「『財務省による国債買い入れ償却』は無理筋」「『日本の財政はギリシャよりもよろしくない状況だ』の石破総理発言」「白川さんの発言を思い出す」他

2025年06月20日

(ここに述べる意見/分析は日本維新の会の公式見解でも分析でもありません

私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

 

1.「『財務省による国債買い入れ償却』は無理筋」

Bloomberg 記事による「財務省によると国債買い入れ償却について20日説明する」そうだ。

私のおぼろげな記憶によると、1990年半ば位まではこれができたが外圧(?)で無くなったように思う。

それまで我々入札資格者に配られていた紙の要項並びに官報には「期前返済が出来る」との一文が入っていたが、外資から「これでは安心して日本国債を保有できない」と言う強烈な外圧(?)が入り、その条文は削られたように記憶している。無料のプットオプションを発行者に与えているような市場は発行者と購入者の間で不公平であり、それでは外資は参入できないとのクレームだったように思う。こういう経緯を考えると入札時に期前償還ができると言う条文がないのに期前償還をすると面倒なことが起きないとも限らないのではないか?無料のプットオプションではなく、それなりの対価を払うのならばいいのかもしれないが、それだと政府が償却損を計上しなくてはならなくなる。そう簡単な話では無いように思うのだが。なお以上はうろ覚えの記憶に基づいている点はご注意を。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-06-19/SXXH2NDWX2PS00?srnd=cojp-v2

 

2.「ディープアンダーパー銘柄なら財務省によると国債買い入れ償却は可能か?」

「『財務省によると国債買い入れ償却』について、私のXに以下のリツイートをいただいた。

「今も物価連動国債を時価でバイバックしているので、そのフローに則れば大丈夫かと。また、ディープアンダーパー銘柄を買い取る前提に立てば、買取により償却益になりますね」

以下のように回答した。

「物価連動国債は変動金利債ですから償還に伴って、保有者にそれほど大きな損益が出るわけではありません。ディープアンダーパー銘柄を時価て強制償還をすれば保有者に大きな損失が生じます。国の都合で、それを行えば、国にはその損失を補填しなければならないでしょう。事前に期前償還ができると謳うっていないのですから。額面で事前償還をすれば無料のプットオプションを購入者に与えていたと同じで国に甚大な損失を与えます。せっかく超低金利で発行できたファンディングを金利の高いものに切り替えなければならないわけで、税金を国債保有者の損失補填に当てるのか、との大問題が生じてしまいます」。

 

3.「『日本の財政はギリシャよりもよろしくない状況だ』の石破総理発言」

私は、ヤジを飛ばすのは生理的に嫌いなので、ほとんどヤジを飛ばしたことがなのだが、水曜日はあまりにあまりなので、飛ばしてしまった。

参議院本会議での国民民主党議員の討論に対してである。「5月19日の参議院予算委員会では、同じ会派の浜野議員の質問に 対して、『日本の財政状況について、まちがいなく極めてよろしくない。ギリシャよりもよろしくない状況だ』と、石破総理が、国際的にも問題となるような答弁をいたしました」との発言に対し「事実だからしょうがないだろう!」とのヤジだ。

浜野議員が聞いてきたので答弁せざるを得ないのだが、「日本の財政はギリシャよりいい状況です」などと答弁をしたのなら、それこそ国際的にも問題となる。それなりの世界の知識人は、日本の財政が世界で格段に悪いのはいわば常識だからだ。知らなくてもGDP比の借金額を調べればすぐわかる、世界では対GDP比で財政状況を計るのは経済学的にも庶民感覚からも常識だから、財政赤字の状況といえば、すぐ対GDP比を見る。そこに世界ダントツで、悪い数字が出ているのに、「ギリシャより良い」とか「日本の財務状況は問題ない」などと時の首相が言えば、「日本はうそつき」と信用が地に落ちる。

ギリシャに最初の財政危機が起きたのは、自国の財政赤字の数字をごまかしていたことがばれたのが契機だった。国際間の数字に嘘はいけない。基本のキである。嘘をつけば国益を大いに損なう結果となる。

 

4,「白川さんの発言を思い出す」

朝日新聞編集委員の原真人さんが内田真一副総裁の今月7日の日本金融学会での講演に触れた。(6月18日朝日新聞)

「異次元緩和が財政ファイナンスだと疑われていることについて、次のように述べた。『金融政策目的で財政ファイナンスではない、と言うだけで完結するとは思っていない。出口を含め全プロセスにおいて適切な金融政策を行い、財政状況への配慮によって曲げることがないという『結果』が必要だ』」――>まさに白川前日銀総裁が退任の記者会見(?)で「異次元緩和は、出口をキチンと出られてから評価が決まる」とおっしゃったことを思い出す。当時、日銀の独立性を守り切れなかった悔しさが表れているなと思ったのと同時に、白川氏は、「異次元緩和が財政ファイナンスであり、大変な弊害をもたらすことをお分かりだな」と、当時思ったものだ。

又原さんの論考では「「日銀はこれまでのところ、円安による物価高を放置しているとしか思えないような緩慢なスピードでしか利上げができていない。保有国債の削減も10年がかりだと思われる」――>まさにその通りなのだ。繰り返すが、私は自身の巨額な債務超過の発生と金融住ステム機器の発生を怖がっているせいだと思っている。

https://www.asahi.com/articles/AST6K4SF2T6KULFA026M.html?iref=pc_ss_date_article