(明日発売の文藝春秋)(バフェット氏の考え方と同じ?)(「政府が物価対策を充分、行っていないから不信任」って何それ?)

2022年06月09日

1.(明日発売の文藝春秋)

昨日、1か月間の米国滞在から帰国しました。滞在しいろいろ見聞きして、米国人の友人等とも話して、「やはりドル円はうわっぱねる」と確信いたしました。滞在中に本の執筆は終わり、もうすぐ出版です。また明日、文藝春秋に私の為替に関する論考が雑誌、デジタルともに載ります。5月上旬の渡米直後のインタビューでしたが、コメントは今も全く変わっておりません。

 

2.(バフェット氏の考え方と同じ?)

今、世界で最も魅力的なのは、(超低金利の)円債で長期資金調達、即ドルに交換。為替ヘッジ無で放置。満期には、ドルをド弱くなった円に変換し、円貨で元本を返済。出来上がりは、相当なマイナス金利の資金調達となるだろう。過去のバフェット氏の2度の調達の時に何度か書いた通り、彼の目的は、日本株投資ではなく、この仕組みで世界で最も魅力的な資金調達を行うことだったろう。世界中の投資家がこの手段で資金調達を始めたら、日銀がいくら頑張っても円の長期金利は上昇する。中央銀行には長期金利をコントロールする能力がないのは以前の金融界では常識。

 

3,「政府が物価対策を充分、行っていないから不信任」って何それ?

元来、インフレを抑えるのは中央銀行の役割だし、中央銀行でしか出来ない。政府を責めるのは筋違い。

米国では「共和党はARP(1兆9000億ドル規模の追加経済対策)が40年ぶりの高インフレの一因になったとして、政府を批判している」(ブルムバーグニュース)。またバイデン大統領も「FRBにインフレ抑制に頑張れ」とエールを送り、そのために政府は財政を可能な限り絞ってFRBに協力すると表明している。

一方の日本、物価抑制のために政府が前面に出て、それも「給付金」を出して対処するという。財政を拡大するというのだ。逆だろう。インフレを加速させるだけ。米国のように、財政を絞るのが政府が中央銀行に対して出来る最大の協力だ。

「ばらまけ、ばらまけ」と財政悪化政策を主張する野党が「政府が物価対策をきちんと行っていない」と内閣不信任案を提出する」のは滑稽でしかない、というか経済・金融が全くわかっていない。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-07/RD4AMFDWLU6801?srnd=cojp-v2