2025年11月19日

1.「本日の20年国債入札」

おできは普通、錐で穴をあけなければ、破裂しないが、ここまで日本の財政、日銀の財務が悪化してくるとおできは、錐でなくても、そよ風でも破裂する可能性がある。今日の20年国債入札もそのそよ風の一つ。そよ風は今後ともいくらでも吹いてくるだろうし、防風も来るだろう。いつも言うが、先教、最大の野党マーケットが反乱を起こす気配濃厚。

 

2.「ショックの処し方」

2000年に入ってからのマーケットはITバブル崩壊と、リーマンショックぐらいのショックしかなく、極めて平穏だった。

ショックに見舞われた時の恐怖は須天時いものだし、その処し方は場数を踏まないと養われないと私は思っている。

今のマーケットの現役諸君はショックの経験に乏しいだろう。そうなると、実際にXデイが来た時、右顧左眄するだけとなり、マーケットは想像以上の混乱を招く可能性が大いにあると私は思う。

 

3.「20年債の買い手はどれほどいるのか?」

20年債の最たる買い手は日銀だ。入札に日銀は参加できないから民間金融機関が買って日銀に転売する。日銀トレードといて、限りなく財政ファイナンス(国の歳出を中央銀行が通貨を増発することによって賄う)、違法行為に近いオペレーションだ。ところが日銀は保有残高を満期待ちで減額することを決めた。20年債を買うと、20年間補油していなければならない。その分はじゃぶじゃぶになった資金を回収できない(異次元緩和が通貨を市中に流すために国債を買ったのだから、市中から通貨を回収するためには国債を市中に売却するか満期に買い替えをしないとの選択肢か無い)。日銀が買ってくれないのなら日銀トレードのために入札に参加する理由はない。その他の大きな買い手である生命保険は、債券の評価損が膨らんできており、そう言うときに債券を買います勇気などない。ましてや株の下落で株の評価益が減少している最中だ。買うとしたら倒産覚悟の特攻だ。

もう一つの買い手の可能江性はGPIFだが、これも将来損による国民からの非難覚悟で特攻入札を刷るか否かだ。需要不足により超長期金利が更に跳ね上がればm弱小金融機関、弱小生保の危機。注いて、何と言っても日銀の危機が大きな問題となる

 

4,「20年国債の金利はどこまで上昇するか?

現在 20年国債の金利は「26年ぶりに高いところにある」そうだ。とはいってもたったの2.8%だ。1980年4月に10年債は11%を記録した。今当時20年債はそれほど発行されていなかったと記憶しているが、もし発行されていたのなら、(10年債と今同様の約1%のスプレッドがあるとして)12%程度にまで上昇していたことになる。現在の2.8%ではまだまだ上昇余地がある。

この時、ボルカーFRB議長が米国のしつこいインフレは金が市中にあふれてすぎているせいだと看破し、政策目標を金利から「お金の回収」に変更した。日本もその影響をうけた。現在の日本は、当時の日本はもちろんのこと、当時の米国に比しても段違いに金をバラマキ過ぎている、インフレの加速と為替における円の暴落は不可避だと思われる。

 

5.「今の日銀は長期債保有が致命的」

1989年当時の日銀の保有国債は少額でしかも大部分が3か月以下の国債や政府証券だった。したがって長期金利の上昇は日本経済には悪影響を及ぼしたものの、日本経済の守護神である日銀に悪影響を与えることはなかった。

しかし今、日銀の保有国債は長期債であり発行国債の半分以上を日銀が保有している。

長期金利の上昇は日銀に最大限のダメージを与える、日銀の信用が崩壊する。新しい中央銀行を作りという出口しかない。というか、今、日本には物価をコントロール出来る中央銀行は存在しない。物価をコントロールできない中央銀行は中央銀行とは到底言えない。財務の健全な新中央銀行と、とっかえをしなくてはならないということ。現在の円は法定通貨でなくなる(=円の紙くず化)

財政、金融のド素人人が、正当派金融論が「守るべきこと」と教える様々なことを大矢ヴりさせたツケはかくも重大きい。

 

6.「現在の円安進行の理由」

今の円安は日本が「40年間で世界最大の経済成長で国力が弱まっていること」にかけて加えて「日銀が世界最大規模で通貨をばらまき通貨円の価値が棄損している」ことと「日銀の財務が極端に悪化していて長期金利の上昇が日銀が巨大債務超過に陥るリスク」があり「日銀や弱小金融機関や生命保険がこれ以上の長期金利上昇で債務超過に陥り金融システムリスクがあり金利を引き上げられない」状況にあり、「日銀の債務超過や金融システムリクを抑えている日本経済の頼みの綱の株価の動きが不安定」である。そのような状態にもかかわらず「積極財政論者が政権の中枢を抑えており」、昨日などは「財政金融諮問委員会の委員がドル円は日米金r地差で決まる」などとトンチンカンあ発言をしている。それらに起因した円安進行である。からしてとんでもないことが起こらない限り円の反騰はない。

 

7.「為替介入では円安は全く止まらない、海岸で子供たちが作る砂の土手みたいなもの」

為替介入は出来ないし、出来たとしてもお茶を濁す程度だと思っている。

理由①上記の(円安を誘導する)とてつもないファンダメンタルズに対するには為替介入はあまりに無力。介入が溜まっていた欧米陣の円ロング解消の契機になり逆に円安が大きく進行するリスクがある。

②米国もインフレ懸念があり、インフレを加速させるドル安を好ましく思わない。

また貿易赤字解消に関税政策を選択した以上、今年から懸念が台頭した基軸通貨ドルの地位喪失を加速させるドル安に賛成するとも思えない。

③日本経済を支える唯一の株価の大崩れを誘発し日本経済が終わってしまう可能性がある。

④金利を上げられない(上げても後1回)では介入だけでは効果がない

⑤為替介入用の外貨準備のうちドル預金は20兆円程しかない。保有米国債を売却したドルを介入資金にしようとすれば米国債を売らざるを得ない。それは米国長期金利の上昇を促し、逆にドル高円安になってしまうかもしれない。又トランプ大統領が激怒するのも間違いない。

⑤外貨準備のドル預金は、トランプ関税の80兆円投資の原資の一部に使わなければならない可能性がある。またドル預金の20兆円が介入もしくは80兆円投資の一部に使われて残高が半分にまで落ち込めば、マーケットに「もう介入出来ない」と見透かされるのは他国の例からも明らか。

⑥米財務長官のベッセント氏は「英国中央銀行に勝った」ソロスファンドに勤め、その後ソロスの2大ファンドマネージャーだったドラッケミラー氏の元でも長く務めた。

ドラッケミラー氏は1992年に「英国中央銀行の為替介入と戦って勝った」ソロスファンドで陣頭指揮をした2人の主役の内の一人(もう一人はニックロディツティ氏)。

ドラッケミラー氏やニックロディツティ氏の考え方を私は熟知しているつもりだが(だいたい思考経路は私と同じ)、為替介入など効かないと思ている。その人たちの元で育ったベッセント財務長官が為替介入に意味を見出しているとは思わないし、認めるわけはないと思っている。