我が国財政の現状について

2019年04月21日

臨時版です。通常版は4月17日に更新しています。そちらもぜひお読みください。 

1.我が国財政の現状について

私が新しく出した本ではない。4月17日に財務省が発表した財務省の説明資料だ。初めて財務省がハイパーインフレ、財政危機に関する資料を正式に取り上げたのにも注目。MMTに関しても、これでもかというほど批判発言を集めている。その他、「国は大きな資産を持っているから大丈夫論」に対する否定、「純債務で見れば日本の借金はたいしたことない」論に対する否定、「統合政府論に対する否定」「日本の財政は大丈夫」とIMFが言っていると誤解している人が多い)IMF報告書(昨年10月発表)の真の意味、「日本は財政出動が少ない」論の否定、FTPL理論の否定などリフレ派の主張を、ことごとく否定している。

https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia310417/01.pdf

2.新紙幣発行に関する不安 預金封鎖の準備?

4月16日(火)発売の週刊朝日「虎穴に入らずんばフジマキに聞け」は「なぜ5年も前に新紙幣 を発表? フジマキが不安に思うこと」というタイトルで朝日新聞出版社のホームページから無料で読めます。5年も前からの#新券刷新 発表は#預金封鎖 といううがった見方(?)もという内容です。

https://dot.asahi.com/wa/2019041600036.html

3.思わず本音?

思わず本音?  朝日新聞(4月17日)日銀総裁、ETF購入「株価安定のため」と言い間違え-直ちに訂正

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-04-16/PQ18D26JTSEA01?srnd=cojp-v2

4.OECDの警告

「東京 15日 ロイター] – 経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。日銀の金融緩和の継続やジェネリック(後発)医薬品の普及による医療費削減、外国人労働者の拡充なども提唱している。」OECD提案の消費税26%(これでもかなり遠慮していると思うが)を日本国民はまず受け入れないだろう。だから政府は「異次元の量的緩和」でハイパーインフレという大増税を画策している。富が債権者から債務者に実質的に移行でハイパーインフレとは大増税

https://jp.reuters.com/article/oecd-cons-tax-idJPKCN1RR025

5.経済同友会・小林代表幹事「むなしい」

経済同友会・小林代表幹事いわく 「4年間の任期中に訴え続けた財政再建が進まぬ現現状に『むなしい。今さえよければ、自分さえよければという考え方が国をだめにする』―>100%同感。

「任期中の4年間、中国や米国でIT企業が急成長してキャッシュレス化が進んだが、日本はデジタル化に遅れた。そんな姿を『日本人はゆでガエル』と表現、」―>またまたブッロクチェーン、暗号資産で後れを取りつつある。税制改正が急務。

6.米銀の高収益

米銀の高収益曲がり角 という記事が4月18日の日経新聞に載っている。 曲がり角といっても #JPモルガン・チェース 91億ドル(約1兆円)、バンク・オブ・アメリカ 73億ドル(約8000億円)だ。しかもこれは19年1~3か月のたった3月間の利益だ。世界最大資産規模のゆうちょ銀行の17年度1年間の最終利益は約3500億円でしかない。著しく見劣りする。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43848230X10C19A4EE9000/ 

7.「日銀、日本株最大株主に」

日経新聞(4月17日)に「日銀 日本株最大株主に」という記事がある。「機関投資家・外国人が主導してきた日本の資本市場は、中央銀行が主導するこれまでにない段階に入った」。

国債市場も圧倒的に日銀が支配する。株式市場も国債市場も圧倒的に日銀が支配する。日本は市場原理を働かなくした完璧な計画経済国家になり果た。膿がたまりクラッシュするのは計画経済の常だ。私がいつも「日本は社会主義だからダメだった」という理由でもある。

8.MMT理論 提唱者 ケルトン教授

4月17日の朝日新聞:MMT理論の提唱者ニューヨーク州立大・ケルトン教授 が朝日新聞のインタビューに答えて曰く「日本の経験に注目していますね」との記者の質問に答えていわく「日本は有益な実例を提供しています」

米国主流派経済学者ほぼ全員が危険としている理論を日本は実験中。安倍首相や麻生大臣が「日本を(MMT理論の)実験場にしてはならない」と言っているのにMMTの提唱者ケルトン教授自身が「日本は経験中」といっているのだ。安倍首相や麻生大臣は自分たちが何をしているのか理解していないのだろうか?

ケルトン教授曰く「(日本では)超インフレや金利高騰といった危機は起きていない。自国通貨建ての債務は返済不能にならないと市場が理解」国債金利が超低いのは日銀が押さえつけているから。計画経済はいつまでもうまくいかない。今起きていないから将来も起きないなどとも言えない。

9.非現実的な財政再建

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43882520Y9A410C1ENI000/

4月18日夕刊の「十字路」 「返さない借金、かえせない借金」で三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究理事の五十嵐敬喜氏いわく「1000兆円の借金は、いっさい減ることなく増え続けるのは確実だ。借金を減らすためには、歳出を歳入以下に抑えなければならない。それが非現実であることは明らかだろう」「18兆円の赤字を黒字に変えて借金返済をするなど、およそ不可能というべきだ」

だからこそ私は、(国民がそうとは知らずに、反対もできない)現実的な(=異次元緩和でお金をばらまき)ハイパーインフレという実質大増税により究極の財政再建が行われてしまうと思うのだ。タクシー初乗り1兆円時代には1092兆円の借金は実質ピーナッツとなる。だが国民生活は地獄だ。