「戦時国債の苦い記憶」「FRB  11月、12月も0.75%上げの可能性」「『不幸中の不幸』」他

2022年09月18日

1.「戦時国債の苦い記憶」

本日の日経新聞「風見鶏」。日経新聞もついに戦時国債に触れた。私が主張してきた内容そのものだ。MMT論者、財政拡大論所、統合政府で考えれば大丈夫」論者はこの事実に反論できるのか?この論考は防衛費増の問題に焦点を当てているが、より重要なのは、インフラ整備、社会保障費のバラマキだ。もちろんこれらも多い方がいいに決まっているが、それを求めるのなら高い消費税率が不可欠になる。政府と言えども無い袖は触れない。無い袖を振れば踏み倒し(=ハイパーインフレ)が不可避になることが「戦時国債」の結果を見ればわかる。昨今の国際情勢を考えれば、他の歳出を削ってでも防衛費は増額すべきだと私は考える。国の最大の責務は「国民の命と財産を守る」こと。共産主義国家でないのなら、国の最大責務は「格差是正」ではない。もちろん真に困っている人のためセーフテーネットの確立は重要、「国民の命と財産」を守ることが、国の最大の責務だからだ。

日経新聞いわく「政府内の資料などを読み解くと当時の日本の対応は世界でも異質だったとわかる。ひとつは戦費の調達で公債と借入金に過度な依存をした点だ。(中略)もうひとつが日銀による引き受けだ。37~45年度に出した新規国債の総額は1300億円ほど。3分の2を日銀が直接引き受けた(中略)一連の対応は大戦後の日本でハイパーインフレの引き金となる」「財務省内にも『戦時国債をほぼ紙くずに変えた事実上の踏み倒しの歩み』との見方がある」「財務省には戦時国債の踏み倒しで国民を裏切った苦い経験がある。だから法律で日銀による国債の直接引き受けを禁じた」(以上日経新聞「風見鶏」)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA112AQ0R10C22A9000000/

 

2.「FRB  11月、12月も0.75%上げの可能性」

9月15日の日経新聞夕刊「ウォ―ル街 ラウンドアップ」曰く「ところがインフレ率の高止まりを受けて市場では新たな思惑が浮上している。FRBが9月に続き、11月や12月の会合でも0.75%利上げに踏み切るシナリオだ」もし、本当にこうなれば米10年金利もドル円もうわっぱねるだろう。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64345640V10C22A9ENI000/

 

3,「『不幸中の不幸』」

9月16日の日経新聞いわく「(22日に)世界の中銀が金融引き締めに動く中で日銀だけが現状維持となれば、円相場が一段と下落する可能性も意識されている」「『注目が高い日米に、脱マイナス金利のスイス。英国まで同じ日に重なるとは』。ある市場参加者は『不幸中の不幸ですね』とため息をつく」

たしかに世界の投資家が日銀の異常さに気が付くかもしれない。「不幸中の不幸」とはよく言ったものだ。ドル/円、うわっぱねの契機になるのかも?

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64377890V10C22A9ENG000/

 

4.「145円が防衛ラインとの認識を市場が持ってしまった弊害」

レートチャックなどにより「145円が防衛ライン」との認識を市場がより明確に持ってしまった。この意味するところは「145円の防衛ラインを破られるとドル高/円安が馬車道を走るが如く進む可能性がある」ということ。ファンダメンタルズを考えれば145円を超えてドル高が進むのは時間の問題。レートチャックをしたのは間違いだった」と私は思う。9月15日の日経新聞には「介入準備 苦渋の選択」いわく「市場関係者は「145円の節目を突破するとどんどん円安が進む可能性があり、危機感が高まっていた」とあるが「145円の節目を突破するとどんどん円安が進む可能性を高めた」と思う。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA147QM0U2A910C2000000/

 

5.「金襟は少ししか上げられない。少しの金利上げでは円安は止まらない」

9月15日の日経新聞には「黒田東彦総裁は前回7月の決定会合後の記者会見で「『少し金利を上げても円安が止まることは到底考えられない』と述べ」とあるが、黒田総裁が、もし正しく発言するのなら「日銀の債務超過による日銀の信用失墜、円の紙くず化を回避するには。ほんの少ししか金利を上げられないが、少ししか金利は上げられないが少し金利を上げても円安が止まることは到底考えられない」だろう。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA147QM0U2A910C2000000/