(臨時版)世界中でドル不足、あらゆる政策を打ってきているのになぜ他国の中央銀行は株を買わない?他

2020年03月20日

日経新聞宣伝

1.アマゾン売り上げ総合ランキング2位

ただいまアマゾンの売上げ総合3位。過去の本で確か2位は経験があるので同様の好スタートだ。今朝は日経新聞、産経新聞、北海道新聞、静岡新聞、明日は西日本新聞、明後日の3/22(日)には読売新聞、中日新聞、東京新聞で全5段(下一面)広告を載せてくださる。幻冬舎さんに感謝。昨晩、塩野七生の「皇帝フリードリッヒ2世の生涯」上下を読み終わった。最後の方に「不安」からは何も生まれないが、「危機」からは生まれるのだ。危機の語源である(略)には「蘇生」の意味もあるのだから。ただしそれは、危機を自覚した人にとって、ではあるけれど」とある。まさにその通り。「借金を増やしすぎること」の弊害。「財政危機を財政ファイナンスで飛ばす弊害」との原因で起きた危機をきちんと記録・分析することが後世の世代が2度と同じ間違いをしないための糧となる。その危機を認識した人はドルを買って危機を少しでもマイルドにやり過ごせると思う。(と、書いているうちに2位に浮上しました。ありがとうございます)

 2.あらゆる政策を打ってきているのになぜ他国の中央銀行は株を買わない?

参議院財政金融委員会で黒田日銀総裁は「日本の株式市場の変動は米欧に比べて抑制されており、一定の効果を発揮している」と自慢されたそうだ。私なら「そんなに効果があるのなら何故、他国の中央銀行も株ETFの買い入れをしないのか?」と反論する。米株は、毎日ジェエトコースターのような動きで世界中が株価下落による逆資産効果を心配している。経済悪化に対処するためのあらゆる政策を発動している。それなのに、他国では誰も、黒田総裁が自慢する株ETFの購入は提言しない。時に無茶苦茶な発想をするあのトランプ大統領でさえ、もだ。「株や不動産、長期国債の爆買いは中央銀行に後で倒産の危機が生じるから絶対にやってはいけない」とわかってからだ。他国中央銀行も長期国債は購入しているではないかとおっしゃるかもしれないが、日銀の購入規模(それも超低金利の)は他国の中央銀行とは次元が違うほど異常だ。日銀は世界で一番、軟弱な中央銀行、その発行する通貨・円は暴落の可能性(=ハイパーインフレ)ありと私が言う理由だ。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56944500Y0A310C2EE8000/

 3.世界中でドル不足

投機筋はマーケットが非常に薄くなる日本の祭日のお昼休みや夕方に仕掛ければ円高に持っていけると相変わらず思っているのだろうか?世界的に「ドル不足」という非常に強力なファンダメンタルズの状況下ではドルの買い場を与えるだけだと思う。本日の広告を見て拙著を買い、ドルを月曜日に買おうと思っている方にとっては朗報だ(と言っても次元の違う円安が近い将来起こると思うからどこで買っても同じ結果だと思うのが本音)。世界中で不足しているドルを売って、世界一弱っちい中央銀行の発行する通貨・円を買う人の理屈が私にはわからない。今はデイトレードの時ではない。世の中をきちんと分析し、どうやったら自分と家族の財産を守れるかを考える時期だ。相変わらずドルのMMF の購入をお勧めする。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57050970Q0A320C2I00000/

 4.逆イールドカーブは先行きの景気低迷を予見していたのか?

コロナウイルス騒動が発生しる前、盛んに「米国のイールドカーブが右下がりになった(=長期金利の方が短期金利より低い)。近き将来、経済が悪化することをマーケットが予見している。長期米国債の買い場だ」とはやし立てていた識者がいたのを覚えていらっしゃるだろうか?(まさか、その方はコロナウイルスによる景気悪化をマーケットが予見していたとは、まさか言わないと思うが(嫌味)。それが正しいならイールドカーブはさらに右下がりになっているはずなのに右上がりになったのはなぜか?当時、私は「イールドカーブの形状が将来の景気を予想するのは市場原理の働かない中央銀行等が参画していないときだけ。日本はもちろん、FRBも多少は市場に参加している管制相場だから現在、イールドカーブの形状は何も語らない」と主張していたのを覚えていてくださるだろうか?マーケットを知らない人の発言が世の中をミスリードするもう一つの例だ(注:イールドカーブが右上がりなのは、より将来の方が不明確という理由で、景気が良くなるということではない。ただし(参加者全員が市場原理の働く人ならば)右下がりは近き将来の景気悪化を予想する。(詳しくは「藤巻健史の実践マーケット集中講義」に書いてあります)