルズに沿った動きではないのか?なぜそれを投機と言うのか?」「口先介入が過ぎると。むしろそれこそ投機筋に、介入のために日本政府が保有する米国債売却を連想させ、米債の価格下落・米金利上昇、結果として円安を誘導する恐れはないのか?」

「神田財務官は財務省内で記者団の取材に応じ、『介入の原資は無限にある』と発言したが、本当に無限にあるのか?どんなに無理してでも外貨準備残高が上限で、無限とは言い過ぎではないか?」

 

7「旅行割とは若者から高齢者の贈り物」

一昨日、入社した三井信託千葉支店のOB,OG会の毎年恒例の1泊旅行をして楽しかったことを書いた。60歳代、70歳代のおじいちゃん、おばあちゃんの団体旅行だ。月曜日の軽井沢駅は、平日なのにえらく混んでいた。大半が暇そうな老人たちだ。11月から始まった旅行割のせいだろう。我々は、もともとこの日を予定したのだが、旅行割がちょうど、始まったので、クーポンと合わせて一人当たり11,000円をラッキーにも使わせてもらいやすい旅行が楽しめた。平日どころか、生活が苦しくて休日にも旅行など出来ず、汗水たらしている若者たちよ、ありがとう。あなた方が将来払う消費増税(消費増税しか巨額な借金を集められる手段はない)によって我々のような、暇でゆとりある高齢者が大いに楽しませていただいている(政策に対する皮肉)。なぜ若者は、旅行業者や老人からの票獲得のためにバラマキをする、すなわち若者のポケットから老人のポケットにお金を移す政治家に怒りを向けないのだろうか?