「中央銀行を政府から独立(=統合政府の解体)させた理由」「米国のインフレは収まったか?」他

2023年05月13日

1.「米国のインフレは収まったか?」

今朝以下のリツイートを私のtwitterにいただいた。

「予想を上回りドルが上昇しました。インフレの第2波が始まった可能性はありますか?」

以下の通り回答した。

「1980年お金がじゃぶじゃぶでちっともインフレが終息しないのでボルカー議長は金利のコントロールではなくお金の回収に政策目標を変えました(ボルカーのサタデイナイトスペシャルという)。そのせいで長期金利20%、短期金利24%まで上昇しました。米国はあの当時より更にお金をばらまいています。お金を回収し終わらなければインフレなど鎮静化しないと思ってます。ボルカーは失業率悪化、景気悪化等の非難にもめげずお金回収に固着しました。その非難どおりのことが起きましたが、その後の(90年代の)米国の繁栄は彼のおかげと言われています。なお今日の日本は米国と比較にならないほどお金をばらまいています。インフレ抑制手段を失ってしまった日銀の命運は火を見るより明らかだと思っています。

 

2「中央銀行を政府から独立(=統合政府の解体)させた理由」

今朝以下のリツイートを私のtwitterにいただいた。

「財政に困って通貨発行に頼った国は必ず破綻かハイパーインフレになるよ? だって政治家が無能だから通貨発行に頼るしか無くなってるんだから」

以下の通り回答した。

「おっしゃる通りですが政治家が無能でなくてもそうなりがちです。過剰な財政支出には増税か紙幣を新しく刷って賄うしかありません。政治家は票を失くないので増税を好まず、どうしても後者に頼りがちになります。それでは通貨値が棄損し、ハイパーインフレになってしまううと中央銀行を独立させ政治家の手から通貨発行権をもぎ取ったのです。(=統合政府の解体)西南戦争後に日銀を作ったのもその理由です。それを黒田日銀は逆に財政ファイナンス(=統合政府論の実践)を実施し、紙幣を刷ることによって国の歳出を賄うという先祖がえりをしたのです。ハイパーインフレ必至です」

 

3,「米国は自ら国債発行上限を定めて財政規律を守ろうとしている」

一昨日、以下のリツイートを私のtwitterにいただいた。

「ドルがデフォルト危機とのニュースがありました。どのように分析されますか?」

以下のように回答した。

「米国国債発行額が上限に達したというのは、まさに年中行事(と言うと少し言い過ぎかも、数年ごとに繰り返されている)。それより重要な点は米国はこのように国債発行額の上限を自ら定めて財政規律を守ろうとしている点。日本のようにいくらでも好き勝手に国債発行できる国より100倍まとも」