「日本、日銀、円はレッドゾーン入りか?」「第3次補正予算」他

2020年11月10日

1.「日本、日銀、円はレッドゾーン入りか?」

11月5日に0.72&を付けた米国10年債利回りは、再び0.92%まで上昇してきた。更なる財政出動でも、またはワクチン開発による景気回復でもどちらでも米国長期金利はさらにかなり上昇していくだろう。米長期金利上昇につられ日銀が長期金利をコントロール出来なくなれば、日銀は債務超過でThe end。円の紙屑化でハイパーインフレに一直線だ。今、一番注目すべきは米国長期金利の動き。

昨日の円安も、米長期金利上昇による日米金利差拡大のせいだろう。これに加えて日銀の財務内容に世界が注目する様になれば円は暴落だろう。時間の問題だと思う。

景気が良くなれば他国の中央銀行は利上げをし、バランスシートの縮小(FRBがやったように満期が来た金額分の再投資をしないという方法で)を始めるだろうが、日銀は債務超過になってしまうから出来ない。世界の中央銀行で日銀のみが出口がない。

何度も言うが、コロナ禍を克服し、景気が良くなると、日本はアウトなのだ。こんな情けない話はない。平時に借金を積み上げ、さらには異次元緩和で財政ファイナンスをしてしまった、それも両者とも、世界ダントツの規模で行ってきたツケである。黒田総裁は今頃、青い顔をされていると思う。 

2.「第3次補正予算」

第3次補正予算作成を本日、官邸が指示すると朝のニュースでやっていた。日銀が、すべての増発赤字国債を購入してしのげるのか?特に米国長期金利が再上昇を始めたこの時に赤字国債増発で大丈夫か?他国では、コロナ禍の財政出動の財源をどうするかの議論がいろいろなところで行われている。「デジタル産業、クリーンエネルギ産業を興し、そこから**ドルの税収増」とか、「VATの引き上げ」「VATの引き上げだけでは足りないから炭素税のような新税の導入}などの話だが、日本では、誰も、な~んにも考えていない。話題にさえしない。臨時国会でも、マスコミ報道でも皆無。大丈夫かこの国は? 

3.長期金利を中央銀行はコントロールできない

「お金ジャブジャブで最初は株や金とともに上昇する長期債価格は、やがてインフレ懸念の浸透で値が下がり始める(=長期金利上昇)」という現象は昔からよく見られた。「長期金利も中央銀行がコントロールできる」と考えるのは誤解もはなはだしい。長期金利を政策目標としている中央銀行は世界で日銀以外ない。コントロール出来るとは思っていないからだ。日銀も一般国民向けWEB ページ 「教えて日銀」の中で、昔はそう書いてあったのに、2016年だったか、突然「コントロール出来る」に変えた。長期金利を政策目標としてしまったから、そう変えざるを得なかったに過ぎない。

長期金利をコントロールするには、中央銀行が爆買いするしかない。他国中央銀行も国債購入を始めてはいるが、日銀ほどの滅茶苦茶ぶりではない。爆買いすれば「財政ファイナンス」と市場から見られ、中央銀行の信用、発行する通貨の信用が失墜してしまうことがわかっているからだ。