「米金利に控える上昇圧力 中曽宏氏」「巨大な政策の巻き戻し(貨幣・国債の回収)が必要」他

2021年09月10日

1.「米金利に控える上昇圧力 中曽宏氏」

本日の日経新聞「エコノミスト360°視点」さすが前日銀副総裁の中曾さん。きわめてロジカルな考察。米国市場の短期・長期金利の年内の上昇圧力を予想、その理由を丁寧に書かれている。素人の方には少し難しいかもしれないが、プロなら即、理解すべき内容。私が現役なら、部下に読ませて、(予想が当たる、外れるは別として)そのロジックを理解出来なかったら「勉強不足」と怒鳴りつけていただろう。モルガン時代なら、こういう論考が出ても、それでも米長期債を買いたければ、会長はじめNY幹部をロジカルに説得出来なかったら、いくらポジションに枠があっても買えなかった。しかし、それはそれとして、その米国金利に上昇圧力が具現化したら、中曾さんの出身母体の日銀は生存可能なんですかね?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD061HE0W1A900C2000000/

 

2.「巨大な政策の巻き戻し(貨幣・国債の回収)が必要」

本日の日経新聞「経済教室」。「全面的に賛成」という論考ではないのだが、以下の記述は、まさにその通り。「膨大な貨幣・国債の供給は、いつかその強い需要が崩れたとき、巨大な政策の巻き戻し(貨幣・国債の回収)を必要とする」黒田日銀は、異次元緩和でその手法をすべて失ってしまっている。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD011SL0R00C21A9000000/

 

3「櫻川教授は立派な先生」

昨日「櫻川慶応教授でさえ『日銀の出口は保有国債を外国政府に売ること』くらいしか思いつかない」と書いたら、以下のコメントをいただいた。その他FB ,twitterに同じようなコメントを何通かいただいた。「まあ学者はリスクテーカーではないですから、結果が出てからしか見えない集団ですね。LTCMの破綻を見ればノーベル経済学賞の学者がいても、屁の突っ張りにもなりません(笑)」このコメントは本意ではなかったので、以下、誤解を解くため、返信をさせていただいた。「櫻川先生は立派な先生だと思います。申し上げたいのは、あれほどの先生でも、本当に出口と言えるような出口は思いつかないという点。(きっと『出口なし』と書くと私のように『過激な人』と言われるリスクを避け『なんとか考えうる出口を書いてくださいよ』と編集部に懇願されたか、ご自身で『ないよな~』と思いながら、可能なものを頭をふり絞って(無理を承知で)書かれたのではないか?と思っています)。それ程、日銀には出口が無い、どうしようもない状態だ、ということです」

 

4「日本は社会主義国家だったから敗退」

昨日、私のtwitter に以下のコメントをいただいた。「日銀に出口戦略なんていらんやろ。国が株を買いまくって、莫大な配当金を自動化で得るって、企業そのものから法人税とるよりよっぽど取りっぱぐれないとワイは思うぞ」

私の回答は以下の通り。「社会主義国家が大好きなのですね。社会主義国家が資本主義国家に負けるのは歴史が証明しています。日本は世界一の社会主義国家だから敗退。日本には真の資本主義が必要です」

 

5「外国人部下が皆言っていた『日本は社会主義国家』」

昨日、私のtwitter に以下のコメントをいただいた。「【元参議院議員が警告】 ・日本は社会主義の国になった可能性がある ・社会主義的な政策を行うと国の経済は成長しない ・過去20年間で米国の名目平均年収は約8割、ドイツやフランスは約5割増えたが、日本は逆に5%減少した」私の回答は以下の通り。「日本が社会主義国家だとは私も思いますが、私だけが言っているわけではありません。私がモルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)の在日代表兼東京支店長だった頃、私の部下の欧米人が、ほぼ全員、同じことを言って帰国していきました。日本に赴任、生活、働いた後の実感です。『世界で最も成功した社会主義国家』から、『やっぱり駄目だった社会主義』を証明しつつある国だと思います」」

 

6.「社会主義国に行ったことないのか?」

参議院議員だったころ、後ろで同僚議員の「私、いろんな国を訪問したけど、社会主義国家にはいったことないのよね~」との会話が聞こえたので、思わず、「毎日、暮らしているじゃないですか?」と茶々を入れようかと思ったことがある。

 

7.「ラクダの背中に載せる最後の藁1本になるか?」

昨日、私のtwitter に以下のコメントをいただいた。「今回の総裁選はその切迫感が透けて見える展開だと思います。高市さんや岸田さんが出しておられる経済政策は、前に藤巻先生が書いておられた『フタコブラクダの背中に載せられる最後の藁』の話になっていると思います」

私の返信は以下の通り。「おっしゃる通りです。藁(わら)を1本ずつ積んでいくと、それまで折れなかったラクダの背骨が、非常に軽い藁1本で折れてしまうのです」

 

8.「$MMF は大丈夫か?」

昨日、私のtwitter に以下の質問をいただいた。「可能であれば、教えてください。 投資は自己責任ですが、米国MMFは今後リスクが高まっていくものなのでしょうか。 米債務上限復活、マネーの洪水に拍車 MMF窮地に:日本経済新聞」

私の回答は以下の通り。「運用が困っているのは事実のようですが、投資先の倒産リスク等ではありません。利回りの問題です。(後で書きますが、本日の元日銀副総裁も書いていますが、年内には米短期金利も上昇の可能性大)。米国人は預金よりもMMF に多くお金を置きます。日本人にとっての円預金と同じような存在の商品です」