(本日第2弾)「日銀はなんかヤバイモノ見たのか?危険なこと、やるもんだ」

2020年11月16日

本日第1弾は9時過ぎにアップしています、そちらもお読みいただければ幸いです。

1.「日銀はなんかヤバイモノ見たのか?危険なこと、やるもんだ」

昨日の朝日新聞社説「地銀への支援 疑問が多い日銀の手法」。的確な指摘でいい社説だと思ったが、毎日新聞の元論説委員長の潮田さんがご自身のFB に載せたコメントは、そのものズバリで秀逸。潮田さん曰く「『中央銀行は、金融危機の時に<最後の貸し手』となることが期待されている。しかし、今は直ちに危機が顕在化する状態ではない<-危機がまもなく顕在化すると思っているからやるんだろう。そうとしか思えないじゃないか。」「MOF検査ほどじゃないだろうが、考査で経営状況を相当掴んでいる機関がやるんだからねえ。日銀はなんかヤバイもの見たんだな。と、思われても仕方ないよ。危険なことやるもんだ」まさにAGREE.それにしても国会もマスコミも、皆、能天気だな~。https://www.asahi.com/articles/DA3S14695908.html?iref=pc_ss_date

 2.「コロナ対策出動」

今朝「日本は株価も経済も米国と一緒に堕ち、回復はいつも遅れる」と書いたら、Twitterに「なら日本とアメリカがやってること比較すればすぐ答え出るんじゃないでしょうかね」というリツイートが来た。GDPの回復遅れは「財政出動が足りなかったせいだ」とおっしゃりたいようだ。そこで以下の返事を書いた。「意味わかりません。『コロナ禍対策で、日本は大型財政出動をしたから回復が遅れた』と理解しろということですか?(皮肉です)、『国際通貨基金(IMF)の集計によると、財政支出や金融支援を含む日本のコロナ対策はすでに国内総生産(GDP)比35%に上り、米国の14%を大きく上回る」(11月2日日経新聞)』とありますが」https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65751740S0A101C2EE8000/

3.25年前と同じGDP」

比較可能な昭和55年以降では過去最大の伸びだった。―>そりゃそうだけど、そこは強調するところではなかろう。今年度のGDPは507兆円程度と予想されると聞くが、だとすると1995年の512兆円より低い。コロナ禍があったとはいえ、過去最大の伸びで、やっと25年前と同じ水準ということ。喜ぶことではない。https://www.sankeibiz.jp/macro/news/201116/mca2011160920015-n1.htm

4.「腰が抜けるほどの日銀のバランスシート対GDP比」

今年度の名目GDPが507兆円だとすると、日銀のバランスシートは9月末で、対GDP比136%となる(9月末資産規模は689.9兆円と超メタボ)。私のようなオーソドックスな金融マンにとっては腰が抜けるような数字。、今後ともこの数字は悪化していく。日銀のバランスシートを縮小させるには、日銀保有の満期償還金を国債の再投資しないこと。国は新発債、借換債を日銀に売れないとなると、増税で得た資金で満期国債の償還をせざるを得なくなる。代わりに民間にこの巨大額を買ってもらう手もあるが、何⒑%の利息が必要となろう。無理だ。すなわち日銀のバランスシート償却は、単年度予算の黒字化しかない。すなわち中央銀行のバランスシートの対GDP比というのは、いかに簡単に税金で中央銀行のバランスシートを縮小できるかの難易度を表す。136%、もう無理だ。私が日銀を廃し、新中央銀行を作る(=円は紙くずとなる)しか出口はないという理由。