「日銀の惨状を理解するのに読むべき非常に重要なニュース」「日銀存亡の攻防戦の最中に、なにが日米金利差なのか?」「日本が滅びかねない」他

2023年01月15日

1.「日銀の惨状を理解するのに読むべき非常に重要なニュース」。

昨日の日経夕刊にごく小さくしか載っていなかったが、「日銀の惨状を理解するのに読むべき非常に重要なニュース」だ。

一昨日、FRBが2022年の純利益が584億ドル(約7兆5000億円)と全年に比べ約46%減ったと発表したそうだ。と言うことは利上げ開始前は15兆円弱の純利益と大きな通貨発行益があったということだ。売国はさらに大巾な利上げをしても通貨発行益は確保できる。万が一、債務超過になったとしても数年の通貨発行益の蓄積で純債務に戻りうる。

一方、日銀の純利益は短期政策金利を上げてもいないのに1兆4000億円とFRBの利上げ前純利益の10分の1だ。一方、積み上げた日銀当座預金残高は494兆円と巨大だから、短期政策金利を0.3%上げた途端に、損のたれ流しが始まる。通貨発行”損“の発生開始だ。長期金利が上昇するととんでもない債務超過が生じ、短期政策金利をほんの少し上げると損の垂れ流しが始まり、債務超過は日ごとに巨大になっていく。信用の失墜で円は紙くず化だ。日銀が生き延びうる可能性はない。早く新中央銀行設立。新通貨の発行の準備をした方がいい。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67589860U3A110C2NNE000/

 

2,「日銀存亡の攻防戦の最中に、なにが日米金利差なのか?」

日銀が存亡の危機に瀕しているときに、金利差で為替の方向を予想しているアナリスト、評論家とはなんじゃいな?と私は思う。もっとも私は金利差でもドル高円安進行だと思っているが。

 

3,「一晩で円紙くず化の可能性も」

0,25 %の保有国債評価損発生防衛ラインを0.5%%の債務超過ラインまで撤退。1か月もしないうちに外国人の国債売り攻勢で、債務超過ラインを突破された。その攻防戦で、日銀は昔の日銀総裁が聞いたら腰を抜かしそうなことを毎日、行っている。2日間で10兆円を超える国債購入(=お金のバラマキ)。今後も続けるだろう。燃え上がる火の中に毎日、ドラム缶の油を大量に投げ込んでいる。もう末期症状の行動としか私には思えない。国民にとって、日銀は普段、関わりのない存在だから、この異常さに気がつかないのだろうが、私は、1992年の「ソロス対英国中央銀行」の戦いを思い出している。「ソロスVS英国中央銀行」の戦いは英ポンドの暴落で済んだが、今回の「ヘッジファンドVS日銀」で日銀が破れれば円は紙くず化だから格段に始末が悪い。そして、人為的に相場を操作してきた日銀が敗れる確率は極めて高い。日銀の白旗、円紙くず化は一晩で起こりうる。相場は最終的にファンダメンタルズに沿ったところに落ち着くからだ。現在の10年金利名目0.54%は長期金利=実質金利+期待インフレ率+信用リスク(倒産確率)に比べてあまりに低い。

 

4.「今後の展開予想」

・もし、次回の政策会合で長期金利を0.75%に引き上げれば、以下のループ(0.6%に引き上げの場合も同じ)。

0.75%でのヘッジファンドの国債売り攻撃―>日銀の債務超過拡大―>日銀必死の防衛戦(=国債爆買=お金の異常なバラマキ)―>インフレ加速――>1%への防衛ラインへ撤退―>日銀の債務超過拡大―>日銀必死の防衛戦(=国債爆買=お金の異常なバラマキ)―>インフレ加速――>日銀1.25%への防衛ラインへ撤退>どこかでバーンと破裂。日銀白旗。円大暴落・紙くず化

・もし次回の政策会合で長期金利を0.5%のままに据え置けば

0.5%でのヘッジファンドの国債売り攻撃更なる強化―>日銀の債務超過拡大―>日銀必死の防衛戦(=国債爆買=お金の異常なバラマキ)―>インフレ加速――>市場金利ははるかに0.5%より高く―>何故、日銀は金利を上げないかとの海外の疑問―>日銀財務の脆弱性が世界に認知――>海外ファンドの円売り攻勢>どこかでバーンと破裂。日銀白旗。円紙くず化

 

5.「日本が滅びかねない」

本日の日経新聞「風見鶏」いわく「財務省は『財政破綻しかねない』と訴え続けたものの、長く国債市場に兆候は見られなかった。『財務省はオオカミ少年』と呼ばれ、歳出拡大や増税回避を求める政治に押し切られた。今回「財政」にこだわったのは防衛省とNSSだった。本来は財政を気にする必要がない予算の要求側だ。財務省だけに財政を任せていては日本が滅びかねない、との危機感だろう」。その通り。本来、日銀が財政法第5条を守り、国債の爆買いなどしなければ、国の借金が増え(=国債が増発)れば長期金利が上昇し、財政規律が守られた。その警戒警報を外してしまったのだから借金が膨れ上がり「日本が滅びかねない」状態に落ちってしまった。「日本が滅びかねない」現状はバラマキ財政を継続し、先人の知恵を無視し警戒警報を撤去したおごりの結果である。20数年前からの財務省と私の警告、さらには(前財務次官の)矢野論文に少しでも耳を傾けてくれていたらと残念でならない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA10C9K0Q3A110C2000000/

 

6.「一昨日は新春歌舞伎「さよなら公演」@国立劇場」

一昨日は14時半から20時20分まで国立劇場新春歌舞伎「通し狂言 遠山桜天保日記」@国立劇場鑑賞。尾上菊五郎が金さん役。新春歌舞伎らしい演目。終わった後、勝丸さん(弁護士・前広島高検検事長、元香川高検検事長)ご夫婦(奥さんの千晶さんは大学のゼミの後輩。前四国公認会計士協会会長)と隣のホテルグランドアーク半蔵門で一杯。勝丸夫婦は歌舞伎鑑賞の時はいつも着物。うちは家内が着物。

勝丸夫婦