「ハイパーインフレの恐怖」「日本の税制の異常さ」「大阪都構想」他

2020年10月13日

「ハイパーインフレの恐怖」

アダム・ファーガソン氏が、第1次世界大戦後のドイツのハイパーインフレについて書いた本より。どこかの国の現状やどこかの集団とそっくり。

「第1次世界大戦中からすでに、ドイツは(略)極端な通貨の供給過剰を許すような財政政策を取っていた。それが戦後、制御不能なインフレを招いた」「1920年の前後のドイツでは、紙幣の乱発が通貨価値の下落につながっているとは、ほとんど誰も気がつかなかったという。政治家も、役人も、金融の専門家も、一般の国民も、紙幣を刷ることで危機を脱せると信じ切っていた。繰り返し『未曽有の』深刻な事態に見舞われながらも、思い込みを疑おうとしなかった」

2「日本の税制の異常さ」

高度金融人材を呼び込むために彼等への所得税や相続税、外国企業の法人税減税を考えるそうだ。いかに日本の税制が国際的に通用しないかの証左だ。日本が世界ダントツのビリ成長しか出来なかった原因の一つが、機会平等ではなく結果平等(=社会主義)の税制であったことに気づく機会となればいい。。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64821700Z01C20A0PP8000/

3「大阪都構想」

関西以外の方には大阪都構想がなかなか理解できないようなので、日本維新の会に所属していたものとして説明しておきます。「大阪都構想の目的は二重行政の撤廃です。現在の大阪府と大阪市は、仕事の明確な分担なしに競合しながら仕事をしてきました。それを広域行政(市計画、公共交通、警察、消防、大学運営)は大阪府が、住民サービス(医療、福祉、教育等の)は特別区が担当するという仕事の分担を明確化することです。1943年前には東京府と東京市が競合していた行政を、東京都が広域行政を、特別区が住民サービスを担うとした改革と同じことを実行しようとしているのです。国も地方も、これだけ財政が厳しいのですから、各自の仕事を明確に分け、効率化するのは当然だと私は、思うのですが。 

4「ハイパーインフレでタクシー初乗り100万円になるか?」

昨日、私のツイッターに「極端な例で、煙に巻こうとしているのですか? タクシー代が初乗り100万円になるわけないじゃないですか。馬鹿馬鹿しい。」とのリツイートがあったので、以下のように答えた。「異次元緩和でハイパーインフレになった1923年のドイツでは1月に1個250マルクだったパンが12月には3990億マルクになりました。1月のタクシー初乗り400円が12月には6300億円になったほどのマグニチュードです。日本でもハイパーインフレが起きたら、初乗り100万円では済まないでしょう」

5.「ハイパーインフレは中央銀行の信用失墜によって起こる」

昨日、私のツイッターに「インフレには需要インフレとコストプッシュインフレ(石油ショック等)があり、前者の需要インフレは日米は起きません。なぜなら需要にすぐ対応できるからです。運転手が儲かるなら増やせます。マスク不足もなども増産で対応可能。ただしデフレが続くと供給能力が毀損されそれが真の危機を招聘します」とのリツイートがあったので、以下のように答えた。「デフレ・インフレは需給の関係で起きますがハイパーインフレは中央銀行が信用を失いその発行する紙幣が紙屑化した時に起こります。マキの替わりに紙幣をストーブにくべる写真が教科書に載っていたと思いますがマキの供給が不足したわけではありません。誰も紙屑ではマキを売ってくれなかったからです」

6.「インフレは税金と同じ」

「インフレは税金と実質同じなので、経済学上、インフレ税と呼ばれる」と書いたら以下のようなリツイートが来た。「インフレ税は誤解に基づく用語です。例えばマンキューは「紙幣の増刷によって得られる政府の収入」としていますが、この定義だとインフレにも税にも関係ありません。貨幣増加率=物価上昇率という無理な前提が必要ですが、特に日本では貨幣が増えても物価はなかなか上昇しません。」私の回答は以下の通り。「インフレ税の意味が分かっていらっしゃらないと思います。タクシー初乗り100万円になれば1千万円の借金をしたタクシー運転手(債務者)はラッキー!10年間で汗水たらして貯めた預金者(債権者)は10回タクシーに乗ると預金が無くなりショック。債権者(国民)から日本最大の債務者である国への実質的な富の移行で税金と同じです」