「ドル/円爆騰予想の理由」「ばらまいたドルの回収でドルの流動性が低下」他

2022年05月03日

1.「ドル/円爆騰予想の理由」

何度も言う。ドル/円に関してこんなにわかりやすい相場は私の長いマーケット経験でも初めてだ。朝日新聞でも述べたが、①経常赤字が常態化しそうなこと。②日米金利差が開くこと。③そして最大の理由は3日~4日からのFOMCで決まるであろう「ばらまいたドルの回収」開始だ。じわじわと、そして強烈なドル争奪戦が始まると思う。

このお金の回収の影響を私はディーラーとして見たことがない。なぜならば、世界中が大なり小なり財政ファイナンス(中央銀行の政府への信用供与)でこれほど大規模にお金をばらまいたことなどかって無いからだ(日銀はその中でも別格にばらまいた)。ばらまいたことなどないから回収も初めてだ(正確に言うと2015年から18年にかけて国債満期待ちで穏やかに回収したことはある)だから、その影響は経験上はわからないのだが、すさまじいものだと想像する。1979年のボルカーのサタデイスペシャル時も、インフレ鎮静化のために、ばらまかれ過ぎたお金の回収を主たる政策目標とした。それで10年金利20%、FF レート24%が出現しだ。今回のお金のばらまき方は当時の比ではない。一方、日銀は金利を引き上げられないどころかお金の回収も出来ない。お金の引き上げを開始すれば国債未達が発生するだろう。財政が一巻の終わりとなってしまう。以上がドル/円爆騰予想の理由。

財政赤字を放置し、異次元緩和で危機を先送りし、さらにはMMT論者、積極財政派、「頭語政府で考えれば財政は大丈夫」派が膿を極大化させた。そのツケは途方もなく大きい。

 

2.「ばらまいたドルの回収でドルの流動性が低下」

ばらまいたドルの回収の衝撃の大きさに警告を鳴らしているのは私だけではないようだ。昨日のブルムバーグニュース曰く「ECBと国際通貨基金(IMF)での勤務経験があるナティクシスのアジア太平洋チーフエコノミスト、アリシア・ガルシア・へレロ氏は『これは世界にとって深刻な金融ショックだ。(資産購入の)テーパリング(段階的縮小)の結果、ドルの流動性が低下し、ドル相場が値上がりする状況が既に起きている』と指摘した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-02/RB890IT0AFB401?srnd=cojp-v2

 

「資産圧縮の規模と予想される軌道は、金融政策の歴史にとって初めての経験」

同じくブルムバーグ曰く今回の連邦準備制度によるバランスシート圧縮は2017年の約2倍のペースで進められる見通しだ。ギャブカルのポートフォリオマネジャー、ディディエ・ダルセ氏によれば、資産圧縮の規模と予想される軌道は、金融政策の歴史にとって初めての経験となる」

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-05-02/RB890IT0AFB401?srnd=cojp-v2

 

4.「日本の生保のヘッジ付きドル債投資」

日本の生保が「米国の金融引き締めによって為替ヘッジコストが上昇しているためヘッジ付き米国債投資を回避し始めた」とのニュースが所々で出ている。

ヘッジ付きの米国債投資は購入用のドル買いとドルの先物売りがセットだから為替にはニュートラルだ。したがって辞めても為替にはニュートラルだ。しかし、米国債市場の大きな買い手である日本生保の米国債市場撤退はドル金利上昇(=価格低下)の1つの大きな理由となる。

5.「TMV(債券ベアファンド)年初来84%P」

先ほど以下のリツイートが来た。「ご推奨のTMV爆上げ中。ありがとうございます」私の回答は以下の通り。

「そうですね。年初来 84% UPですね。良かったです」。