中央銀行の債務超過は最悪、 脱却時に債務危機リスクも

2020年09月07日

1.中央銀行の債務超過は最悪

私が新卒で銀行に入ったとき「銀行は信用が第1.信用を失ったら破綻」と教わった。だから「嘘はダメ」「損失は許されない」だった。銀行員が猫ババしたり、銀行が危ないところに投資して損をするならば、誰も信用してお金を預けてくれなくなるからだ。保険会社も損をしないことが重要。損をしている保険会社は死亡時や災害時に保険金を払うお金が無いかもしれないからだ。そうなると誰も保険に入ってくれなくなる。損をしてはいけない代表格が中央銀行だ。誰もその発行する通貨を信用してくれなくなる(=ハイパーインフレ)からだ。だから、以前の日銀は、株、社債、長期国債等値動きが激しいものは保有していなかった。損する可能性があるからだ。それが、今の日銀は長期金利が上昇すればビクビク。株が下落すればビクビクだ。現在,ほんのちょっと長期金利が上昇すると、日銀は債務超過。その信用はズタズタとなる。それなのに総裁選では財政・金融の窮状が全く議論されない。

2.脱却時に債務危機リスクも 

本日の日経新聞「経済教室」の論考でマーカス・ブルネルマイヤー プリンストン大学教授曰く「金利正常化への移行期には債務危機を引き起こさないよう注意が必要だ」。経済学者らしく、一般論でしか論じておらず、名指しは避けているが、この論考を読めば読むほど、「世界最秋の財政状況で、世界断トツで財政ファイナンスを行っている日本は破綻を免れない」と言っているようにしか私には読めない。結局のところ、ハイパーインフレで究極の財政再建を行い、日銀をつぶし新中央銀行設立で、通貨の安定【=ハイパーインフレからの脱却】を図るしか現実的な道は無いように思う。国民生活は地獄。平時に赤字を積み上げ、「禁じ手中の禁じ手」の財政ファイナンスに深く立ち入った人災。それなのに総裁選では最大の国難を誰も議論しようとしない。https://www.nikkei.com/article/DGXKZO63441060U0A900C2KE8000/