本文(臨時版・地銀再編他)

2019年04月04日

1.「地銀再編 政府が促進策」――>地銀の体力は?
本日(4月4日)の日経新聞1面に「地銀再編 政府が促進策」という記事が出ている。
異次元の量的質的緩和の質的とは、日銀の長期国債の購入開始のこと。そのせいで長期債の価格が暴騰(=長期金利は急低下)し、地銀の収益の柱の長短金利差がなくなった。いよいよ地銀は体力勝負に入ったようだ。異次元緩和を継続すれば地銀がつぶれて金融システム危機。緩和を辞めれば政府が資金繰り倒産。どうする日銀?
https://www.asahi.com/articles/ASM433GDXM43ULFA00C.html

2.官民ファンドの失敗例(日本衰退の原因)
本日の日経新聞1面トップは「JDI,台中勢傘下に」という記事だ。
日の丸液晶連合すなわち官民ファンド(旧産業新機構)の失敗例。3000億円以上投入してたったの800億円で50%弱の株式と筆頭株主の地位を持っていかれる。官が入ると、とかく政治的判断からゾンビ企業に延命資金が流れる。これもその1例?そんな金があるならAI,ブロックチェーン、暗号資産開発に使え、と思う。日本で産業の新陳代謝が進まないのは政府の過剰干渉があるせいかもしれない。
インドでインターネットが進んだのは、政府が(規制する能力がなく)規制しなかったから、という人が多い。それと同じ。政府の仕事は民が働きやすい環境づくりで官がビジネス分野に出てきてろくなことはない。大きな政府になり、税金が上がるだけ。

3.「平成のマーケットで活躍した人」
「明朝朝7:05から7:50までのBSテレ東京 「日経モーニングプラス」に写真だけ出演だそうです。「平成のマーケットで活躍した人」というコーナーーの中だそうです。かなり短い時間だと思いますが」と昨晩書いたが、見てみたら、かなり短いどころか、ごくごく短い時間だった。
平成の著名アナリスト3人の一人として紹介された。MCの豊島さんが、この方は「アナリストというよりトレーダーと言った方がいいかも?」とコメントしてくださったが、私はまさにトレーダーそのもの(笑)。自分がバスケット選手だと思っていたのに、プロ野球のオールスター選手に選ばれた気分で光栄です。「それも、そのはず。藤巻氏は『語る』ことが仕事のエコノミストではなく、『儲ける』ことが仕事の、自分がポジションを持つ(俗に『相場を張る』)ディーラーなのだ。今年の****に藤巻氏の名前を発見して、ミスターの名前が虚名でなかったことを改めて確認した読者もいらっしゃるに違いない」(日本経済研究センター会報誌の書評・日経新聞編集委員兼論説委員末村篤氏)
それにしても、昔、セブン&アイHLDGSの伊藤順朗さんが何かの会合で、私のことを「伝説のトレーダー」と言おうとして「幻のトレーダー」と紹介され後で平謝りされたが、「このままでは財政破綻」を20年言い続けて外しているから。伊藤さんは先見の明があったのかもしれない(笑い)。

4.暗号資産関係(インターネット番組「村田雅志のトークルーム」)。
一昨日は20:00から21:00までインターネット番組「村田雅志のトークルーム」に出演。その内容を仮想通貨関連メディア大手コインテレグラフが記事にしてくれた。
https://jp.cointelegraph.com/news/japanese-pro-crypto-politicain-if-bank-of-japan-reaches-its-2-target-it-is-out-and-crypto-will-surge

昨日は参考人をお呼びして参議院「国民生活・経済に関する調査会」。格差が議題。マスコミがジニ係数を絶対視している風なので、一応聞いてみた。3人だけの国民だと仮定して「A国民は2億円、5千万、5千万の年収、B国は20万、5万、5万。ジニ係数は同じですね?」やはりというか当然ながら同じだった。A国にとっては、格差議論など余計な話だろうし、B国にとっては格差議論どころではない。全体の格上げが必要。高田参考人(みずほ総合研究所)の「他の先進国は富裕層の富の独占委よって格差が生まれているが、日本は中間層の没落で生じている」まさに同意。だからこそ、「富者をずり下ろす(これをすると全員が等しく貧しくなる)政策ではなく貧者を引き上げる政策が必要。パイの分配よりもパイの拡大が急務なのだ。そのためにはゾンビ企業への補助金より、AI,ブロックチェーン、暗号資産の成長を促すことが重要。