「Go To イート」とは

2020年09月05日

「Go To イート」の記事を読んでいると、8月19日の電子版・大林尚編集委員の記事「国の負担? いえ、あなたの負担」を思い出す。「BBCの記者は、利用者が満足する様子と店側の反応を伝え、リポートをこう締めくくっていた。『レストランを助けるのは納税者の負担によってです』。国の負担、政府の負担などとは言わない。そういえば(中略)ジョンソン首相に『財源は政府のお金ではなく、納税者のお金だ』と、ワイズスペンディング(賢明な歳出)の徹底を念押ししたのは、同じ保守党のメイ前首相だった」。

「Go To イート」とは、レストラン救済のために、食事する人の食事代を、利用しない人を含めた国民全体で負担する制度だ。日銀が破綻しなければ増税で。破綻すればハイパーインフレというインフレ税という形での負担だ。非常なる現実を述べれば、究極、国民が「どこまで自分の収入を他人の窮地を救うために提供する気があるか?」の話となる。もちろん、提供せずに経済が崩壊し、そのコストを自分が被ることをも考慮してのうえだ。自分の収入すべてを他人救済のために提供する気があれば、まだバラマキに多少の余裕がある。MMT論者のいうように、紙幣を刷ってタダで助けられるわけではない。「Go To イート」はワイズスペンディングなのか?との議論が必要だ。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63454850U0A900C2EA4000/