.「長期的には1ドル=180円や200円というのが通過点のひとつ」「(国債) 発行できないような状況になればそれこそ格下げになりかねない」.「元財務省理財局次長・竹内洋さん」他b

2025年11月12日

1.「長期的には1ドル=180円や200円というのが通過点のひとつ」

本日の日経新聞記事。邦銀ディーラーを経て世界最大級の債券ヘッジファンドを育て上げた英キャプラ・インベストメント・マネジメントの浅井将雄・共同創業者の

インタビュー記事。浅井氏いわく

「財政に負担を強いる環境が続きやすい状況に変わりはないだろう。そこにポピュリズムが台頭すると国債発行による財政補塡の可能性が高まることはほぼ避けられず、金利上昇をもたらすのは必然だろう。長く続いた日銀の巨大な金融緩和の副作用が、金利上昇という形で出てくるのも間違いない」

「財政が発散(財政赤字の拡大)すると認識される場合は5%などでは済まないだろう」

「どこかの段階で財政が発散する、通貨防衛的に(日銀が)利上げを迫られるといった状況になれば、金利は非常に高いところまで上昇せざるを得なくなるということは否定できない」

「大きな円安のマグマを日本は常に抱えている。欧米に対して日本の金利が低すぎるうえ、成長率の差もあるためだ」

「長期的には1ドル=180円や200円というのが通過点のひとつではないかとみている」

浅井氏のファンドが「レラティブ・バリュー戦略」に強みを持っており、私がやってきたのは「グローバルマクロ」との違いはあるが、実際のマーケットでたたっていた(&戦っている)人間の見方はかなり同じだ。机上の空想論を述べるド素人教祖様とは全く違う。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOFL04022TU5A101C2000000/

 

2.「(国債) 発行できないような状況になればそれこそ格下げになりかねない」

本日の日経新聞。元財務省理財局次長・竹内洋氏のインタビュー記事

竹内氏いわく

「いまの政治では、根本的な財源の議論が誰からもなされていない。ましてや超長期国債の世界になれば、一番心配する話だ。いずれインフレは進んでいく」

「過去には、財源の議論をし始めたら国有財産を売ればいいといった話まで出てきたこともある。だが必要な予算とは桁違いの話で、とても説明としては成り立たない。現在はより極端になってきている気がする」

「財務省にとって最も大変なのは、歳出を増やすべきだという主張が強まっているなかで、どうやって歳入を増やすかだ。それは借金しかない。国債発行だ」

「発行当局としての仕事は、国債を発行することであり、発行できないような状況になればそれこそ格下げになりかねない話だ」

竹内氏は財務省理財局次長をされた後に関税局長をされた方だ。英語は財務省1,2を争うほど堪能だと私は思っている。私がJP モルガンに勤務していた時代、NYから会長、社長等の幹部が来日し「官僚に会いたい」と言った時は、よく連れて行って話をしていただいた。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92525240R11C25A1EE9000/

 

3.「元財務省理財局次長・竹内洋さん」

実は竹内さんは中学・高校の一年先輩でよく存じ上げていたこともあり、理財局次長の時は国債に関してかなり激しく議論をさせていただいた。退官後竹内さんが中心になってイトーヨーカドーの創業者伊藤雅俊さんを囲み、10人弱の勉強会を組成。三か月に一度程度のペースで伊藤雅俊名誉会長、竹内さん、松本さん、菅野さん(竹内さんの中・高の同級生、私の高校テニス部の一年先輩、日銀の為替課長等歴任、私がお願いしてJPモルガンにエコノミストとして来ていただいた)、伊藤順朗さん(雅俊さん次男・現セブン&アイホールディングス会長)が構成員。伊藤名誉会長が熱心にメモを取られていたので参加者は熱心に議論をしたものだ。

この当時竹内さんはさほど財政状況を気にされていなかった。どちらかというと私の危機感には反対だったと思う。その竹内さんが、ここまでで危機感を表明されるようになったことを知りやはり日本は切羽詰まってきているのだと思わざるを得ない。

ところで、朝、竹内さんに「日経読みましたよ」と電話したら「ア、なんだ、フジマキか」ですと。いつまでたっても学校時代の先輩・後輩の関係は重い。

 

4,「私の英語の出来なさ加減」

ところで竹内さんの英語が上手なのは上に書いたとおりだが、渡邉元財務省財務官も抜群に英語がうまい。もう20年くらい前になるだろうか?諸外国の若手財務官量の前で、私が1時間半ほどの講義をしているとき、渡邊さんが突然入室されて、私の講義を最後列で聞いていかれた。(全く準備しないで行ったためもあるとは思うが)、話している内容も英語も滅茶苦茶であり、私は自分の英語のあまりの下手さかげんに赤面してしまった。なお、それ以降、渡邊さんからの英語のお呼びはない。(日本語では、もちろん時々お話しするが)

彼も小・中・高の先輩だが、竹内さんや渡邉さんと同じ英語教育を受けていながら、どうして私こんなに英語が下手なのか?

我が校は受験指導は全く行わないのだが、それでも中学の時は「成績評価10が1学年270人うち何人いるのか?評価9が何人いるのか?」の表を通信簿と一緒に配っていた。

私は中学1年のとき、英語の成績が5だった。270人中5は20人で4以下はゼロ。要は私は270人中英語の成績がビリから20人以内ということだったのだ。家庭科が専科の担任教諭に「英語の5は情けないと思います」と通信欄に書かれた。そして中学2年の時の通信欄は「“」だった。すなわち「上に同じ」。

その後、三井信託のロンドン支店に転勤中、その担任の先生がロンドンにいらして「エッ、あのフジマキ君が英語で仕事しているの?」と目を丸くしたものだ。

だから英語が一人へたなのは致し方ないのかもしれない。

もっとも、三井信託千葉支店時代の慶応落研卒の大西先輩は「あの下手糞な日本語をしゃべるフジマキが上手な英語をしゃべったら、びっくり仰天だ」と言っていたくらいだか仕方ないか?

 

5.「歌舞伎」

昨日は5時から家内と歌舞伎鑑賞「ショウ・マスト・ゴー・オン」、

6年ぶりの三谷幸喜作品で評判の作品だ。

帰宅して日経新聞夕刊を開けたら、ちょうど最終面の「夕刊文化」にこの歌舞伎の評論が出ていた。

私が後援会長をしている坂東 彌十郎さん(NHK大河「鎌倉殿の13人」でブレークした)評論では「普段は立役(男役)を務める大柄の坂東弥十郎は、珍しい女形の役どころ。奇怪ともいえる姿は舞台に立っただけでもおかしみをたたえる」とあった。まさにその通り。

息子の新悟さんも出演。いい味出していた。

評論に中に「三谷は「歌舞伎のつもりで創ったのではなく、歌舞伎座で歌舞伎役者を使って、どれだけ面白いことができるかチャレンジをした」との文章があったが、非常に納得した。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92507530R11C25A1BE0P00/

歌舞伎2

 歌舞伎

6,「割烹きむら」@東銀座

歌舞伎後は東銀座の「割烹きむら」で軽く夕食from 8:15PM。

ここの女将は、昔、日本興業銀行の為替にいらしたそうで、行くといつも、昔の金融マンの名前で盛り上がる。昨年だったか、偶然、この店に入ったのだが(私共が追いかけをしている都響終身名誉指揮者の小泉和弘さんご夫婦との極少人数での打ち上げ)、私がその何十年か前に接待をこのお店で受けていたことを女将が覚えていてくださった。ご主人、女将共に大変気さくな方で感じがよく、とてもおいしかったので、それからたまに訪問させていただいている。