「バラマキ政治家に投票してきたことが、今後の惨状」「ラジオの出演番組」「しばらくお休み」他

2022年05月08日

1.「しばらくお休み」

「本の執筆に集中するため」を主たる理由とし、その他もろもろの事情により、明日より1か月間、SNS を休止又は頻度を極端に落とす予定です。書かなければいても立っていられないようなニュースが出れば別ですが。

なお、選挙に出るためではありませんから誤解ないように。選挙はもうこりごりです。では、1か月後に。

 

2.「円安は望ましいか?」

池田信夫先生からFB に以下のコメントをいただいた。「黒田さんは為替のプロなので、130円台までの円安はむしろ望むところでしょう。スピードさえ調節できれば、株価は上がる。輸入インフレで所得は逆分配になるが、長期的には「インフレ税」は金融資産への一括課税なので所得分配は公平になり、将来世代の社会保障負担は減る。藤巻さんも「1ドル=200円で日本経済はよみがえる」とおっしゃるように、円安は必ずしも悪いことではないと思います」

私の返信は以下の通り

「平時には、為替は経済の自動安定装置として、最高の武器です。景気が弱いと通貨が弱くなり国際競争力を高めます。その結果、景気が良くなり通貨高に戻っていく。一方、景気が強すぎる(=インフレになる)と、通貨高になりますが、それが国際競争力を弱め、景気を冷やしインフレを抑制させます。よく日本の政治家は「為替は安定した方がいい」と言いますが、違います。為替は国力に応じて変動すべきなのです。個別企業は先物、オプション等を使ってヘッジし、衝撃を減らせばいいのです。日本は国力が弱っていたのに通貨が強いままだったので国債競争力を回復できず、GDPが伸びず国力を落としてしまいました。以上は、平時の時の話です。「1ドル=200円で日本経済はよみがえる」を書いた時は、財政状況がギリギリ、まだ平時と言える段階だったからの話です。「(財政が悪化しているので)薄氷の上を歩くような細い道ではあるが」と断っていたと思います。

日本の場合、平時にばらまきすぎて、財政を悪化させてしまいました。その危機先送りのため財政ファイナンスをしたせいで、日銀が危機状態です。この状態で円安が起きると物価上昇しますが、日銀がそれを抑える手段がなく、インフレが加速していきます。又日銀が利上げすれば日銀の債務超過で即ハイーインフレです。政策的な大チョンボをやってしまった後なので、強力な経済の安定装置の為替がワークしなくなってしまったのです。以上、今、日本で円安が進むと危険な理由です。

 

3.「為替は難しかった。しかし、今は簡単」

池田信夫先生は黒田日銀を為替のプロとおっしゃっていましたが、私は、為替のプロだとは思いません。為替の研究をされていただけです。実は私も為替のプロと巴言いきれません。少なくとも為替トレーダーではありません。プロップトレーダーで、いわばヘッジファンドのグローバルマクロです。為替、株、金利なんでも好きな金融商品で勝負出来ました、もっとも一番儲けたのは金利スワップ、為替スワップ、JGB 先物、JGB 先物オプション、イールドカーブスワップ等の金融商品で、為替は難しかった。しかし、今は簡単。こんなに為替のマーケット予想が楽な時代はありません。

 

4.「米政権にインフレの逆風 中間選挙まで半年、支持率低迷」

FRB 金利引き上げで景気が停滞し、米国の金融引き締めは穏やかになる。したがってドル高円安の進行はとまるだろう」とコメントする人がいる。分析であり希望に過ぎない。FRB は、景気低迷を犠牲にしてでもインフレ抑制を優先する。1979年のボルカーのサタデイナイトスペシャルがそのいい例だ。お金がじゃぶじゃぶだからと資金の回収を最優先した(注:今の方がはるかにジャブジャブ)。だから政策金利(FF レート)が24%まで上昇しても(注:10年物金利は20%まで上昇)金融引き締めを断固、実行した。当然景気は急低下したが、ボルカー議長は躊躇しなかった。景気低迷は一時的だが、悪性インフレは経済を壊滅的に壊しその後長年、経済が低迷するからだ。日本がバブル抑制(インフレではなく資産インフレだったが)に失敗し、30年を失ったことからもわかる。

特に米国は今、インフレ抑制が至上命題だ。中間選挙を控えたバイデン政権も金融引き締めに賛成だろう。日本はとんでもなく円安が進み、ハイパーインフレに襲われることになるだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN043W70U2A500C2000000/

 

5「バラマキ政治家に投票してきたことが、今後の惨状」

2018年8月25日にお亡くなりになられた一橋大学元学長、政府税調元会長で財政学の専門だった石弘光先生のお言葉を思い出す。「日本の政治家は、歳出カットでは選挙に立ち向かえないけど、ドイツはできるんですよ。くだらない歳出は、財政赤字が増えてインフレになると思うからね。外国に行って調査すると、その辺りがすごく違うと思うね」

 

6.「ラジオの出演番組」

5月14日にラジオで15分ほど私の為替についてのコメントが流れます。5月6日に収録しましたので、多少の予想の通信簿になってしまいますが(苦笑い)。為替の見方は録音した6日と14日で変わっているとは全く思いません。お時間のある方はよろしくお願いします。以下ラジオの詳細。

ニッポン放送(AM1242 FM93)関東ローカル

タイトル:「渡邉美樹5年後の夢を語ろう!」 毎週土曜日16時20分〜16時50分

パーソナリティ:渡邉美樹、テリー伊藤

番組HP:https://www.1242.com/yume5/

放送日時:5月14日(土)

 

7「私の危惧」

昨日、私のフェースブックに以下のお言葉をいただいた。ありがとうございました。

「藤巻先生が国会議員時代(正確にはそれ以前から)に危惧していた事そのままになっていますね。面白い様にそのままに。当時の安倍さん麻生さんのニヤけてバカにした様な答弁が思い出されます。無知なのか分かっていてとぼけてたのかは不明ですが。あの頃の動画をテレビで流して欲しい。まあ、これだけの円安が進んでも無関心な国民性だから視聴率はとれないでしょうね😅」

確かに国会議員時代には無視され続けてきましたからね。過激だとか言われて。日銀が行っていることが、伝統的金融論に立脚してマーケットに参加してきた私のような人間にとっては、黒田日銀の行動があまりに過激すぎて、私の予測が過激になってくるのもしょうがないと思うのですが。それから日本では素人と実務経験者の発言を同等に扱うことが多いと思います(SNSの発展のせいかもしれません、昔は新聞、専門誌がスクリーニングして素人の意見が広く流れることは無かった)