「『統合政府で考えると財政は健全だ』はインチキ」

2024年01月31日

(ここに述べる意見/分析は私が所属する政党の公式見解でも分析でもありません。私の個人的見解・分析であることをご理解ください)

最近、池田信夫氏が高橋洋一氏が述べる「統合政府のバランスシート」をインチキだとX に書いたことに関し以下のようなリツイートが私のX にきた。なお、高橋氏の作るバランスシートは「バランスしていないのにバランスシートとはなんだ?」との批判が多い。その批判も正当、

私のX に来たリツイートは以下の通り。

「インチキとか言ってるからそうじゃないだろと言っただけ。

ただ統合政府だと債務は金利も含め相殺されるんじゃ無いの?」

以下のように返信した。

「以下の図は、高橋洋一氏が『統合政府で考えれば財政は健全』論を言い始めた頃、講演会等で「違う!」との説明に使っていた略図。(日銀当座預金が329兆円であるが、現在は500兆円越え。すさまじい勢いの量的緩和継続)。

政府の負債と日銀の資産が統合されれば、残るのは政府の資産と日銀の負債なのに高橋氏の図では統合政府の負債から「日銀当座預金」は消えて無くなってしまった。

この表を見るとわかるようにせっかく政府が長期債で資金調達をしているのに、統合政府(日銀を政府の1部局にしてしまう)では、政府の負債は国債ではなく、日銀当座預金となり、金利上昇期に極めて脆弱な体質となってしまう(=住宅ローンを金利上昇期に固定金利型ではなく変動金利型で借り続けるようなもの)。

今、日銀がやっている異次元緩和は、この財政ファイナンスそのもの。英語ではマネタイゼーションと言うが、それは国債という負債を(財政ファイナンスを行うと)日銀当座預金というマネーに変えることから、そう命名されている。

統合政府論とは、日銀を政府の1部局であるべきとした考え方で、中央銀行を政府から独立させる前の時代に逆戻りせよとの主張。

中央銀行が政府内になると政治家が、歳出を税金ではなく紙幣を刷る(=日銀当座預金増を含む)という安易な方法で賄い、それが紙幣価値の希薄化、ハイパーインフレを引き起こしたという歴史的事実から世界樹で中央銀行を政府から独立させた。過去の経験に学ばない主張。日銀もそれを実践しているという意味で、歴史に学ばず、途方もないしっぺ返し(=新中央銀行の設立、現在流通している円の紙くず化)を食らう」

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