12.8兆円はワクチン開発競争に回すべきではなかったか?米国とドルの天下他

2020年08月04日

アゲハチョウの蛹

↑家内が岩城島で買ってきたレモンの木に着いたアゲハチョウの芋虫)

1.12.8兆円はワクチン開発競争に回すべきではなかったか?

国民一人10万円配布で使った12.8兆円は何だったのだろうか?お陰で家電がバカ売れだそうだが、そんなことが今年度予算の法人税収分すべてをぶち込んだ成果でいいのだろうか?このうち数兆円を、極端に言えば11.8兆円すべてをワクチン開発に当てていたら日本の再生もあったのではないか?

この記事はワクチン争奪戦の話だから日本は健闘しているとも言える(もっとも、購入時までに日銀が債務超過になり円が暴落していないことを望む。暴落していたら約束していたワクチンもドル不足となり買えない)。 しかし供給サイドのワクチン開発競争になると話は別だ。米中が圧倒的で、日本の投資額は桁違いに少ないそうだ。医者の次男がずっと指摘していた。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62205560S0A800C2NN1000/

2.米国のドルの天下

先進国が買い取るコロナワクチン価格は1回20~50ドルで日本は1億回分確保しているそうだから、購入費用は2200億~5500億円。今後、何回もの購入が必要になりそうだ。開発した米国には世界中から多額の利益が流れ込む。GAFA,石油に加えてワクチンも手にする。基軸通貨ドルを持っている、米国とドルの天下が続くだろう。

3.地銀は国の事務代行屋、日銀は国の紙幣印刷所。

本日の日経1面に載った「三菱重工、赤字579億円」(4-6月期)、昨日1面に載った「東レ、事業益7割減」をはじめ、企業業績欄を見ると、赤字、減益のオンパレードだ。JALの4-6月期も937億円の赤字。7-9月期も回復の望みはないだろう。来年度の法人税収はあるのか?中小・零細企業はもっと苦しいだろう。

中小・零細企業は今後、困窮するだろうに地銀で「無利子融資が過熱」しているそうだ。そりゃそうだろう。利息は国が企業に代わって払ってくれて、企業倒産した場合は国が保証してくれる。これでは国が融資業務をしており、地銀は単なる事務代行業に過ぎないのに利息と言うそれなり収益を得ている。中小・零細企業援助と言いながら地銀への援助ともいえる。 大企業の業績以上に中小・零細企業の倒産のリスクは高い。リーマン後の中小企業金融円滑化法案で生き延ばされてきたゾンビ企業はもう限界だろう。倒産すれば損失はすべて国がみるのなら、国はいくら金があっても足りなくなる。その国を助けるために、また日銀が紙幣の増刷か?地銀は国の事務代行屋、日銀は国の紙幣印刷所、なさけなや。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62246930T00C20A8EE9000/ 

4、中小・零細企業の廃業で地銀の危機

多胡英人氏(一橋大学で彼と2人で13年間講座を持っていた)の「地銀の無利子融資の過熱」記事へのコメントにあるように、国の援助で資金繰りをつけた挙句に中小・零細企業が廃業する可能性もある。そうなると多胡氏の指摘通り、これも地銀の倒産の理湯の一つになりうる。異次元緩和で長短金利差は縮小し、ただでさえ経営の苦しい地銀へのノックアオウトパンチだ。この地銀の倒産コストも国が被るだろう。何のための無利子融資か?と思う。何のための持続化給付金か?と思う。これも税金、または紙幣の増刷?大増税かハイパーインフレか、どちらにしても近き将来、国民全員が甚大なコストを払う。この国は大丈夫か?平時に長く続いた財政規律の崩壊がこの国にとどめを刺そうとしているように思える。https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62246980T00C20A8EE9000/ 

5.財政均衡は憲法化、社会主義体制国家=大きな政府)から真の資本主義国家への脱皮が不可欠

マーケットは日銀が圧倒的存在で値動きをコントロールし、銀行業も国がやる。民間は単なる事務屋。日本最大の株主は日銀。社会主義、計画経済の最たるものだ。計画経済は膿が大きく溜まり、綻びから大きく崩れるのは歴史が証明している。とどめを刺された後、苦しい時期を経ての再生時には2度と同じ間違いをしないためにドイツ、スイスのように財政均衡は憲法化、社会主義体制国家(=大きな政府)から真の資本主義国家への脱皮が不可欠だ。