「地銀の国内債含み損1.4兆円 3カ月で倍増、金利上昇響く」「地銀と日銀、どちらが危ないか?」「日銀は短期金利を上げられない」他

2023年02月15日

1.「地銀の国内債含み損1.4兆円 3カ月で倍増、金利上昇響く」

2022年12月末時点の地銀の国内債含み損は1.4兆円。長期金利を0.25%上げただけで、この膨らみようだ。YCC 放棄で長期金利をさらに上げたら、地銀の倒産続出で、金融システムに危機発生の可能性ありだ。長期金利を上げたら日銀自身だけでなく地銀も危なくなるということ。黒田日銀総裁が、この物価高でも頑として長期金利を抑えている(=大金融緩和継続)の理由だ。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1459W0U3A210C2000000/

 

2.「地銀と日銀、どちらが危ないか?」

ところで、これ以上長期金利が上昇すると破綻リスクが出てくる地銀全体の国債保有残高は17兆円、地方債19兆円と計36兆円。一方、日銀の保有額は561兆円(ともに11月末)。含み損がとてつもなくでかく、さらに評価損が爆増していく可能性があり、日本で一番危ない金融機関が日銀だ。

3,「日銀は短期金利を上げられない」

世界各国の中央銀行がインフレ対応で政策金利を上げている。長期金利をも政策目標としている中央銀行など世界で日銀だけだから世界各国の中央銀行は短期金利を上げているということ。かなり上げても決算は黒字だ。しかし日銀は0.3%ほど短期金利を上げると、損の垂れ流しが始まる。とんでもない中央銀行だ。異次元に劣悪な財務状況。そんな中央銀行を世界の人は信用しない。

 

4.「植田日銀、10年緩和の出口担う 市場のゆがみ限界に」

本日の日経新聞1面トップ記事。タイトルは「市場のゆがみ限界に」ではなく「日銀のゆがみ限界に」だと思うけどな。異次元緩和の最大の副作用は、日銀と円の信用失墜。中央銀行のとっかえ。https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB110YO0R10C23A2000000/

5,「『日米金利差縮小で円高』などという甘っちょろい次元ではもはやない」

「日銀がYCCを放棄するから日米金利差拡大で円高・ドル高だ」との説を散見するが、『日米金利差縮小で円高』などという甘っちょろい次元ではもはやない。日銀崩壊で円暴落、その結果、支える機関がなくなった国債も暴落という順だ。日本売り(=円、国債、株のトリプル安)だ。つい先日、英国トラス政権を市場が暴力で倒したのと同じ現象だ。英国はBOEの財務状況、財務状態が、日本より段違いに良かったから政策の軌道修正で市場は鎮静化したが、日本には政策変更の余地もない。

 

6.「会計検査院検査官候補」

今朝の新聞で、日銀総裁と同時に国会の同意人事リスト案の中に、会計検査院検査官候補として、挽文子一橋大学院教授、情報公開・個人情報保護審査会委員候補として勝丸千晶さんの名が挙がっているのを見つけた。ご両人とも一橋大学岡本ゼミの後輩でよく存じ上げている。勝丸千晶さんは四国公認会計士協会元会長、旦那様は高松高検検事長や広島高検検事長を歴任したヤメ検弁護士だ。まさにお二人とも適任。一橋大学岡本ゼミ女性陣大活躍だ。私の頃はゼミはもちろん、学年全体で女性は23名しかいなかった。現役で受かった高校の同級生の女性に話しかける時は、男子学生に囲まれた円の外側から、つま先立ちで「オ~イ」と声をかけなければ話など出来なかった。一橋大への女性進出はすさまじい。とてもいいことだ。