「アヘン戦争に敗れた清国の滅亡を教訓とせよ」「オリンピックの赤字は誰が負担する?」他

2021年07月21日

1.「ポピュリズム政治」

先日、新メディア「サキシル」に安倍晋三元総理の燕三条での講演は「財政法5条違反を認めた」ともに、「円暴落のきっかけとなりうる軽率」発言だと論じた。この講演に関しては、他の方がtwitterに上げていて、それに対して、高橋洋一氏が「この安倍さんの説明は完璧。マスコミはこれをしっかり報じたほうがいい。Zやその御用のデタラメ説明をたれながすのは害悪だよ」と書き込んでいると教えてくれた人がいる。なんと、それに対して2421回の「いいね」が押されているのだ。ポピュリズム政治もここに至れり。嫌になる。

https://sakisiru.jp/6299

 

2.「アヘン戦争に敗れた清国の滅亡を教訓とせよ」

先日、新メディア「サキシル」での安倍晋三元総理の燕三条での講演に対する批判で「安倍元首相が、「財政ファイナンスの二大副作用はインフレと円の暴落だ。しかし両方ともまだ起きていない。だから、もう1回か2回、大型財政出動をしましょう」との発言は「青酸カリを飲んでもまだ死んでいない。だからもっと飲みましょうという発言と同じだ」と書いたが、ある金融マンOBが「藤巻さん、青酸カリというよ、麻薬に例えて方がいいよ」と忠告してくれた、麻薬は飲んでいるときは、たいへん気持ちがいい。しかし、必ずや廃人に追いやる。財政ファイナンスは、まさに麻薬だ。今、株もあがり、現金もばらまかれ、こんなに心地よい状況はない。しかしのちに必ずやハイパーインフレという地獄が来るのは歴史の教えだ」確かに!!

アヘン戦争で英国に敗れた清国の教訓に学ぶべきだ。当時、アヘンに手を出さなかった日本は独立を保てた。今回、財政ファイナンスという一時の快楽に身をゆだねた日本は、市場の暴力(=実際は人災)によって地獄を見ることになるのだろう。

 

3.「オリンピックの赤字は誰が負担する?」

一昨日の日経新聞夕刊に載っていた米紙ワシントン・ポスト(電子版)記事。日本のマスコミは、オリンピック前の熱気を冷やしたくないせいか、開会前には、あまり取り上げないが、米誌はさすが、痛いところを突いてくる。ワシントン・ポストいわく「納税者の負担となる膨大な請求書を見るにつけ『東京都民はなぜ、誰のためにこの犠牲を払うのかを自問自答している』と言及した」

オリンピック招致に立候補した国は、2004年アテネの時は11か国、2012年ロンドンで9か国、2020年東京で5か国、2024年パリで2か国とどんどん減ってきている。2026年冬季オリンピックではカルガリーの住民は、五輪招致を圧倒的多数で否決した。アテネ大会では国家の体力を無視したオリンピック関連のインフラ整備が国家破綻のきっかけになったと言われている。コロナ禍もあり、今回の東京オリンピックでは、無観客等もあり、赤字額は想定以上の額となるだろう。

これらを考えれば、ワシントン・ポストの記事は的を得ている。オリンピックのお祭り騒ぎが終われば(今回はお祭り騒ぎになるかわからないが)、赤字が問題となってくるのだろう。オリンピック鑑賞のために我々はいくら払うことになるのだろう、と。都公共交通機関の値上げか、水道料金の値上げか、固定資産税の規定一杯までの値上げか?それともコロナ対策費の削減か?IOCと都と国の赤字の押し付け合いが始まっているそうだから、国の借金の増加で解消か?また国が財政ファイナンスで紙幣を刷ればいいとでも思っているのだろうか?それで済むなら、経済効果を狙って全世界中がオリンピック招致に立候補だ。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO74004610Z10C21A7EAF000/

 

4,「他国も財政ファイナンスをやっている論」に対して

今朝以下のリツイートが私のtwitterに来た。「今回の日銀引き受けについては当時の内閣官房参与、高橋洋一氏が解説されていますね。平時にMMT信者が言うように、それを無限にやるとハイパーインフレなどが起こるが、今のコロナ禍においては、有効で他の先進国も同様のスキームで金を出していると。だから現状、円安にも株安にもなっていない」

私の回答は以下の通り「「サキシル」の最後に書いたとおり、日銀は発行国債の50%以上を買い占めているのに対しFRBはせいぜい20%+で次元が違います。日銀に比べて、まだたいしてやっていない米国ではかなり財政ファイナンス危機説が出ています。ドル危機説を説く学者の大半は過大な財政ファイナンスを理由としています」

https://sakisiru.jp/6299

 

.「日銀業務逸脱(日銀:気候変動対策に資金供給)」

日銀が「気候変動対策に資金供給する」ことに関して、先日SNSに「黒田さんは日銀総裁であって、財務省事務次官ではないはずだ」と書いたが、原朝日新聞編集委員も同じ意見のようで、黒田総裁に鋭い質問をしてくださった。

この記事によると「日銀の事務方は最後まで抵抗」と関係者が明かしたそうだ。よかった!少なくとも日銀事務方には中央銀行マンとしての常識と矜持が残っていた。

記事で原編集委員いわく「その観点からすれば、気候変動対策に日銀が資金供給することは『政策金融』の仕事に近く、財政に分類されてもおかしくない。これまでの日銀の仕事の枠を大きくはみ出しているのだ。実は、日銀内でこの方針が検討される過程で、日銀の事務方は最後まで抵抗したという。関係者はそう明かす」

また原記者が総裁に質問したという以下の点は、ずばりその通りだと思う。

「今回、日銀が気候変動をテーマに資金供給する理由にあげたもの、たとえば『将来にわたって広範な影響を及ぼしうるグローバルな課題』ということでいえば、格差、感染症、女性活躍、人口減少などあらゆるテーマが当てはまり(金融政策が)できてしまう。小さな一歩かもしれないが、日銀が政策金融に踏み出す大きな一歩になってしまわないか?」

以下、本質を突いたいい記事だ。

「脱炭素は中央銀行の仕事なのか 日銀の気候変動対策支援(会見後解説)」

https://digital.asahi.com/articles/ASP7J76W9P7JULZU00M.html?iref=pc_ss_date_article

「気候変動対策に資金供給 新「カジノ」に手を貸す日銀(会見前見どころ解説)」

https://digital.asahi.com/articles/ASP7J452LP7JULZU00J.html?iref=pc_ss_date_article

日銀は、「異次元緩和からの出口」問題に専念すべし!出口があるいのならば、の話だが。

 

6「粗大ゴミ」

土・日のテニス、暑いので2ゲームずつしなかったのに、一昨日から、ぎっくり腰的な腰痛で、極めて不快。今日はゴミ出し日。ヨタヨタと出しに行ったら、「粗大ゴミ、出せなくなったら、あなた自身が粗大ゴミ」と家内がのたまった。