「米国債10年金利0.9%へ上昇。米長期金利上昇が継続すれば日銀は危機」.「大阪都構想の否決について」他

2020年11月04日

1.「米国債10年金利0.9%へ上昇。米長期金利上昇が継続すれば日銀は危機」

今朝のNHKでもやっていたが、トランプ氏、バイデン氏のどちらが勝っても巨大財政出動が予想される。それが昨晩のNY株大幅上昇の理由とのこと。ならば、米長期金利は上昇を継続しよう。それが当然の市場原理。今朝の米ドル金利10年はついに0.9 %まで上昇してきた。長期債を持っている方は短期債に乗り換えた方がよい、(金利が同じ程度上昇しても、値段の下落は短期債ほど小さい)米金利上昇は日銀を危機に陥れる。日銀幹部は今日も、真っ青な顔しているだろう。

2「エエ~、第3次補正が10~15兆円?もうハチャメチャ」

「国際通貨基金(IMF)の集計によると、財政支出や金融支援を含む日本のコロナ対策はすでに国内総生産(GDP)比35%に上り、米国の14%を大きく上回る。30%台後半のドイツやイタリアと並ぶ高水準だ」そうだ。世界最悪の財政赤字国家がコロナ対策で、世界最大級の財政出動(それも平時に健全財政を貫いたドイツと同じ規模の出動)。それをさらに拡大させるのか?もうハチャメチャ

欧米のようなキツい都市封鎖もせず感染者もごく少なかったのに、日本経済は欧米並みに失速。その一方、米国のGDPは7~9月に33%増だったのに、日本のそれ(11月16日(?)発表予定)はたったの「10%台だろう」とのこと(日経景気討論会での岩田一政日銀副総裁)

バラマキでは何も解決しない。ワイズスペンディング(賢い支出)が不可欠。限界が近づいている。なお、記事にあるように「20年度に増発される国債は償還期限の短い『短中期債』に限られているとみる」とあるが、これは金融システムが限界にきていることの証左。また「「短中期債」の利回りは、現在マイナス(2年 ▲0.14%、5年▲0.1%)。これを買うと、ただでさえ脆弱な日銀財務が、ますます危険領域に堕ちこむ、日銀の信用が無くなれば円は暴落、ハイパーインフレ一直線。https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65751740S0A101C2EE8000/

3.「異次元緩和の問題は極限にまで達している」

異次元緩和の問題は極限まで達していると私は思う。大きく膨らんだ膿は近いうちに破裂すると思う。円暴落・ハイパーインフレに備えた方がいい。以下の元日銀理事の畏友・山本健三さんのブログを是非、読んでいただきたい。「銀行はいよいよ苦境に立たされている。考えてみれば、当たり前だ。預金金利はゼロ%に張り付く。一方、リスクフリー・レートである国債(10年以下)の市場利回りは、5年近くゼロ近傍にある。負債と資産の金利が同一水準(ゼロ%)であれば、収益をあげるどころか、経費も賄えない」「典型は、日銀の運用利回りだ(注)。日銀が保有する社債の運用利回りは-0.024%だった(2019年度)。どんなに優良な企業であっても、倒産確率がゼロになることはない。にもかかわらず、マイナスの社債利回り(=マイナスのクレジットスプレッド)というのは、日銀の資金供給が経済のロジックを押し潰すほどの大規模に達している証しである)「結局、銀行システムは、長期にわたるフラットなイールドカーブ(や逆イールドカーブ)に耐えられない」「考えてみれば、当たり前だろう。今年度の新規国債発行額(補正後)は、90兆円にのぼる。このような巨額の資金調達をタダで行えるというのは、やはり歪んでいる」

https://www.kyinitiative.jp 

4.「大阪都構想の否決について」

大阪都構想の否決は残念であった。しかし翌日の日経新聞・斎藤編集委員の「地方自治、問われる持続性」にあるように、大阪維新の発想に賛意を示す記事も散見される(出来れば選挙前に出して欲しかったが)。又、翌3日の日経新聞の「大都市制度、見直し機運」の記事には「大阪都構想の住民投票は否決されたが、大都市制度の見直し機運が高まっている」ともある。これらの記事を読んで、日本維新の会が、停滞からの脱却を目指す改革政党であり、自民・立憲が旧態依然のまま世界から遅れていく日本を象徴する勢力との印象を持った大阪以外の読者も多いのではないか?地方自治の問題は大阪だけでなく、日本全体の大きな問題であることを日本人全員に知らしめる意味では大変意義深いものだったと思う。

斎藤編集委員曰く「(ニューヨーク・ロンドンは)いずれも、二重行政のない仕組みを取っている。こうした都市と競争する大都市は、二重行政を解消する形を探る必要があろう」「人口減と低成長が続けば税収は伸びず、自治体運営は一層厳しくなる。そのとき現在の都道府県や市区町村は残るのか。道州制といった新たな体制への移行も念頭に考えていく時代を迎えている」

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65735290S0A101C2NN1000/

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65779080S0A101C2EA2000/

5.携帯料金引き下げは競争による低下が本来の姿

10月30日発売の婦人画報の私の連載の書き出しは「菅義偉総理大臣が、政権の目玉政策として携帯電話料金の値下げを図っています。政府主導の値下げでは、社会主義国的経済と言われてもおかしくはありません。資本主義国家なら、政府は、競争環境を作って、値下げを促していくのにとどめるべきです。そうは言いながらも、昨今では携帯電話を含めた情報関係費が家計でも大きなウエイトを占めるようになり、値下げは家計にとっても、うれしいニュースでしょう」だった。

昨日、11月3日の日経新聞・経済教室での中村彰宏 中央大学教授の「競争による低下が本来の姿 携帯料金引き下げの論点」との論考は、まさに同じ趣旨だった。難しいこと(?)はわからないが、中村教授の「競争促進」の基本論考に賛同する。https://www.nikkei.com/article/DGXKZO65750470S0A101C2KE8000/

6.「医学知識検定」

中高の後輩で、いつも軽井沢の別荘に泊まらせていただきテニスをご一緒させていただいいる島田先生(東邦大学大学院消化器外科学教授、東邦大学大学院臨床腫瘍学教授(併任)、東邦大学大森病院がんセンター長)が主催者のお一人である「医学知識検定」が、来週11月8日(日)の午前中にWEB検定として実施されます。一般向けの医学知識の普及を目的としたものです。ご興味のある方は。日本医学知識検定協会のサイトからログインして、お申し込みください。

http://www.igaku.or.jp/